アシナガバチの駆除にお困りではないですか?
アシナガバチは世界中に29属、約800種いるといわれており、日本にはそのうちの3属・11種が生息しています。生息地域は九州から北海道南端まで幅広く、特に夏場を中心に活動のピークを迎えるため、多くの方が駆除に悩んだ経験をお持ちではないでしょうか。
自宅などで発見したアシナガバチを駆除する方法がわからず、困る場合も多くあります。こうした悩みを解決するため、最適の駆除方法を解説します。
アシナガバチに刺される被害も多くニュースとして報道されています。例えば和歌山県の田辺市消防本部管内ではアシナガバチ等、蜂による被害が増えていると報道されました。2021年8月末までにアシナガバチ・スズメバチに刺された被害によって12人を救急搬送しており、前年より7人多く、過去最多だった2018年に並んだと事例が報告されています。
アシナガバチを発見したり、実際に刺されたりしてしまうと、怖くなってすぐに駆除したい気持ちにかられますが、どうすれば良いのかわからず、焦ってしまうことが多くあります。
この記事では、アシナガバチの生態や特徴、自分で駆除する方法や、専門の駆除業者に依頼する方法と、それぞれのメリット・デメリット、駆除費用相場と予防策などについて詳しく解説します。また、アシナガバチを発見したり、実際に刺されたりして被害にあった場合、すばやく適切に駆除する方法や手段、駆除費用や注意点、駆除した後の予防策などについて詳しく解説していきます。
この記事を最後まで読んでいただければ、アシナガバチを駆除するための正しい方法と必要な費用が確認でき、素早く対応することができると思います。ぜひご活用ください。
1 アシナガバチは駆除すべき?
アシナガバチの巣が、人が近づかないような高所や遠くの木の枝など、人の生活に支障の無い場所にある場合は、基本的にそのまま放っておいても大丈夫です。
ただし、自宅の軒下や室外機、雨戸など、生活圏内に巣があった場合は、安全のためにも駆除するのが望ましいです。自分や家族だけでなく、自宅を訪問した他人が刺されるリスクもあるので、対応すべきでしょう。
1-1 アシナガバチの生態・危険性や特徴
アシナガバチの生態の大きな特徴として、市街地や公園など、人がよく集まる場所に生息するケースが多いです。このため、人がアシナガバチを見かける機会も多くなります。
アシナガバチの胴体と脚は黄色っぽく、スズメバチよりも細身で、長い後ろ脚をダラリと垂らして、スズメバチよりも遅いスピードでフラフラと飛びます。これに対して、スズメバチは胴体がオレンジ色っぽく、脚は黒いタイプが多いです。素早く、直線的で滑(なめ)らかに飛びます。
アシナガバチとスズメバチの巣を比べると、アシナガバチの巣はシャワーヘッドのような形で、巣穴が露出しています。スズメバチの場合は、丸くてマーブル模様なのが特徴です。
毒の強さを成分データからみると、多数のアレルギー要素(ホスホリパーゼAやヒアルウロニダーゼなど)が含まれており、スズメバチとアシナガバチはこの成分が多く共通しています。
毒の強さ(LD50値:mg/kg)は、攻撃性の弱いセイヨウミツバチとヒメスズメバチが 2.8と最も強く、キイロスズメバチが 3.1、オオスズメバチが 4.1となっています。このため、症状の程度は単に毒性の強さだけではなく、毒の量や濃度とも関係してきます。
アシナガバチの毒針は痛みが強く、危険性が高いといえます。アシナガバチに刺されてしまったら、痛みや腫(は)れが生じるので、安静にして適切に治療することが大切です。
2 自治体はアシナガバチ駆除してくれない?
