天井裏や床下などに入り込んで住み着いてしまうネズミ。
かわいい見た目に反し、家の資産価値を低下させたり、人間の身体に深刻な健康被害を起こす害獣です。
繁殖率が大変高いため、放っておくとネズミによる被害はより拡大します。
しかし、駆除したいと思っても何から手を付けたらいいかわからないという方もいるでしょう。
そこで本記事では、ネズミを自力で駆除する方法と業者に依頼する場合を詳しくまとめました。
ネズミの習性や被害を繰り返さないための対策も解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
ネズミ被害とは
ネズミ被害と一口にいっても、家財や食べ物に対する被害から人間やペットの健康被害までさまざまなものがあります。
ここではネズミの生態について解説しながらどんな被害が起きやすいのかまとめました。
- ネズミが住み着きやすい場所
- ネズミ駆除の際に注意すること
ネズミ駆除をする際の注意事項も含まれているので、ぜひ参考にしてみてください。
ネズミが住み着きやすい場所
ネズミが住み着きやすい場所は、天井裏や床下、食べ物がある台所などです。
天井裏から音が聞こえたり、食べ物が荒らされたりしたらネズミが住み着いた可能性があります。
- 天井裏
- 床下
- 台所
- ゴミ捨て場
ネズミ被害を防ぐためには、駆除の前提として存在を確認しなくてはなりません。
ネズミは動き回りながらフンや尿をする習性があるので、姿を確認できなくても痕跡から探ってみましょう。
ちなみにネズミのフンは、長さ4~10ミリ程度の米粒のような形状をしています。
また、近くで建物などの解体工事があると住処を失ったネズミが移動してくることがあります。
寒い時期になると暖かい家屋に侵入するケースも報告されているので、住環境や季節の変わりめには特に警戒が必要です。
ネズミ駆除の際に注意すること
駆除を検討する際はネズミの習性も考慮して考える必要があります。
- 警戒心が強い
- 環境に適応する能力が高い
- 学習能力がある
- 夜行性で聴覚などの感覚器官が発達している
- 繁殖力が高い
ネズミは警戒心が強いため、簡単な罠にかかりにくい特徴があります。
また、個体差はありますが学習する力もあるので、他のネズミが捕まった罠を避ける傾向もあります。
そしてもっとも注意するべき点は、ネズミの繁殖力の高さです。
種類や条件によって多少異なりますが、一般的には1年に6~7回出産し、1回に6~10匹ほどの子供を産みます。
そのため、被害に気がついたらすぐに対策をしないと、ネズミはあっという間に増えてしまうでしょう。
自分でできるネズミ対策3選
ここでは自分でできるネズミ対策を3つ紹介します。
- 捕獲(粘着シート)を設置する
- 忌避剤をまく
- 殺そ剤を使用する
ネズミ駆除グッズはネットやドラッグストアなどで購入できるので、業者に頼らず自分で対策したい方は参考にしてみてください。
1)捕獲(粘着シート)を設置する
ネズミを捕獲するための粘着シートは、自分でできるネズミ対策でもっとも一般的な方法です。
ネットで「ネズミ 捕獲シート」「ネズミ 粘着シート」と検索するだけでたくさんの種類がヒットします。
ドラッグストアでも低価格で販売されているため、比較的購入しやすいネズミ駆除グッズといえるでしょう。
仕組みは簡単で厚紙に強力な粘着剤が塗ってあるだけです。ネズミが上を通ると粘着剤にひっかかり動けなくなります。
捕獲(粘着シート)を設置する際のポイントは2つです。
- 設置場所は壁際やネズミのフンが落ちていた場所を狙う
- 5枚以上の粘着シートを広げて敷き詰めて設置する
ネズミは壁にそって移動することが多いため、設置する場所は壁沿いやネズミのフンが発見された場所がおすすめです。
粘着シートが1~2枚程度だとネズミがかかっても自力で脱出できる場合があるため、設置する際は、5枚以上を隙間なく敷き詰めるようにしましょう。
ただ、犬や猫などのペットを飼っているご家庭だと、セットする場所に十分な注意が必要です。
ネズミ用粘着シートはとても強力なので、誤ってペットがかかってしまうと、毛ごとを刈りとらなければ助けることができません。
また、水回りで使用する場合は、耐水性のタイプを選ぶことも忘れないようにしましょう。
2)忌避剤をまく
忌避剤をまくことでネズミを追い払うこともできます。
忌避剤とは、ネズミが嫌うニオイや成分で、対象生物が近寄らないようにするために使用します。
忌避剤を使用する際は下記のポイントを参考にしてみてください。
- フンなどの痕跡があった場所に直接スプレーする
