天井裏の物音、聞いたことありますか?それはハクビシンかもしれませんよ。
ハクビシンの駆除には、追い出す方法と捕獲する方法があり、駆除会社に依頼することで、正しい駆除方法でハクビシン対策を行います。
ハクビシンは、可愛い見た目をしていますが、農作物や家を汚損させる害獣です。屋根裏や天井裏に住みつき、すぐにでも自分で駆除したくなりますが、「鳥獣保護法」という法律があるため、勝手に駆除や捕獲をすることはできません。
全国各地にハクビシンは生息しており、繁殖力も高いため、そのままにしておくと被害が拡大してしまいます。
ハクビシンの駆除依頼はどこにお願いすればいいのかな?料金はいくらだろう?と正直思いませんか?
この記事では、ハクビシンの特徴と生態、被害について、自分でできる対策や自治体からの補助の有無についてまとめています。また、安全な駆除業者の選び方と費用相場、業者を利用するメリットを徹底解説しています。
最後までぜひご覧ください。役立つ情報満載ですよ。
ハクビシンの特徴と生態
ハクビシンの大きさは頭から尻尾の先まで合わせて70〜100cm程で、体重は3〜4kgです。
鼻から額にかけて白い線、目の下と耳元に白い模様があります。タヌキよりも一回り大きく、胴体と同じ長さの尻尾が特徴です。
ハクビシンの生態を以下の表にまとめました。
性格 | 基本的には臆病。危険を察知すると襲ってくることもある。 |
---|---|
生息地 | 山間部から市街地に生息する。天井裏などの人の目につかない場所を好む。 |
食べ物 | 雑食性。なんでも食べる。 |
繁殖力 | 強い。生後10ヵ月で出産可能。年1〜2回出産する。 |
夜行性のため、夜になると食料を求めて活動を始めます。
ハクビシンによる被害4選
ハクビシンによる被害は深刻です。畑を荒らすだけではなく、家の破損にもつながります。ここではハクビシンによる被害を4つご紹介します。
ふん尿による汚染
ハクビシンは、トイレの場所を決めたらずっと同じところにする習性があるため、ふん尿による悪臭はもちろん、天井のカビ、腐敗の原因にもなります。
「溜まったふん」で腐敗すると天井から雨漏りのように落ちてくることがあるので生活にも支障が出てしまいます。
人への健康被害
ハクビシンは多くの人畜共通感染症(人にも動物にも感染する病気)の原因菌を保有しています。
ノミやダニが増殖するだけではなく、その死骸やふんにより、ぜんそく、アレルギーが引き起こされることがあります。
騒音
ハクビシンの好む場所は天井、屋根裏など暗い場所です。
夜行性のため、夜中にバタバタと走り回る音が響きわたるため、寝られないことがあります。
農作物を荒らされる
ハクビシンは雑食性の生き物なので、畑の野菜や果物を荒らします。
特に甘い果実や野菜が好きなため、ブドウ、サクランボ、イチゴ、さつまいも、じゃがいもなどの農家が被害に遭っています。
ハクビシンは運動能力が高く、木の上に成っている実も食べてしまいますので、注意が必要です。
ハクビシンの駆除には法律がある?
ハクビシンは「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」の対象になっているため、勝手に捕獲や駆除はできません。
農作物や生活に支障がでている場合のみ、県や市町村の許可のもと駆除できます。
自分で行うハクビシン対策
自力でハクビシンを駆除するためには、行政の許可や現地調査、駆除の準備など、全5つのステップを踏む必要があります。
ステップ1 行政に連絡し、許可をとる
まず初めに、お住いの市町村に鳥獣捕獲等許可申請書を提出します。
「小型箱わな借用願」や「鳥獣被害防除機材貸出申込書」とよばれる申請書もありますので、箱わなの貸出が必要な場合は一緒に申請しましょう。
申請から許可までに数日かかることがありますので、余裕を持って申請しましょう。
ステップ2 現地調査をする
ハクビシンを駆除するためには現地調査が必要です。
被害がどの程度なのか、侵入経路はどこなのか、ハクビシンの巣はどこにあるのかなどを徹底的に調べます。
ハクビシンは夜行性のため、侵入経路を確認するには、夜間撮影やセンサーカメラでモニタリングすることがとても大切になってきます。
ステップ3 駆除・捕獲の準備
駆除用の箱わなを使用します。自治体での貸出がない場合は2〜3万円で購入できますので用意しましょう。
またハクビシンは、甘い食べ物が好きなので、果物などを用意してください。
足跡や獣道からハクビシンのルートを特定し、その上に箱わなを設置します。
用水路や川の近くを通る習性もあるので、近くにある方はチェックしておくと良いです。
ハクビシンは同じルートを通る習性がありますので、ルートの上に仕掛けることが、捕獲への近道です。
ステップ4 駆除
箱わなの入り口付近に寄せ餌を撒きます。
箱わなの中にも食わせ餌を仕掛けましょう。
できれば被害に遭っている食べ物を餌にすると良いです。
箱わなの中にハクビシンが入り、扉が閉まれば捕獲完了です。
自治体に連絡して引き取ってもらえることもありますが、自分で処分しなければならない自治体もありますので、箱わなを借りた時に一緒に確認してください。
ステップ5 予防策
駆除したら、再発予防をします。
- 侵入経路を断つ
- ふん尿の掃除
- 病原菌、ダニ、ノミの駆除と消毒
- 床の腐敗を防ぐ処理
ここまでしないと、ハクビシンは再侵入してしまいます。予防をしっかり行いましょう。
自治体からの補助はあるの?