多くの自治体(*)は、アシナガバチを駆除してくれないようです。筆者も実際に地元の区役所(杉並区・環境課生活環境担当)へ問い合わせてみましたが、やはりNGでした。
(*)駆除対応していない自治体の例(参照URL)
杉並区 スズメバチとその他のハチ
※スズメバチには一部対応しています。
神戸市 アシナガバチと上手につき合おう
その理由を聞くと「スズメバチは獰猛で、攻撃的なため人間への反撃が怖いことからから区役所で駆除しますが、アシナガバチはおとなしいので駆除しません」とのことでした。
区役所として対応しないので、自力で駆除するか専門の業者に依頼するよう言われました。
3 自分で駆除する方法
アシナガバチは自治体で駆除してくれない場合が多いため、自分で駆除するか、専門の駆除業者に依頼することを考えますが、この章ではまず、自分で駆除する場合について解説します。
自分で駆除する場合、駆除作業には危険が伴うため、以下に述べる準備グッズを揃(そろ)えて、身の安全に最大限気を配って進めることが重要です。
3-1 準備
基本的に準備すべきグッズ | ・殺虫剤(スプレー式)(注1) ・ゴミ袋 ・巣を落とすための棒(突っ張り棒など) ・ホウキ・ちりとり ・懐中電灯(注2) ・防護服(注3) |
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高価な防護服代わりに準備すべきグッズ | ・フード付きのカッパ ・帽子 ・タオル ・軍手(2ペア) ・マスク ・長靴 |
(注1)数十秒のあいだ噴射し続けるため、550ml程度の容量のものを2本は用意しておくと安心です。
(注2)懐中電灯は、駆除作業を行う時間帯がアシナガバチが巣に戻って休んでいる日没後に行うのが安心なため、手元を照らす際に必要となります。
(注3)駆除作業用の防護服はかなり高額なので、自分で簡易に準備するには下記のグッズがおすすめです。
3-2 手順
- 夕方・日没後に作業をスタートさせる
- アシナガバチの巣まで2mほどの位置に近づく
- 風上から巣に向かって殺虫剤を30秒ほど噴射する
- アシナガバチが巣から落ちていなくなったら棒で巣を落とす
- 巣があった場所に殺虫スプレーを吹きかける
- 巣をゴミ袋に入れて燃えるゴミとして処分する
落としたアシナガバチの巣や死骸には絶対に触らず、ホウキとちりとりでゴミ袋に入れます。
3-3 注意点
- 大声を出したり、動き回ったりしてアシナガバチを刺激しない
- なるべく動作はゆっくり・少なくし、静かに巣のサイズや状態を冷静に確認する
- 巣が自力で駆除できそうな場所にあるか、そして確実に自分で対応できるかどうかをチェックする
- 駆除作業中にアシナガバチが反応してしまい、身の危険を感じた場合は、すぐに駆除を中止して逃げ、しばらくは近づかないようにする
- 巣の場所や状態が明らかで、自分で安全に駆除できると判断した場合は自力で駆除可能ですが、巣の場所がわからなかったり、巣が高所にある場合や、巣が大きくて怖い場合は、専門の駆除業者に相談するのが望ましいです
3-4 自力駆除のメリット・デメリット
アシナガバチを自力で駆除する場合のメリットとしては、費用が格安で済み、、またいつでも自分に都合のよいスケジュールやタイミングで行えることです。
一方、デメリットとしては、万一刺された場合に激しい痛みが襲ったり、場合によってはアナフィラキシーショックとなり、血圧の低下や意識障害を引き起こし、最悪、命に関わることもあるため、大きな危険を伴う点が挙げられます。皮膚が弱かったり敏感だったりする人で、以前に一度ハチに刺されて皮膚が広く腫れ上がった人は、次回刺されるとアナフィラキシーショックを起こしやすいので、自力駆除の際は特に注意が必要です。
自治体での注意喚起例(神埼市)
熱中症と蜂にご注意ください!|神埼市 (city.kanzaki.saga.jp)
3-5 体験談(自宅の庭で見つけた巣をスプレーで駆除)
筆者も実際に自宅の庭でアシナガバチの巣を発見し、スプレーで駆除したことがあります。事前によく調べず、市販の殺虫剤を購入して、昼間に直接巣に向かって散布しました。
その際、驚いたハチが激しく動き出し、見守っていた家族が刺されそうになったため、途中で家の中に避難させました。その後、結局自分で何とか駆除しましたが、しっかりと装備をせず軽装だったことや、アシナガバチが何匹も巣からでてきて攻撃されたため、恐怖感と戦いながらの作業であり、とても大変な思いをしました。
結果としては無事でしたが、もし刺されたらと考えると、安心・安全なプロの駆除業者に依頼したほうが良かったと思います。
4 専門の業者に駆除を依頼する方法
アシナガバチの巣が大きかったり、駆除しにくかったり、またアシナガバチが怖くて巣に近づけないなど、自分で駆除するのが難しいと感じた時は、専門業者に駆除を依頼すべきです。
専門業者であれば、安全・確実に巣を駆除してくれますし、危険性とコストのバランスを考えれば業者への依頼がおすすめです。
4-1 駆除業者を選ぶためのポイント
駆除業者を選ぶ際に大切となるポイントについて解説します。
4-1-1 豊富な経験と実績を有しているか
アシナガバチの駆除を依頼する際、やはり信頼すべき業者を選びたいものです。その裏づけとなるのが、業者がどの程度の経験と実績を有しているかという点です。業者のサイトや口コミなどで評判を確認することが大切です。
4-1-2 即時に対応可能か
