テレビ、冷蔵庫、洗濯機などのリサイクル家電を処分する時、リサイクル料金が高いので処分する時に躊躇することがよくありますよね。
『無料で回収します。』と、軽トラックでアナウスを流しながら走っている廃品回収車を見かけることがよくあると思います。
無料で回収してくれるという業者は、トラックで回っている業者の他にも、『何でも買い取ります。』と電話をかけてくるリサイクル業者もいますし、『無料回収します。』という看板を空き地に掲げて、テレビや洗濯機をはじめ、炊飯器などの家電を回収している場所を見かけることもよくあります。
本来ならば料金を支払って処分してもらう粗大ゴミや、リサイクル料を支払って処分してもらうリサイクル家電などを、なぜ無料で回収してもらえるのか不思議に思う人もいると思います。
『無料で回収します。』と言っている業者に依頼すれば、「本当に無料で引き取ってくれるのか」と不安にもなります。
「粗大ゴミ処分が無料になるかも!」とうかれてしまう反面、「もしかすると詐欺や悪徳業者なのではないか…」という不安を、拭い去ることができません。
私の実家にも、
『家に不要なものはありませんか?何でも買い取りします。明日伺いたいのですがご都合いかがですか?』
という電話が何度もかかってきます。
あまりにもしつこいので危険に感じ、電話がかかってくるたびに断っています。
便利でお得だなと思うような魅力に感じることであっても、危険かもしれないという気持ちが少しでもあれば、きっぱりと断ることが必要だと思います。
無料で引き取ってくれるという業者が悪徳業者ではないかという不安があるけれど、家電やリサイクル家電の処分には高いお金がかかるため、無料で回収してもらえれば、やはり嬉しいですよね。
そこで重要になってくるのが、悪徳業者を見分ける目が必要であるということです。
何を基準にして悪徳業者を見分け、不正な取引や詐欺に会わないようにすれば良いのでしょうか。
悪徳業者を見分けるためには家電や廃品の物とお金の流れの仕組みを知り、どのような仕組みの中で業者は商売をしているのかということを知ることで、トラブルから身を避けることができます。
そこで今回は無料で廃品を回収している業者がどのように利益を得ているのか、引き取ってもらった場合の適正料金はいくらぐらいなのか、悪徳業者とのトラブル内容などについて、ご紹介します。
つい「怪しい」と思ってしまう儲けの仕組み
不用品や粗大ゴミを無料で回収して、それで一体儲けが出ているのかと不思議に思うことがありますよね。
実は私たちがゴミだと思っているものが価値あるものである場合、不用品でも集まれば大きな利益になるのです。
まだ使える物の場合、そのままリサイクル品として売って収益にしています。
壊れていても修理して売っていますし、修理できないものでも中身の部品だけを売ったりして収益につなげています。
特にパソコン、テレビ、ラジカセなどの部品は需要があるため、無料で引き取ってもらえることが多い電化製品です。
リサイクル品として売っている場合、リサイクルショップで売ったり、オークションで売ったり、古物市場というリサイクル市場へ売ったり、海外へ輸出したりしています。
壊れていて修理ができないものでも、金属として価値があるものはそのままスクラップ工場持ち込み、鉄、銅、ステンレス、アルミなどの資源として買い取ってもらうことができます。
中でもエアコンや給湯器は銅を含むため、高値で買い取ってもらえます。
リサイクル品として価値のないものを引き取る場合は、収集運搬料取ることで、収益にしています。
無料廃品回収所
交通量が多い道路沿いの空き地に、時々家電の無料回収の看板やのぼりが立てられ、テレビや冷蔵庫などが持ち込まれていることがよく見かけます。
