何度通っても終わらない、実家の片付け。山のように積みあがったゴミ。同じものをいくつも買い込む両親。片付けようとすると暴言を吐いてでも阻止しようとする実の親。どこから手を付ければいいのかわからない遺品とゴミに埋め尽くされた空き家。
今、片付けられない実家に悩む人が急増しています。あなたも今まさに、片付けられない実家にお困りではないですか?
本記事では、実家を片付けるための最適な時期や効率よく片付ける2つの方法について詳しく解説しますので、あなたの悩みも解決するでしょう。ぜひ、最後までご覧ください!
実家の片付けを始める最適な時期
ご実家の片付けを始める最適なタイミングは、次の2ケースです。最適な時期を把握しておくことで、なるべくトラブルや負担を少なく押さえて、お片付けをすることが可能となります。
【ケース1│ご両親がご健在】
- お引越しや施設入居などの予定があるなら今すぐに始める
- ゴミ屋敷化しているなら今すぐに始める
- ちょっと散らかっている程度なら遺品整理の時にに始める
【ケース2│ご両親が亡くなられた、ご実家が空き家状態】
- 今すぐに始める
タイミングがわかったら、今度は、効率よく片付けてしまうための『コツ』を知っておくことが大切です。遺品整理の場合もご両親がご健在の場合も、ご実家の片付けはなかなかに困難を極めるものです。
効率よく実家を片付ける2つの方法
ご両親がご健在の段階で片付けざるを得ないケース、ご両親が亡くなられ遺品整理として片付けたいケース、どちらの場合でも『3ステップ』でテンポよく作業することがポイントですよ!
両親が健在な場合のお片付けの3ステップ
大切なことは、一方的に片付けを進めず、ご両親の気持ちが片付けの方向を向いている状態で作業を進めることです。ご両親への精神的アプローチは非常に重要です。
【お父様をご説得されご実家のお片付けをされたケース】
ご高齢のお父様を、県外在住の息子さんのご家庭で同居されることが決まり、息子さんは家財一式の処分をご希望されていました。平屋の2LDKは生活スペース以外は生ごみなども散らかる半ゴミ屋敷状態で、2tトラック2台半の物量がありました。
お父様は「捨てるものはない」と反対されていたそうですが、息子さんがご説得され、業者と協力して一気に片付けをされました。
【ステップ1】まずは親とよく話し合う
- 処分することへの承諾を得る
- 勝手に片付けの段取りを組まない
- まずは部屋の清掃や片付けを始めることに了承してもらう
一気に片付けて処分して、としてしまいたいところですが、まずはご両親の気持ちを片付けの方向に向けるところから始めます。
片付ける作業は、人数や時間さえ確保できればいくらでもスピーディーに行えます。しかし、愛着のある我が家への複雑に絡んだ執着心を解きほぐすサポートは、慎重に、ゆっくりと行いましょう。
【ステップ2】片付け後の生活しやすさを実感しやすい場所から作業
片付けに前向きになってくれない理由を考えてみましょう。
- 認知症、性格の変化、溜め込み症候群、思い出の品といった精神的な問題
金銭的な事情を出してきたり、忙しさを口にしても、最終的にはやはり精神的な部分が肝になります。捨てたくないと思っている人に、捨てることのメリットをいくら言葉で伝えても、理解を得るのは難しいものです。
良い例が学習机です。あなたは大人になり独立し、実家にある学習机はもうあなたにとっては使うことの無い不用品です。しかし、ご両親にとっては、子供の成長した証であり、大切な思い出で、決してゴミとは思えないのです。
ではどうすればいいか?言葉で伝わらないことは、実際に実感してもらうのが一番です。その上で、次の2箇所を『掃除』してみてください。
- 玄関
- 台所
この2箇所は、生活する上で絶対に毎日利用する場所であり、かつ不便を感じやすい場所です。実際に掃除をしてあげて、生活のしやすさを肌で感じてもらいます。
ちょっと積みあがっていたものが端に寄せただけで、ずいぶん歩きやすくなった、欲しいものが取りやすくなった、そんな些細な成功体験が、片付けへの前向きな気持ちをはぐくんでくれます。
【ポイント】
- 最初はあくまで掃除をし、処分はしない
- 掃除後の玄関や台所を利用するご両親に「物が取りやすくなったね」「何だか玄関が見違えるね」「過ごしやすくていい家になったね」など、心地よさを共感口調で伝えて声かけする
- ご両親の気持ちが動き始めたら、命令口調ではなく、提案やお願いをするように、新しい生活をはじめてみないか、根気よく問いかける
完全な承諾や処分への同意を得られなくても、気持ちが変わってきたことがわかる兆しがあります。
例えば、今まで触ったり捨てようとすると怒っていたモノに対して、手を出しても激昂することが無くなる、それは片付けのチャンスです。そのタイミングを見逃さないようにしましょう。
【ステップ3】心変わりされる前に処分品は素早く廃棄
タイミングを掴んだら、ご両親の意向を汲みつつ、ご両親が心変わりする前に一気に片付けます。散らかったお部屋も、あなたにとってのゴミも、ご両親からすれば、家財という認識です。ご両親の気持ちがあなたに近い位置にあるうちに、作業を急ピッチで進めましょう。
