皆さん燃やせるゴミは頻繁に出すと思いますが、タンスや机やベッドなどの大きな家具や、冷蔵庫や洗濯機のような家電の不用品を処分することってなかなかないハズです。
そういった経験があまり無いと、いざ大きな不用品を処分するとなった場合、どのようにすれば良いか困りますよね?
自治体行政の収集サービスを利用しようとしても、粗大ゴミシールがどこで売られているのかわからないし、役場に連絡を取って予約をするのも億劫ですし、処分したい物が大きすぎて収集場所まで持ち運べなかったりと大変不便です。
そんな時に便利なのが不用品回収業者や廃品回収業者です。
電話一本で来てくれるし、重たい物でも運んでくれますし、値段が付く物があれば買い取ってくれたりします。
でも…一体どのような業者に頼めば良いかわからなかったり、どんな物まで回収処分してくれるかわからないし、いくらかかるか見当もつかないし、ああいった業者をめぐるトラブルを聞いたことがあってなかなか頼むことができない…
以上のような理由でなかなか不用品を処分できずに困っている方がいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は日頃なかなか不用品処分をしたことがないという方に向けて、不用品回収業者や廃品回収業者についてや、不用品の処分にかかる費用や買取条件などについて紹介していきます。
不用品の「買取」と「無料回収」と「有料回収」の違い
僕が以前使わなくなったキーボードを、通りすがりの廃品回収車に回収処分を依頼したことがあります。
アナウンスでは「無料で回収いたします」と流れていたと思ったのですが、実際にキーボードを渡すと「処分料1,000円いただきます」と言われました。
「あれっ?タダなんじゃないの!?」
と言えるハズもなくスゴスゴと1,000円を業者に渡して処分してもらったのです。
それにしても僕のキーボードの様にお金を払って処分してもらう物もあれば、例えば大手古本屋さんの様なところに古本を持って行ったら買ってくれるように、売れてお金を得られる不用品もあります。
これらの違いって一体何なのでしょうか?
「買取」される物とは?
一般的に買取される物というのは、それその物に「価値」がある物です。
では「価値」とは何かと言うと、辞書にはこう書かれています。
物事の役に立つ性質・程度。
経済学では商品は仕様価値と交換価値とを持つとされている。
ねうち・効用。
…難しいですね。
簡単に言うと「誰かがお金を払ってまでも欲しがっている」ということです。
つまり、あなたが処分しようとしている物が「誰かがお金を払ってまでも欲しがっている物」だとしたら、業者側がお金を払って買ってくれるでしょう。
価値がある物は、不用品回収業者自らが売ったり、リサイクルショップなどに売られます。
この「価値」ついては、インターネットオークションサイトを見てみるとよくわかります。
インターネットオークションに出品されていて入札がされて値段がついている物は、お金を払ってまでも誰かが欲しがっているということなので「価値」があるということなのです。
ただ、インターネットオークションサイトに出品されていて入札がされている物が、必ずしも不用品回収業者や廃品回収業者がお金を払ってくれて買取してくれる物とは言い切れません。
どういうことかについては、次の章で紹介します。
「無料回収」される物とは?