- ネズミの居場所が分からないときは、スモークタイプで家全体に使用する
スプレータイプやスモークタイプ、設置タイプなど、忌避剤にはさまざまなタイプが販売されています。
粘着シートや殺そ剤とは違い、ネズミを殺すことなく対策できる点が魅力です。
粘着シートと同様に、近くのドラッグストアやネットで購入できます。
ただ、こちらも犬や猫などのペットを飼っている場合は注意が必要です。
忌避剤はネズミを殺す成分は入っていませんが、ペットに強いストレスを与える場合があります。
そのため、ペットがいるご家庭ではスモークタイプを使用しない、猫や犬が近づかない場所のみスプレーするなど細心の注意を払いましょう。
3)殺そ剤を使用する
ネズミ駆除で昔から使われている手段のひとつに殺そ剤があります。
簡単にいうと毒入りのエサを使用してネズミを殺して駆除する方法です。
殺そ剤には誘引剤などの成分が入っているため、ネズミの食いつきがよく、即効性がある駆除方法といえるでしょう。
ただし、ペットや幼いお子さんがいるご家庭では、誤って食べてしまうと亡くなる可能性もあるため注意が必要です。
- 台所などのエサ場の物陰や隅に設置する
- 1箇所だけではなく、なるべく複数箇所に設置する
- すぐに食いつかなくても1週間は動かさずに様子をみる
また、毒餌を使ってしばらくネズミの足音や鳴き声がしなくなったと感じたら、クローゼットやたんすの中、天井裏など、ネズミの巣や通り道を探してみましょう。
ネズミの死骸を放置すると悪臭の原因になるため、早めに見つけて処理することをおすすめします。
ネズミの死骸の処理方法
ネズミを自分で駆除した場合は、死骸の処理も合わせて行いましょう。
ネズミの死骸は悪臭を放つのはもちろん、人間の健康に影響を及ぼす可能性もあるので、早めに処理する必要があります。
- マスク
- 手袋
- ゴミ袋
- 新聞紙
- 雑巾
- 殺虫剤(スプレータイプ)
- 消毒用アルコール
手順
- 手袋とマスクを着用する
- ネズミの死骸とその周囲に殺虫剤をかける
- 死骸を新聞紙で包んでゴミ袋に入れる
- ネズミの死骸があった場所を消毒用アルコールで拭く
- 燃えるゴミの日に出す
ネズミの死骸には大量の病原菌が付着しているため、素手ではなく手袋とマスクを着用しましょう。
スプレータイプの殺虫剤は、ネズミの死骸やその周辺に潜んでいるダニやノミの駆除に使用します。
死骸の処理が終わったら、着用した手袋とマスクは一緒にゴミ袋に入れて捨てたほうが安全です。
ネズミ被害を繰り返さないために自分でできる予防策
ネズミ被害を繰り返さないためには、日頃から予防策をとることも大切です。
- 住居への侵入を防ぐ
- 食材の処理を徹底する
- 住処を与えない
ここでは、ネズミを住み着かせない予防策をご紹介します。
1)住居への侵入を防ぐ
ネズミ被害を繰り返さないためには、まず住居への侵入を防ぐことが大切です。
通路となる通気口や排水溝などには金網をつけ、壁に隙間や穴がある場合は防鼠パテで塞ぎましょう。
ネズミは1.5㎝程度の隙間でも侵入します。
小さい穴だからと放っておくとネズミの侵入を許してしまう可能性があるので、入念にチェックするようにしましょう。
- 劣化した壁の穴
- 床下の通気口
- 屋根の隙間
- 配管導入口
- エアコンの配管の導入口
2)食材の処理を徹底する
ネズミは人間が寝静まった夜中にエサを求めて台所などの食品を荒らします。
栄養が取れれば、その分繁殖率も高まるので、食品は容器に入れ、ゴミはフタの付いた入れ物に入れて与えない対策をしましょう。
また、ペットフードもネズミのエサになるため、しっかり容器に入れて保管してください。
3)住処を与えない
住処を与えないこともネズミ被害を防止する大切な対策です。
ネズミはティッシュペーパーや衣類、ビニール袋などを器用に使い、温かい巣を作り繁殖を繰り返します。
そのため、巣の材料になりそうなものは放置しないようにしましょう。
不要になったものはサッサと処分し、こまめに清掃して清潔な状態を保つことが大切です。
こんなときは駆除専門業者に依頼をしよう
ネズミ駆除グッズはネットやドラッグストアで手軽に購入できます。しかし、その後の死骸の処理や予防策まで考えると億劫になる方もいるでしょう。
また、ネズミは学習能力があるため、1度かかった罠を避ける知能もあります。
そのため、自分で行うネズミ駆除に限界を感じた方は、ぜひ専門業者に依頼することを検討しましょう。
駆除の専門業者なら数が増えたネズミを一斉駆除でき、死骸の処理までしてくれます。
予防策や今後のアドバイスなどももらえるので、1人で悩むよりラクに対処できるでしょう。