【ポイント】
処分するものは最初にまとめて片付け、ご両親の前では整理整頓作業がメインになるよう動く
大量の処分品がある場合でも、どこかに処分品を固めて置いて、日をまたいで処分しようとすると、ご両親の気持ちが変わってしまうことがあります。処分品はなるべく初日の段階で家から出して完全に処分してしまいましょう。
両親が他界している場合のお片付けの3ステップ
一般的に、両親が他界した後のお片付けを、『遺品整理』と呼びます。
遺品整理の際は、ご親族間でのトラブルに注意することが大切です。
- 形見分けといった金銭的・財産的なトラブル
- 想い入れの認識の相違から起きる精神的な部分でのトラブル
処分品1つ1つが遺品・共有すべき財産となることから、話の固まらない内に作業を早めると、揉めてしまうことが多々あります。
【遺品整理のケース】
早くにお父様を亡くされ、お母様お一人でお住いのお部屋でした。お母様が亡くなられた直後は気持ちの整理がつかず、賃貸のアパートだったものの、家賃を継続して支払い、お片付けをされずにいたそうです。
しかし、大家さんより「そろそろ退去してもらいたい」と言われ、ご遺族様も「片付けてすっきりし、母を安心させてあげるつもりで」と、遺品整理とお部屋の退去を決意されました。ダブルベッドやタンス、衣類など生活していたままの状態のお部屋で、電源の入った冷蔵庫には賞味期限切れの食品もまだ入っていました。
【ステップ1】まずは形見分けの作業を終える
- 遠方のご親族にも声を掛け遺品整理を始めることを伝える
- 必要なもの、残しておきたいもの、引き取りたいものは事前に伝えてもらう
- 遺品整理のスケジューリングや管理をする代表者を決める
- ご親族間で「決めて欲しい」「考えて欲しい」ことには『〇日までに』と期限付きで決断してもらう
遺品整理に直接対応しない親族との間で、作業へ対しての気持ちの温度差が生じやすく、スケジューリングを乱されたり、遺品整理の進行を阻害されるケースは往々にしてあります。
実家から一番近くに住んでいるんだから、と対応を任された。任されたから、自分の仕事など調整しながら片付けていたのに、あとから親戚に「何故相談してくれなかったんだ」と文句を言われた。 | |
長男(長女)だから、と遺品整理を主導するよういわれた。片付けにかかる費用は親族分担するから、それ以外は「任せる」と言われたのに、捨てられたくないものがあった、と言われ、揉めた。 | |
自分も忙しい中片付けるので、形見として何を残したいのか早く返事が欲しいのに、親族が「そろそろ片付けるらしい」「ぼちぼちやろう」「そのうち返事をするから」といつまで経っても真剣に考えてくれず、遺品整理が進まない。 |
親族間のトラブルを未然に防ぐために、主導してご実家の片付けをする人が、期限を切ってしっかりと親族間で形見分けの話をまとめてから、片付けのスケジュールを決めるようにしましょう。
【ステップ2】処分するものを一か所にまとめる
形見分けするもの(=必要なもの)をリストにしたら、それ以外の処分品をすべて一か所にまとめていきます。この塊はすべて捨てるもの、とわかりやすくし、この中から「やっぱりアレが必要」と捜索することのないよう、処分品だけを固めてください。
【ポイント】
タンスの中の衣類や本棚の中の書籍、引き出しの中の雑貨もすべて袋詰めしておく
せっかく処分品をまとめて固めて置いても、引き出しの中を確認していないと、いざ処分となった際に「引き出しの中は見てなかった」「この衣類は思い入れがある」と作業が前後して上手く進まなくなります。中身をすべて出して袋詰めまですることが重要です。
【ステップ3】長期滞在で一気に片付ける
ご実家に何度も足を運んで少しずつ片付けるのは、精神的な負担も大きく、また非効率的です。片付けは2日~最長1週間の長期滞在ができるときに、複数名でその滞在時間内に一気に片付けましょう。
実家の片付けを拒む2つの要因と解決法
実家を片付けられない人が増えていることには、医療技術の進化が生んだ日本の超高齢社会、同時に進行する認知症患者の倍増とゴミ屋敷・孤独死問題が関係しています。その中でも大きくわけて2つのことが、片付かない実家問題を生み出しています。
両親が片付けに後ろ向き
最たる要因は、ご両親自体が片付けに反対されていることにあります。
- 高齢になり、性格が頑固になった
- 認知症気味で話をわかってくれない
- 物を集めて捨てない癖がある
- 子供が独立した後、実家に引きこもって周囲と孤立してしまった
- 絶対に捨てない、ときいてくれない
- ゴミとゴミでないものの線引きができない
- ゴミの認識が自分と親とで大きく乖離がある
- ゴミ屋敷化までしているのに片付けに反対する
密なコミュニケーションを取り続けられれば良いですが、清潔で快適なより良い環境に暮らしてほしい、という想いが、ご両親にうまく伝わらないで、ご実家も片付かず、悩む人はたくさんいます。
【解決策】
- 片付けてもっと良い生活をしよう、という提案に耳を傾けてもらえる関係づくりを改めて行う
- 相手の主張はさえぎらず否定せず、とことん聞いてあげ、心を開いてもらうきっかけを作る