先日もあったのですが、僕の家に「不用品を無料で回収します。◯月◯日の朝8時までに玄関先に出しておいてください」と書かれたチラシが入っていました。
そのチラシには回収できる物と回収できない物の一覧が載っており、それを見た僕の母がもう使わない炊飯器やドライヤー、壊れた洗濯機を玄関先に出しておきました。
するとそれら全ての物が、朝起きたらキレイに回収されていました。
これらはどういう物かと言うと、「価値」はまだあるけど業者がお金を払ってまで買うほどの物ではない物なのです。
炊飯器は使わないだけでまだ機能はしますが、きっとインターネットオークションなどに出品しても二束三文にしかならないでしょう。
売りたい人と買いたい人が直接やり取りするインターネットオークションの場ですら二束三文にしかならない物なら、仲介業者である不用品回収業者や廃品回収業者はあまり能動的に買取をしようとは思わないでしょう。
不用品回収業者や廃品回収業者は安く買って高く売らなければ利益にならないので、無料で回収できる物は無料で回収したいというのが本音なのです。
なので、先ほど上の章で書いた「インターネットオークションサイトに出品されていて入札がされている物が、必ずしも不用品回収業者や廃品回収業者がお金を払ってくれて買取してくれる物とは言い切れない」というのは、こういうことなのです。
また、壊れた洗濯機についてはもうそれその物の価値は無さそうなので売ることが難しいと思います。
ではなぜ廃品回収業者は処分料を求めず無料で回収してくれたかというと、例えば直して海外に輸出すれば売れるかもしれませんし、分解してパーツ単位にすれば売れるかもしれませんし、プラスチック・金属・ゴムなど資源単位にすれば売れるかもしれないので、回収してくれるのです。
では、僕のキーボードのように「お金を払ってくれたら回収します」という物は、どういった物なのでしょうか?
「お金を払ってください」と言われる物とは?
僕が処分してもらったキーボードは、傷もかなりあって電池の裏ブタとACアダプターが無くなっていました。
なのでキーボードとしてふたたび売ることはできないでしょう。
だとすれば海外輸出や分解して資源として売る…ということになりますが、海外の需要が無ければ売れませんし、キーボードを構成している物の中にお金になる資源が無ければ売ることができません。
どのような形であっても売ることができない、すなわち「ゴミ」と判断されたのです。
廃品回収業者はそういったことを知った上で僕のキーボードを見て「もう処分するしかない」と判断し、処分料を求めてきたのです。
廃品回収業者と家電リサイクル法の話
廃棄物処理と許可
不用品を回収して売るとなれば割りと簡単な話なのですが、不用品を「ゴミ・廃棄物」と捉えると話は急に複雑になってきます。
なぜなら廃棄物の処理は多くの制約や法律があるからです。
例えば、回収した不用品がどうにもこうにも売れないとなったら、もう捨てるほか方法がありません。
しかし不用品回収業者や廃品回収業者の多くは、自分たちの手で不用品を廃棄することができないのです。
というのも、廃棄物の処理というのは自治体から交付される「許可」がないとできないのです。
一般家庭から排出された廃棄物に関しては「一般廃棄物収集運搬許可」、企業や法人から排出された廃棄物に関しては「産業廃棄物収集運搬許可」が必要なのです。
しかしこれらの許可を得るのは、非常に難しいことなのです。
産業廃棄物処理に関してはまだ易しいのですが、一般廃棄物処理の許可に関しては至難の業だと言われています。
なぜなら、もう既に自治体が一定の数の業者に「一般廃棄物収集運搬許可」を交付しており、許可を交付された業者にゴミ収集等の仕事を振り分けているため、新規で許可を交付し業者を増やしてしまうと、既存の許可を受けている業者の仕事が減ってしまうからなのです。
なので僕のキーボードを例に話をすると、業者が求めてきた処分料というのは業者が一般廃棄物を処理することができる廃棄物処理業者にキーボードを持ち込んで処分してもらうためのお金なのです。
回収に処分料を求められた物のほとんどは、廃品回収業者から廃棄物処理業者へ流れて処分されるのです。
廃棄物の許可に関しては「許可がなくてもできるの?不用品回収のビジネスの中身」や「【注意】不用品回収で知っておくべき、違法行為と無許可の真実」も合わせてお読み下さい。
家電リサイクル法について
