古い御札は長く持ち続けていると神様や仏様からのご加護が弱まってしまうともいわれます。しかし、実際にどのタイミングで処分するのがよいのか、具体的な方法や費用について正確に知っている方は意外と少ないでしょう。本記事では、古い御札を正しく処分するために押さえておきたい知識や作法を詳しくご紹介します。
多くの神社やお寺では、毎年初詣や特別な行事のタイミングでお参りをし、新しい御札をいただく慣わしがあります。その際、古い御札の扱いに迷ってしまう方も多いかもしれません。実は、古い御札を正しく返納・処分することは神仏への感謝を示すうえでも大切な行いなのです。
本記事を読み進めていただくことで、古い御札の処分方法、返納のマナー、宗派による違いなどを幅広く理解できるようになります。費用の目安や保管のポイントなどの実用的な情報も解説しますので、最後までご覧になって心をこめた丁寧な御札の扱いを実践してみてください。
古い御札はいつ処分すべき?

まずは古い御札を手放すタイミングについて、一般的な目安を確認しておきましょう。
古い御札を処分すべき時期は、授かってから1年を目安とする考えが広く知られています。毎年初詣や大きな祭典の場で、新たな御札と交換するのが習わしとなっており、その際に古い御札をきちんと処分すると神仏への感謝を形にできます。また、願い事が成就した段階で御札を手放すというケースもあり、自分の祈願内容やライフイベントに合わせて区切りをつけることが大切です。
授かってから1年が目安になる理由
一般的に、御札を授かってから1年程度で新しいものに替えるのが望ましいとされています。1年が過ぎると神仏の力が弱まるという考え方もありますが、実際のところは「感謝の気持ちを持ち続けるために、1年ごとに気持ちを新たにする」という意味合いが大きいのです。一年間大切にお祀りしたことへのお礼を伝え、新しい御札をいただくことで、継続的に神仏のご加護を得られると考えられています。
新しい御札を受け取ったタイミングで手放す
初詣や特別なお参りのタイミングで新しい御札をいただくと、自然と古い御札をどうするか悩む局面に直面します。多くの場合、古い御札は納札所などに返納するのが一般的です。新年や何らかの節目で気持ちをリセットし、神仏との新しい縁を結ぶ意味でも、古い御札をお返しするタイミングとして最適といえるでしょう。
願い事が成就した・心に区切りがついた場合
御札を授かった目的が果たされたと感じた際に処分を考えるのもひとつの方法です。進学や就職、健康の回復など、特定の願いが叶えられたなら、神仏への感謝をこめて古い御札を手放すとよいでしょう。御札は自分の思いを神仏に託す象徴でもあり、目標達成や心の整理がついたタイミングで区切りをつけることで、新たなステップへ進みやすくなります。
御札の処分方法の種類

古い御札の処分には複数の方法がありますが、それぞれの利点と注意点を把握して選択しましょう。
古い御札の処分と聞くと、まず思いつくのは神社やお寺に直接持ち込む形での返納でしょう。ほかにも、地域によっては「どんど焼き」や特別な行事でお焚き上げしてくれる場合もあり、これらを活用することで安心して処分できます。また、近年では宅配便や専用キットを利用した郵送返納のサービスも充実しています。処分の手間や地理的な距離に応じて、適切な方法を選ぶことが大切です。
神社・お寺への直接返納
一番オーソドックスな手段として、多くの寺社では納札所が設けられています。そこに古い御札を納めることで、神職や僧侶が正式にお焚き上げをしてくれることが多いです。返納する際には感謝の気持ちを込めてお賽銭を添えるのが一般的で、数百円程度でも構わず、あくまでも気持ちを表すものとして考えましょう。
どんど焼きやお焚き上げ行事に出す
日本各地で正月の終わり頃に行われるどんど焼きや、地域の火祭りなどの行事に合わせて古い御札を燃やしてもらう方法です。多くの人が一斉にお焚き上げを行うため、一年の厄を祓い新たな運気を招く行事として広まっています。ただし、開催の有無や時期は地域によって異なるため、事前に地元の神社や自治体の情報をチェックして参加しましょう。
郵送で返納・お焚き上げを依頼する
遠方に住んでいたり、多忙などの理由で直接持ち込みが難しい方にとって便利なのが、郵送による返納です。寺社によっては宅配便で古い御札を受け取り、お焚き上げしてくれるサービスもあります。あらかじめ電話や公式サイトで手続き方法や受け入れの可否、必要な費用などを確認してから送るようにしましょう。
自分で清めてゴミとして処分する
神社やお寺に持ち込めない場合、塩やお酒で御札を清めてから処分するという考え方も一部に存在します。一般的には正式な返納が望ましいとされますが、事情がある場合は家にあるものを使って清め、そのまま他の紙ゴミと一緒に出す方法も選択肢のひとつです。大切なのは、自分の中でしっかりと感謝の気持ちを持つこととされています。
お焚き上げ業者や不用品回収業者に依頼する
大量の御札を一度に処分しなければならないケースや、ほかの不用品とまとめて整理したい場合に選択肢となるのが、専門業者への依頼です。近年ではお焚き上げを専門に行う業者も存在し、梱包キットを取り寄せて送るだけで供養まで受けられるサービスもあります。ただし、費用面や業者の実績・信頼性をチェックしたうえで、安心できるところを選ぶようにしてください。
神社・寺院へ返納する際の注意点