駆除を依頼しても、困っている時すぐに対応してくれないと不安です。即時・臨機に対応してくれる体制があるかどうかも大きな要素です。
4-1-3 料金は適切か
現地調査や見積りを依頼する際、実施までは基本的に無料となっているかどうか確認する必要があります。また、実際に駆除した際にも、駆除料金の相場よりも高すぎないか、適切な料金体系となっているかを確認することが重要です。
4-1-4 アフターフォロー体制が充実しているか
駆除したあとも、しっかりサポートしてくれる業者を選ぶことがポイントです。具体的には、駆除後の清掃(蜂の巣の処分や蜂の死骸の処理など)や、巣が再発しても一定期間内であれば無料で対応してくれるかどうかを確認します。
4-2 業者駆除のメリット・デメリット
まずはメリットですが、駆除業者はプロなので、依頼すれば「安心かつ安全」です。自分は家の中で待機するだけなので、被害に遭う危険性もありません。また、駆除業者は専門知識とノウハウを持っているので、確実に駆除してもらうことができ、駆除後の対策もアドバイスしてもらえます。
さらに、仕事が非常に早く、スピーディーに駆除を完了させてくれるメリットもあります。
一方、デメリットとしては、当然ながら一定の費用がかかる点が挙げられます。 自分で害虫駆除を行えば、小額の費用で済みます。 また、優良で信頼できる、実績豊富な駆除業者を選ぶのが大変なので、その手間隙(ひま)も負担となります。
4-3 駆除業者の駆除手順
- まずは業者選定を行います。信頼できる業者を選定するため、上述した選定ポイントを判断基準とします。ハチや巣の特徴、例えば巣の位置の高さや大きさ(直径など)を事前にしっかりと駆除業者に伝えます。
- 業者を選定したら、実際に業者は現地調査を行い、状況を詳しく確認した上で数社から見積りや駆除条件を提示します。
- 条件合意したら、実際の駆除日時を確定します。現地調査・見積りと同時に駆除を実施する場合もあります。
- 実際に駆除作業を実施します。プロの駆除業者なので、駆除に要する時間は数十分から数時間程度で完了します。依頼者は家で待機し、状況を見守ります。
- 駆除が無事終了し、確認したら料金を支払います。
- 駆除業者は、駆除後に再度巣が作られないよう予防措置を行います。
5 アシナガバチの駆除費用相場
5-1 自力駆除にかかる費用相場
自力で駆除する場合、高価な防護服を準備せず、最小の費用で賄おうとすると次のような相場となります。この場合、アシナガバチの巣の目安として、大きさは概ね5cm程度、自分で作業が難しい高所ではない条件を想定しています。
強力スプレー(※) | 1,000円 |
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手袋・マスク・懐中電灯など備品 | 1,500円~2,000円 |
合計 | 2,500円~3,000円 |
(※)5社の製品情報を元に独自に平均値を算出
5-2 業者駆除にかかる費用相場
業者に依頼する場合の費用相場は次のとおりです。
アシナガバチ駆除費用相場 | おおよそ13,000円 |
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※公開された5社の情報をもとにおおよその料金を算出(独自調べ)
※巣の大きさや位置、駆除の難易度で料金は変動します
6 駆除後に行っておきたい予防策
駆除時に取り逃がしたアシナガバチが、駆除後に巣のあった場所に戻ってきて周囲を飛び回ることがありますが、これを「戻り蜂」と呼びます。
これはハチの帰巣本能によるもので、巣のあった場所を記憶しているため、たとえ巣を撤去しても同じ場所に戻ってきます。しかも、そこにあるはずの巣がないことで混乱した蜂は、気が立って攻撃的になることもあります。
戻り蜂は通常1~2週間程度でいなくなりますが、発生した場所や数、時期などによっては刺される危険や再度巣を作られるおそれがあるため、注意が必要です。
戻り蜂を発生させないためには、駆除後に適切な予防策をおこなっておくことが重要です。そのポイントを次に解説します。
駆除後に、またアシナガバチの巣ができないよう予防するために最も効果的なのは、ハチを再び寄せつけないことです。そのためには、予防効果のあるスプレーや木酢液を使ったり、蜂が好む通気口やフードに網を掛けたりする対応が重要です。
予防スプレーとしては、巣を作る作業を防ぐ殺虫スプレーが効果的です。ハチの嫌がる成分が含まれているため、噴きかけた場所には近寄りません。即効性があり、スプレーによっては1か月前後の予防効果があります。入手も容易で、スプレーを噴きかけるだけなので簡単に予防できます。
木材から得られる木酢液も効果的です。ハチは焦げくさいにおいを嫌うため、塗るだけで寄せ付けない効果があります。木酢液も容易に入手でき簡単に使えます。
また、巣は通気口やフードに作られやすいので、ここに網を張るのも予防効果があります。ただし高い場所にある通気口に網を張るのは危険を伴うので注意が必要です。
7 まとめ
アシナガバチの駆除方法について、その生態や危険性を踏まえ、自分で駆除する場合や専門業者に依頼する方法と費用相場、駆除業者選び方や、予防策などを中心に解説しました。
この記事を参考としていただき、安全にアシナガバチを駆除いただけるよう祈っています。
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