物を廃棄物として処分するには制約や法律があると紹介しましたが、エアコン・冷蔵庫・テレビ・冷蔵庫の廃棄については「家電リサイクル法」という法律があります。
この法律はエアコン・冷蔵庫・テレビ・冷蔵庫の廃棄に際して、これら製品を構成している物質はキチンとリサイクルしていこうとという法律なのです。
具体的に言うと家電量販店や家電メーカーは廃棄される上記4家電の回収・処理・再資源化の方法を明確にする義務が与えられ、家電を廃棄する消費者には家電メーカーや量販店がそれらの作業をするための費用を払う原則が設けられているのです。
なので消費者が使えなくなった4家電を処分するとなったら、家電量販店に回収の依頼をして「家電リサイクル料金」を払うと、家電量販店から家電メーカーへ流れ、正しくリサイクルされて次の製品に活かされるというしくみなのです。
ちなみにその処分したい家電を買った買ってないを問わず、どの家電量販店に処分を依頼しても大丈夫です。
しかしポイントがあって、消費者が家電リサイクル料金を払うのは「義務」ではなく「原則」なので、必ずしも家電量販店に処分を依頼しなくても良いのです。
不用品回収業者や廃品回収業者には家電リサイクル法を順守しなければいけないという義務は課されていないので、これらの業者に処分の依頼をすると、家電量販店に依頼するより安く処分できます。
もちろん不用品回収業者や廃品回収業者の方も正しくリサイクルして処理するので、安心です。
家電リサイクル法に関しては「洗濯機の2通りの処分方法(家電リサイクル法と民間不用品回収業者)」でより詳しい内容を紹介しているので、参考にしてみてください。
悪徳業者に注意!優良・悪徳不用品回収業者の見分け方
「安く家電を処分できるなら、家電量販店より不用品回収業者の良いじゃん!」
と思ってくださる方がいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし問題があります。
不用品回収業者や廃品回収業者は、参入しやすい業界だけあって悪徳業者が多いのです。
お客さんを巻き込んだトラブルがあるのも事実なのです。
ではどうやって悪徳ではない優良な不用品回収業者を探すのかというと、ポイントがあります。
まず、街の中を周回している廃品回収業者は避けましょう。
なぜなら、軽トラックなどの車でウロウロしている廃品回収業者とお客さんとのトラブルがよくあるからです。
もちろん軽トラックなどの車で回っている廃品回収業者の中にも優良な業者さんはいるのですが、トラブルを避けるのであればそういった業者さんは止めておきましょう。
また、電話で営業をしてくる業者もお客さんとのトラブルが多いと聞くので、処分の依頼は止めておきましょう。
不用品回収業者を探す場合はインターネットを使うのが早くて便利ですが、インターネットにホームページを載せている業者が必ずしも優良だとは限りません。
ではどうすればいいかと言うと、ホームページに「お客様の声」を詳細に載せている業者さんを見つけましょう。
利用してみて良かった、しかもそういった声が多くある業者さんは信頼して良いでしょう。
また、インターネットではなくタウンページに広告や電話番号を載せている業者も信頼できます。
なぜならタウンページに載っている不用品回収業者は、タウンページ側で優良か悪徳か精査してあるからです。
このような不用品回収業者に不用品の買取・回収処分を依頼すると安心です。
悪徳業者の見極め方は「これで騙されない!悪徳不用品回収業者の背景と傾向と対策」「不用品の買取で気をつける、悪徳回収業者の対処法と見分け方」により詳しく書いています。
合わせてお読みください。
まとめ
後から知ったことなのですが、廃品回収車が流している「何でも無料で回収いたします」というアナウンスの本当の意味は、「何でも無料で回収するけど、捨てざるを得ない物に関しては処分料をいただきます」ということのようです。
回収料金は無料でするけど、処分となればお金をいただく…トラブルを生みかねないアナウンスだと感じました。
僕はこのことを知ってから、次から不用品を処分したいと思ったら、ちゃんとした優良な不用品回収業者さんに依頼しようと思いました。
このような誤解を生みかねない業者がいるので、街中を回っている廃品回収業者に不用品の処分を依頼するのは止めておきましょう。
不用品回収サービスの詳細はコチラをご覧ください。