返納先の寺社や作法について、失礼のないように気をつけるポイントを確認しておきましょう。
古い御札を返納する際は、基本的に授かった神社やお寺に直接持ち込むのが最も望ましいとされています。ただ、引越しなどの理由で遠方になってしまった場合は、近隣の神社で受け付けてもらえるケースもあるので事前に問い合わせてみるとよいでしょう。返納時には気持ちよく受理してもらえるよう、作法やマナーを把握しておくことが大切です。
返納前に知っておきたいお清めの手順
御札を返納する前に軽くお清めをしておくと、一層気持ちよく納めることができます。一般的には薄い和紙や白い紙、もしくは奉書紙などに包み、塩で清めるなどの心づかいをする場合があります。ただし、寺社ごとに考え方が異なることもあるため、細かい作法が気になる場合は直接確認しましょう。
開封せずに納める大切さ
御札の中身を確認しようと開封してしまうと、ありがたみを損ねる行為になると考える人もいます。特に神社の御札は紙や木片などに神仏の力が宿っているとされ、開封すると力が抜けてしまうという考え方があるため、納める際にはそのままの状態で返納するのが一般的です。
郵送する場合は必ず事前に連絡を入れる
古い御札を郵送する場合、無断で送付すると寺社の側でも対応に困ることがあります。事前に電話や公式ホームページなどで古札の受け入れ可否を確認し、必要な手続きや初穂料などの支払い方法を聞いておきましょう。スムーズに対応してもらえるように準備を整え、失礼のない形でお焚き上げを依頼することが大切です。
宗派・信仰別の御札処分の考え方

宗派によってはお焚き上げを行わない場合など、処分の仕方に微妙な違いがあります。
神社とお寺ではそれぞれ信仰の対象や考え方が異なるため、御札を受け取った場所に返納するのが基本です。とはいえ、先方がすでに受け付けていない場合や、どこでいただいたのか忘れてしまった場合などには、他の方法を検討する必要があります。特に浄土真宗ではお焚き上げの習慣がないこともあり、焼却処分自体を行わない寺院が多いという現状があります。
基本は授かった神社・お寺へ返納する
一般的には、御札を授かった神社やお寺にそのまま返納するのが理想的です。これによって、祀られていた神仏に対して直接感謝の気持ちを伝えることができるからです。ただし、同じ宗教内でも宗派が異なったり、地域によって慣習が異なることもあるので、疑問点があれば小まめに問い合わせて確認するとよいでしょう。
浄土真宗は焼納を行わない場合が多い
浄土真宗ではお焚き上げや焼納の儀式を行わないことが一般的です。そもそも「焼いて供養する」という概念自体が浄土真宗にはなく、御札があってもそのまま燃やす習慣がないお寺が少なくありません。もしお焚き上げを希望する場合は、浄土真宗寺院ではなく別の宗派のお寺や神社、あるいはお焚き上げ専門の業者に依頼する形を検討する必要があります。
御札の処分にかかる費用とお賽銭の相場

御札を返納・処分する際には、初穂料や送料などにどれくらいかかるのか気になるところです。
費用の目安は依頼先や地域、さらには郵送の有無などによって大きく変わります。直接神社やお寺へ持ち込む場合は、お賽銭箱に数百円から1,000円程度を納めるのが一般的な目安といわれています。業者や宅配サービスを利用する場合は、それに加えて送料や専用キットの料金、供養料などが必要になるため、事前にチェックすることが大切です。
初穂料・玉串料の目安と支払い方
古い御札をお焚き上げしてもらう際や、正式にお祓いしてもらう場合には初穂料や玉串料が必要となり、500~1,000円程度を包むケースが多いです。あまり多額を包む必要はなく、あくまで気持ちの問題として考えましょう。表書きやのし袋の使い方などは神社やお寺によって異なる場合があるので、不安があれば事前に聞いておくとスムーズです。
郵送返納時に必要な費用・送料
郵送で古い御札を返納するときは、宅配便の送料や専用キット代などの実費がかかります。さらに、お焚き上げのための供養料として数百円から数千円程度を指定される場合もあります。サービスの内容によっては返納証明書やお礼の品が送られてくることもあるので、利用前に料金体系を十分に確認し、不明点は問い合わせてから申し込みましょう。
処分や返納が難しいときの保管方法