巡回型や訪問型の廃品回収業者に比べてトラブルは少ないですが、いざ持ち込んでみると、『これには処分料金がかかります。』と言われて、処分料金を払うというケースも少なくありません。
テレビや冷蔵庫などのリサイクル家電は、処分する時にリサイクル料金を支払わなければならないのではないかと、不思議に思う人もいるでしょう。
『空き地回収型』の廃品回収所では、持ち込まれた物を『有価物』として無料で譲り受け、『リサイクル品』として転売するということを建前として回収しています。
無料で回収してリサイクル品として転売するのであれば、『廃棄物処理の許可』がなくても、リサイクル家電を無料で回収することができるためです。
空き地で回収されたリサイクル家電を輸出したり、リサイクル業者に転売したり、1キロあたり数十円で資源として売ることで収益を出しています。
※特に小型家電は輸出しやすく、東南アジアでは人気の商品に早代わりしています。
家電リサイクル法に従ってリサイクル家電をメーカーに引き渡せば、製品の8割から9割がリサイクルされますが、もし正しくリサイクルされなかった場合は、不要な部分を不法投棄される可能性があります。
空き地で回収されたリサイクル家電が正しく再利用されているかどうかは、分からない部分が多いといいます。
「買取ります」という電話をしてくる業者
『買い取ります』という電話をかけてくる業者が最近増えてきました。
『どんなものでも買い取るか無料で引き取るので、お宅に伺います。』
と訪問の予約をとる電話です。
電話で予約を取り訪問してくる不用品回収業者では、詐欺やトラブルが多いので注意が必要です。
家へやってきていくつか無料で引き取り、他にも交渉する中で有料で回収すると言ってくる業者もあります。
または、電話で予約したものを買い取った後、強引に家の中まで上がり込み、なかなか帰ろうとしない業者もいます。
宝石や貴金属の買い取りを申し出てきて、巧みなトークでつい売ってしまったが、実はかなりの安値で買い取られたという被害が後を絶たないと言います。
業者が電話をかけてくるのは、電話で予約をしたものを買い取るためだけに来るのではなく、宝石、貴金属、ブランド品などを安い値段で買い取る物はないかと聞き出すために、訪問買い取りの予約をしているのです。
法的な面から言うと、『押し買いに関する規制』により、『依頼のない買い取りはできない』ことになっているため、電話で予約を取っているのです。
前もって電話で訪問買い取りの予約を取ってから、不用品を買い取ることは認められています。
しかし、『〇〇を買い取ります』という予約をして訪問買い取りに来たのに、貴金属などの買い取りの勧誘をすることは禁止されています。
そのほか、『査定します』という約束で訪問され、買い取りの勧誘をすることも禁止されています。
訪問をして買い取りをする業者は、 必ず『行商従事者証』を携帯しなけらばなりません。
怪しい業者であると感じた場合は、相手の身分証明書と『行商従事者証』の提示を求めてください。
買い取り業者は、買い取りの内容を書面や契約書に記載して、売った人に渡す義務があります。
もし書面や契約書をもらわなかった場合は、怪しい業者であると思ってください。
訪問買い取りについてもクーリング・オフができるので、書面を受け取った日を含め8日以内であれば売ったものを取り戻すことが出来ますし、売る契約をしたとしても8日以内であれば、売るものをその場で引き渡さずに手元に置いておくこともできます。
少しでも悪徳業者であると思われたら、きっぱりと断って帰ってもらいましょう。
もし家の中に居座られて恐怖を感じるようなことがあれば、警察に電話をするという手段も心に留めておきましょう。
無料不用品回収業者は違法?