- 提案は責め立てる口調ではなく、さりげなく穏やかに伝える
- 何故片付けられないのか、一緒に理由を考えてみる
- すべて片付け!といきなりハードルを上げず、この本を整理しよう、いらない衣類は捨ててみよう、と小さな目標達成から始める
- 片付けに前向きになったら、褒めることや決断に対して自分が嬉しいと感じていることや感謝を伝える
どこから手をつけていいかわからない
- あまりの片付けの量・規模にどう手を出せばいいのかわからない
- 家具家電から日用雑貨まで種類が多岐に渡る
- 分別しだすと終わる気配もないほどの内容だ
- 大きさも大小さまざまで少人数で動かせないようなものもある
- 小人数では片付け切らない酷い状況だ
- 遠方から実家に行くので長時間滞在できない
整理整頓、お片付け、遺品整理、どの場合でも、たくさんのモノで溢れているご実家は、「作業しても散らかっていく気さえする」「仕分けするだけで1日が終わる」「もう何十回も現地に行って片付けているのにまだ片付け切られない」という悩みに頭を抱えている人が多くいます。
また、ご実家を出て何年もその家で暮らさない期間があったことで、勝手がわからず片付けにくい、という点も、悩みに拍車をかけてしまうようです。
【解決策】
- まずは要不要の仕分けを終えてしまうことで作業効率をあげる
- 片付けは友人・知人・親族の力を借りて、短期間で一気に片付ける
- 玄関など搬出通路から片付けはじめ、効率を重視して大型の不用品は最後に置いておく
- 捨てるものは回収業者か市の処分場へまとめた段階で早めに処分に出し、家の中に再度置かない
どうしても困ったら業者の手を借りる
- ご両親との信頼関係を再度築き、清潔な環境で健康に暮らしてもらう
- 遺品の整理を進め、故人さまへの悲しみを整理し、心から冥福を祈り偲ぶきっかけを作る
このような精神的な部分へのアプローチは、「実家を片付けたい」と思われたあなたやあなたのご家族、ご親族でしっかり話し合うことで、少しずつ前へ進んでいけることでしょう。
しかし、大量の片付け、ゴミの処分、気持ちの苦しくなるような遺品の整理などは、お仕事や家事など、いまのご自身の生活と並行して時間を作って作業するには、難しい人もいらっしゃるかと思います。
そんな時は、業者の手を借りるのも手段の一つです。実家の片付けで依頼できる業者は、『不用品回収業者』です。
例えば、不用品回収業者の中には、1社で次のようなサービスすべてに対応している業者もいます。利用してみると、思った以上にスムーズに、ご実家の片付けが終わって、驚くかもしれませんよ。
【不用品回収】 粗大ゴミからリサイクル家電、日用雑貨から単なるゴミまで、なんでも回収してくれる |
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【簡易清掃・ハウスクリーニング】 片づけをした後の清掃も、お手伝いレベルから賃貸物件の原状回復、プロレベルの薬剤を使った汚れを落とす作業まで幅広く対応する |
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【遺品整理】 遺品整理の有資格者による丁寧で配慮のある対応や、遺品処分前のご供養手配までしてくれる |
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【片付けコンシェルジュや女性スタッフ対応】 整理収納に関して、有資格者や女性によるアドバイスが受けられ、散らからない生活のための指導をもらえる |
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【買い取り・立会いなし作業】 まだ使える家電家具の買い取りから、遠方でなかなか現地に行けないひとには嬉しい立会いなしでの作業対応も行う |
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【行政処分代行・便利屋業】 処分は市に出したい、という人のためにトラックでの指定処分場への処分同行、代行や、模様替え、片付けのみ、草抜きといった便利屋作業も対応 |
おすすめの片付け業者については、『プロの早テクでお部屋をキレイに!良い業者を選ぶコツとオススメ掃除業者5選』で詳しく解説しています!合わせてご確認くださいね。
まとめ
実家の片付けについて、片付けの最適なタイミングから片付けのコツなど、解説してきましたが、いかがでしたか?思い出に溢れるご自宅だからこそ、キレイにしておきたいですし、元気なご両親がご在宅の場合は、清潔な環境で過ごしてもらうためにも、片付けたいですよね。
最後まで読んで頂いたあなたには、どういう点に着目すれば、スムーズに、トラブルなく、ご実家の片付けを進めることができるのか、わかっていただけたはずです。自分の家のことだから、と抱え込んでしまいがちな問題ですが、一人で悩んでしまっても、なかなか前には進めません。どうしても困ったら、業者の手を借りるのも手段の一つですよ。
本記事が、あなたの不安やお悩みの解決に役立ち、ご実家のお片付け成功の力になることを、心より願っています。