県や市町村によって異なりますが、箱わなの貸出のほかに、購入費の補助を行っている自治体もあります。
栃木県宇都宮市を例にあげると、わなの貸出と捕獲や被害防除などに要する費用の一部補助を行っています。
※わな購入費の経費1/2(上限5万円)を負担
また、ハクビシンの回収、処分も宇都宮市で行っています。
東京都立川市では、市では一切ハクビシンの捕獲・駆除は行っておらず、駆除業者の紹介のみを行っています。補助金や助成金もありません。
参照:宇都宮市
業者駆除の費用相場
ハクビシンの駆除にかかる費用は、駆除にかかる基本料金+オプション料金で構成されています。
1m²単位での料金設定や、1カ所あたりの料金設定の場合がありますので、詳細は各業者に確認してくださいね。
内容 | 税込価格平均相場 |
---|---|
ハクビシン駆除料金(30m²) | 21,479円 |
有害鳥獣捕獲申請代行手数料 | 12,150円 |
捕獲カゴ設置(1基) | 14,150円 |
侵入口閉鎖作業(技術料金) | 15,560円 |
出入口の仕掛け設置 | 10,800円 |
点検口作成 | 18,267円 |
ふんの清掃作業(1ヵ所) | 12,500円 |
天井裏殺菌消毒作業(1m²) | 890円 |
天井裏害虫駆除作業(1m²) | 774円 |
消臭(1m²) | 415円 |
※部屋の広さによりますが、天井裏が20坪で10~20万程度かかります。
※公開された9つの駆除業者の情報をもとに平均を算出しています(独自調べ)。
業者駆除の方法とその流れ
自分で駆除する方法を先ほどお伝えしましたが、かなりの労力が必要だと感じませんでしたか?ここでは業者駆除の方法と流れを紹介します。
ヒアリング・現地調査
まず、ハクビシンがどこにいるのか、侵入経路はどこなのかをヒアリングし現地調査をします。防除作業監督者とよばれる国家資格をもっている調査員が対応している駆除業者も多いので、徹底的に調査してもらえます。
提案と見積もり
調査の結果から、最適な駆除方法を提案し、見積もりを出します。他社と比較することも大切ですので、早急に契約を進めてくる業者には注意しましょう。
契約
作業工程と金額に納得ができたときには契約をして、作業日程を決めましょう。
駆除
駆除開始です。駆除の方法には、追い出す方法と捕獲する方法があります。作業にあたっては家の水道や電気を使用することがあります。
追い出す方法(忌避剤散布・追い出し燻煙)
侵入口から離れた場所に忌避剤を設置し、追い出していきます。ハクビシンの弱点である嗅覚を刺激することで逃げていく仕組みです。
追い出し燻煙法では、ハクビシンが潜んでいる場所に燻煙剤を焚き、煙を充満させます。忌避剤と同様に侵入口から離れた位置に設置します。
捕獲する方法
「自分で行うハクビシン対策」のところでもお伝えしましたが、箱わなを使って捕獲します。捕獲した後の処理も駆除業者にて殺処分してもらうことができるため、安心です。
再発防止対策
駆除後にまずは掃除・消毒をします。ハクビシンのふん尿をそのままにしておくと、家が腐り危険です。
また、ふんを餌に他の動物が住み着いてしまう可能性もあります。
追い出したハクビシンが戻ってくることがあるので、徹底的な掃除・消毒で二次被害対策をします。
侵入経路を絶つ
ハクビシンは、拳くらいの大きさの穴があれば、どこでも侵入することができるため、隅々まで調査し侵入口を塞ぎます。
居心地の良い場所は何度でも住み着いてしまうのでしっかりと対策を行います。
アフターフォロー
しっかりした業者であれば、施工から2年〜10年ほどアフターフォローが受けられます。
建物の構造上、完全駆除が難しい場合は、アフターフォローを受けられない可能性があるので、事前に業者に確認をしておくと良いでしょう。
業者に頼んだ方がいいシチュエーション
ハクビシン駆除は自分でできますが、「完全駆除が出来るか不安」、「駆除する時間がない」、「自力で駆除すると衛生面に不安が残る」…という方もいるでしょう。
そのような方は業者に頼んだ方が安心です。
また、自力で駆除する場合、何度も駆除を繰り返しているうちに、費用がかさんでしまった…ということもありますので、業者に頼んだ方が安く済む場合もありますよ。