下記ではネズミ駆除の専門業者を選ぶ際のポイントをまとめました。
ネズミ駆除業者の選び方
ネズミ駆除業者を選ぶ際のポイントは4つです。
- 現地調査をして見積もりを出してくれる
- 駆除の実績がある
- 口コミ・評判がよい
- アフターケアなどの対応
ネズミ駆除の費用は業者によって異なります。そのため、現地調査をして被害や規模を確認し、きちんと見積りを出してくれる業者を選びましょう。
また、ネズミ駆除の実績や口コミ・評判がよい業者を選ぶことも大切です。実際に依頼した人の感想を知ることで、希望通りの結果を出してくれる業者か事前に確認ができます。
実績や口コミ・評判が知りたいときは、まず公式サイトをチェックしてみましょう。
駆除業者の公式サイトではこれまでに駆除してきた実績や、依頼者の感想が載っている場合があります。他にも、ネットで業者の名前と口コミを検索して探すのもおすすめです。
基本的に死骸の処理は業者がしてくれますが、消毒や予防策などのアフターケアに関しては必ずついているわけではありません。
アフターケアまでしてもらいたい方は、見積りをしてもらう際に、どこまでしてもらえるのか確認をするようにしましょう。
ネズミ駆除を業者に依頼した場合の費用相場
ネズミ駆除業者に依頼した場合の費用相場を下記にまとめました。
ネズミ駆除費用相場 | 14,060円(税込) |
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※5社のネズミ駆除業者の情報をもとに平均を算出しています(独自調べ)。
ネズミ駆除の費用は業者や処置の内容、被害状況、補修、広さ、アフターケアによって異なります。
ほとんどの駆除業者は事前に現地調査を実施し、見積りを出してくれます。
そのため、1社だけでなく、なるべく複数の業者に見積りを出してもらってから検討するようにしましょう。
ネズミ駆除の専門業者に依頼するメリット
ここではネズミ駆除を専門業者に依頼するメリットをまとめました。
- 確実にネズミを駆除できる
- 死骸や糞尿まで処理してもらえる
- 再発防止策を講じてもらえる
自分で対策するか、プロに頼むか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
1)確実にネズミを駆除できる
ネズミは学習能力がある賢い生き物なので、警戒心が強くなかなか罠にかからないこともあります。
あるマウスを使った実験では、迷路を通り抜けてエサが置かれたケージに戻る学習を繰り返しさせたところ、5日目で道を1回以上間違えることなくケージに戻ったという実験結果があったといわれています。
しかし、駆除業者はネズミの習性をよく理解し、経験も積んでいるため、状況に合わせた有効な駆除方法を取ることが可能です。
ネズミのフンや尿の量から数を予測し、移動通路を探り当てて、一斉に駆除できるので安心して任せられます。
2)死骸や糞尿まで処理してもらえる
自分でネズミを駆除した場合、死骸やフン、尿の処理が負担に感じる方もいるでしょう。
しかし、死骸やフン、尿は処理しなければ、病原菌が繁殖し人体に影響を及ぼす可能性もあるため絶対に避けては通れません。
その点、業者に依頼した場合は、死骸やフン、尿まできっちり処理してもらえます。
「ネズミの死骸を直接さわりたくない」という方は、駆除から死骸処理までしてくれる業者に依頼するほうが安心です。
3)再発防止策を講じてもらえる
ネズミを駆除しても対策を取らなければ再発する可能性もあります。
1.5㎝程度の穴があれば出入りができるネズミを素人が完璧に追い払うのは難しく感じるでしょう。
その点、駆除業者なら壁の穴やわずなか隙間など、ネズミの侵入経路になりそうな場所を見逃さず塞いでくれます。
2度とネズミ被害で悩みたくないのなら、アフターケアまでしっかりしてくれる駆除業者に依頼するのがおすすめです。
まとめ
ネズミは家財や食品をかじる上に、感染症など深刻な病気の原因にもなる怖い害獣です。
繁殖力もとても高いため、いると分かった時点ですぐに対処する必要があります。
- 捕獲(粘着シート)を設置する
- 忌避剤をまく
- 殺そ剤を使用する
など、ドラッグストアやネットで簡単に手に入るネズミ駆除グッズがあるので、安く済ませたい方は活用してみてください。
ただ、自力での対策に限界を感じた場合は、ぜひ駆除の専門業者への依頼も検討してみましょう。
駆除の専門業者なら一斉駆除ができて、死骸の処理までしてもらえます。
そして、一度駆除しただけでは再発する可能性もあるため、同じことが起きないようにきちんとした予防策も忘れずにしておきましょう。