すぐに返納できない事情がある場合、一時的に保管する際に気をつけるポイントを紹介します。
引越しや時間的な都合などで古い御札をすぐに処分できない場合は、正しい方法で一時保管することが重要です。神棚がない場合でも、きれいな白布を用意し、直射日光や湿気を避けた落ち着いた場所に御札を安置しましょう。保管期間が長引くほど御札の存在感が薄れてしまうこともあるため、感謝の気持ちを忘れないように心掛けるとよいです。
神棚・白布の上で一時的に保管するポイント
もっとも理想的なのは神棚に正しく祀ることですが、難しいときには白布を敷いてその上においておく方法があります。清潔感を保ちつつ、神聖なスペースとして丁寧に扱うことが大切です。定期的に整理や掃除をして、御札を忘れた存在にしないようにしましょう。
複数の御札がある場合の注意点
たくさんの御札を保管する必要がある場合は、神棚や仏壇のスペースを見直すことが必要です。神道と仏教の御札を混在させる際は配置を分けるなどの配慮を行い、失礼のないようにしましょう。処分や返納の機会がある程度まとまったときに、一度にお焚き上げや返納を行うとスムーズです。
よくある質問(Q&A)

古い御札を処分する際によく寄せられる疑問について、代表的なものをまとめました。
古い御札の処分を検討するときに、ゴミに出してもよいのか、どんど焼きの時期を逃した場合はどうすればよいのかなど、さまざまな疑問が出てくるかもしれません。以下に多くの方が気になる点を挙げていますので、自身の状況に合わせて参考にしてみてください。
ゴミとして捨ててもバチは当たらないの?
きちんと御札をお清めし、感謝の気持ちを込めて処分するのであれば、ゴミに出したとしても大きな問題にならないという考え方もあります。ただし、正式には神社やお寺へお返しするのが望ましいため、できるだけそちらの方法を優先するのがマナーです。
どんど焼きに間に合わなかった場合はどうする?
年始の行事だけでなく、各地の神社やお寺で随時お焚き上げを受け付けている場合もあります。どんど焼きに出せなかったからといって処分の手段がないわけではないので、寺社への直接返納やお焚き上げ専門業者の利用など、ほかの選択肢を探してみましょう。
引越しなどですぐに返納できないときの対処法
引越しシーズンと重なり、すぐに神社やお寺に行けないときは、白布を敷いた清潔な場所で一時保管するとよいとされています。落ち着いてから改めて返納先を探し、正式にお焚き上げや供養を依頼すれば問題ありません。焦って簡易的に処分するよりも、きちんとした作法を守ることが大切です。
感謝の気持ちを伝えるお賽銭の金額はどれくらい?
お賽銭や初穂料の金額はあくまで気持ちの問題です。多くの場合、100円から500円程度を目安にしても問題ありません。大切なのは金額よりも、神仏への感謝や敬意をしっかりと込めることであり、それを表現する一つの手段としてお賽銭があります。
まとめ・総括~古い御札を正しく処分して、心身を清めましょう

古い御札の処分を正しく行うことで、神仏への感謝を示し、心の整理にもつながります。最後にポイントを振り返りましょう。
古い御札は、基本的には1年を目安に新しいものと交換し、処分を検討するのが一般的です。神社やお寺への返納、どんど焼きへの参加、郵送・業者への依頼など、自分に合った方法を選ぶことで失礼なく手放すことができます。処分できない場合でも一時保管の方法を知っておけば、慌てたり不安になる必要はありません。大切なのは感謝の気持ちを忘れず、古い御札と向き合う心構えです。
古い御札の処分は供養もできる片付け110番にお任せ下さい

処分の手間や方法に悩む方は、専門のサービスを活用してスムーズに供養と片付けを行う選択肢もあります。
古い御札は、正しい作法で処分することが大切ですが、現代の生活スタイルでは神社やお寺へ足を運ぶ時間が取れない方も少なくありません。そういったときには、不用品回収業者やお焚き上げ専門のサービスなど、供養もまとめて行ってくれる業者を活用する方法があります。片付け110番では、安全かつ丁寧に御札の処分や供養をサポートしており、忙しい方でも安心して依頼できるでしょう。