無料で不用品を回収する業者の多くが、違法であると言ってよいでしょう。
完全に無料で不用品を回収する業者はほとんどありません。
一部無料で回収するというだけで、回収料金や処分費用を取っている業者がほとんどです。
家庭から出る粗大ごみや不用品などを、『処理費用を徴収して引き取る』ことができるのは、一般廃棄物収集運搬許可を持っている業者だけであると、廃棄物処理法に定められています。
この一般廃棄物収集運搬許可を持っている業者であれば、安心して不用品の処分を依頼できる信頼のおける会社であると言えます。
一般廃棄物収集運搬許可を取ることはとても難しく、また違法行為を行えば資格を取り上げられ二度と取ることができないほど厳しい許可であるからです。
一般廃棄物の許可を持たないで家庭から出る不用品を、一部分であっても料金を取って回収している業者は、違法行為を行っています。
『産業廃棄物の許可』や『古物商の許可』を持っていると言って、いかにも合法性を主張している業者もありますが、産業廃棄物の許可証では工場や企業から出る廃棄物を収集できる許可証であって、家庭から出る廃棄物や不用品を回収することはできません。
古物商の許可証は古物を売買することができる許可で、リサイクルショップなどで中古品を売買する商売をする人が取るものです。
中古品を買いとることはできますが、家庭から出る廃棄物や不用品を回収することはできません。
産業廃棄物の許可と古物商の許可は簡単に取ることができるので、これらの許可をとって不用品回収をしている業者が違法業者です。
違法業者の中には回収したものを不法投棄したり、正しく処理をしないで、環境汚染につながっていることが多くあります。
例えば回収した冷蔵庫やエアコンに含まれるフロンガスや鉛が適正に処理されず、環境汚染をしているケースもあります。
違法業者を見極め、利用しないようにしましょう。
無料で処分するメリット・デメリット
無料で不用品を回収してもらうことは、物を処分したい側にとっては嬉しいことですが、トラブルに巻き込まれることが多いため悪徳業者を見極めることが必要です。
また一見何のトラブルもなく無料で不用品を回収してもらったとしても、回収した業者が不法投棄をするなどの違法業者であった場合、違法行為に手を貸したことになります。
メリット
高い料金を支払って処分しなければならないと思っていたけれど、無料で回収してもらうことができ、更に回収されたものが有効にリサイクルされているのであれば、ぜひ無料で引き取ってもらいたいですよね。
デメリット
無料で回収されたものが、不適切に処理されるなどの違法行為があった場合、環境汚染につながってしまいます。
無料回収と聞いて不用品を渡した後に、実は有料であると言われたり、高い料金を請求されたりするトラブルに巻き込まれる可能性があります。
不用品回収業者の引き取り相場の調べ方
不用品回収業者の引き取り相場を調べるには、いくつかの業者に問い合わせをして、見積もりをとって比較してみましょう。
インターネットのメールや問い合わせフォームで気軽に問い合わせることも出来ますし、電話で問い合わせれば、業者の対応や返答を直接知ることができるので、その業者の対応によって悪徳業者であるかどうか見極める判断材料にもなります。
いくつか見積もりをとって料金を見比べることで、処分したいものの引き取り相場を知ることができます。
適正な処分料金とは?
不用品を処分する場合は一般廃棄物収集運搬許可を持っている業者へ回収を依頼したり、自治体の回収サービスを利用して不用品を処分した場合や、リサイクル家電の処分に関しては、家電リサイクル法にのっとった方法でリサイクル料金を支払って処分した場合の料金が、適正な処分料金と言うことができます。
1立米あたりの単価
不用品の1立方メートルあたりの処分料金は1万円前後が相場です。
処分料金の他に、運搬費などが加算される場合があります。
またリサイクル家電は、他にリサイクル料金がかかります。
自治体が運営するゴミ処処理施設へ不用品を持ち込む場合は、キロ当たりの料金になる場合が多いので、回収業者に処分してもらう費用よりも安く処分してもらうことができます。
まとめ
無料で不用品やリサイクル家電を回収してくれるという業者は、残念ながら違法業者が多いのが現実です。
中には優良な不用品回収業者もあるので、よく見極めて依頼してください。
会社のホームページを見ると、一般廃棄物収集運搬許可を持っている会社が、優良企業を見つけるポイントになります。
電話をしてみた時に電話での対応が丁寧だったり、見積もりを無料でしてくれるなど、対応の良い業者をみつけることが、良い業者を見極める方法です。
逆に電話をしてもいつも不在だったり、対応が不親切だったりする場合や、ホームページがないなど会社の情報が少ない会社は、避けた方が良いでしょう。
リサイクル家電は、まだ使えるものであればリサイクル品として買い取ってもらったり無料で回収してもらうと良いですが、もう使えないリサイクル家電については家電リサイクル法が提示する方法で、リサイクル料金を支払って正しく処理してもらいましょう。
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