業者駆除でしか手に入らないメリット
業者駆除でしか手に入らないメリットが4つあります。自分では手が回らないことや、つい忘れてしまう対策など、その道のプロならすべて行ってくれます。
消毒をしてもらえる
ハクビシンは、細菌や寄生虫、ノミ・ダニを持っていることが多いです。天井裏のノミ・ダニが増殖し、人間に被害をもたらすことがあります。
業者駆除では、ハクビシンを駆除したあとにふん尿の掃除と殺菌消毒を行います。業者によって消毒方法は異なりますが、空間に噴霧する方法がほとんどです。
消毒した後は、ふん尿のにおいを取るために消臭を行います。市販の物に比べ、強力な薬剤を使っているので、確実に殺菌・消臭してくれますよ。
修繕工事をしてもらえる
ふん尿によって天井裏が腐ってしまった場合は、対処法として防腐剤の塗布や散布を行います。また、原状回復工事や、リフォームをしてもらうこともできるので、自ら業者依頼する必要がありません。
再侵入対策をしてもらえる
大切なのは、追い出したハクビシンを再侵入させない事です。10cm程度の穴があれば、ハクビシンは容易に出入り可能なので、アルミや鉄、プラスチックなどで強固に遮断を行います。
任せられるので危険がない
自分で駆除する場合は、天井裏を確認し、わなを仕掛け、ふん尿の掃除、消毒、修繕などすべてを自分で行わなければなりません。
さらに、ハクビシンが襲ってくる可能性もあります。
駆除業者ではこれらの作業をすべて行ってくれます。ハクビシンの駆除に慣れているため、危険な作業もリスクなく安心して任せることができます。
ハクビシン駆除業者の選び方6選
ハクビシン駆除業者に依頼をしたいけど、どの業者にお願いしたら良いのか悩んでしまうこともあるでしょう。
悪質な業者も存在するので注意しなければなりません。ここでは、ハクビシン駆除業者の選び方を6つ紹介します。
都道府県の許可
ハクビシンは鳥獣保護法により勝手に駆除できません。どんなに危険な野生動物でも、勝手に駆除した場合は法律で罰せられてしまいます。
依頼する業者が、都道府県や市町村の許可を取得しているかを確認しましょう。
悪質業者の場合、許可を取得していない可能性が高いです。
事前調査と丁寧な説明
事前調査をしない、事前調査が適当、説明が雑な業者は悪質業者の場合が多いです。
信頼できる業者は、事前調査に1~2時間の時間をかけ、侵入経路や被害状況の写真を撮り、どのように駆除するのかを丁寧に説明してくれます。
「早く駆除しないと危険です」など、説明もなく契約をせまる業者には注意してください。
見積もり
駆除業者を選ぶ際、見積もりがない業者や、内訳を記載しない業者は信用してはいけません。良い業者は、明瞭な見積もりとその内訳を提示します。
また金額が平均よりも安すぎる業者も気を付けた方がよいです。あとから追加費用とし、高額な請求を受ける可能性があります。
アフターケア
駆除後のアフターケアや保証がついているかどうかも、大事なポイントです。
業者によって、保証内容や年数は異なりますが、ほとんどの業者で再発時の保証をしています。
ホームページにアフターケアの記載がない、または有料であるかなどあらかじめ業者に確認しておきましょう。
駆除実績
駆除業者選びでは過去の実績を見ましょう。どのくらいの件数の駆除を行ったことがあるか、得意な駆除は何か?など明確な記載のある業者は信頼できます。
ぜひ確認してみてください。
複数社比較
複数社比較することもポイントの一つです。業者によって作業内容やアフターフォローの有無、二次被害対策の有無などの違いで価格が変わります。
安く駆除することができても、肝心な二次対策がない場合や、他の業者と同じ内容なのにものすごく高額…という場合もあります。
複数社比較することで自分の納得できる内容と価格がわかり、業者の対応も知ることができるため、悪質な業者に引っかかる可能性が激減します。
まとめ
ハクビシンの駆除は再侵入対策を行わなければ、再び住み着いてしまいます。
この作業を自分で行うのはとても労力が必要で、時間もかかります。
多少お金はかかりますが、害獣駆除業者にお願いすることで、無駄な労力を使わずに済みますよ。