スマートフォン、モバイルバッテリー、ワイヤレスイヤホン、コードレス掃除機など、身近な小型家電にはリチウムイオン電池が多く使われています。便利な反面、捨て方を間違えると発火や火災の原因になるため、可燃ごみや資源ごみに混ぜて出すのは危険です。この記事では、リチウムイオン電池の正しい捨て方、絶縁処理の方法、膨張・破損した電池の対応、品目別の処分方法までわかりやすく解説します。
リチウムイオン電池は普通ごみに捨ててはいけない

リチウムイオン電池は、乾電池のように気軽にごみ袋へ入れてよいものではありません。強い衝撃や圧力が加わるとショートし、発熱・発火するおそれがあります。まずは「普通ごみに混ぜない」「自治体の分別ルールを確認する」ことが基本です。
可燃ごみ・不燃ごみに混ぜると発火事故につながる
リチウムイオン電池を可燃ごみや不燃ごみに混ぜると、収集や処理の途中で押しつぶされ、内部が破損することがあります。端子が金属に触れるとショートし、発火する可能性があるため、一般ごみとして出すのは避けましょう。
ごみ収集車や処理施設で火災が起きる原因になる
電池がごみ収集車の中で圧縮されたり、処理施設の機械で破砕されたりすると、火災につながることがあります。小さなモバイルバッテリーや加熱式たばこの電池でも、処理施設全体を止める事故につながる場合があります。
リチウムイオン電池は自治体ごとに分別ルールが異なる
リチウムイオン電池の回収方法は自治体によって異なります。不燃ごみ、有害ごみ、危険ごみ、拠点回収、清掃工場への持ち込みなど、地域によって扱いが違うため、処分前に自治体の公式案内を確認しましょう。
リチウムイオン電池の正しい捨て方は主に4つ

リチウムイオン電池の捨て方は、自治体回収、店舗回収、JBRC協力店への持ち込み、メーカー・販売店回収の4つが基本です。状態や品目によって利用できる回収先が変わるため、電池の種類や破損の有無を確認してから出しましょう。
自治体の回収ボックスや拠点回収に出す
市役所、区役所、公民館、公共施設などに電池類の回収ボックスを設置している自治体があります。家庭から出た小型充電式電池やモバイルバッテリーを無料で回収しているケースも多く、費用を抑えて安全に処分しやすい方法です。
不燃ごみ・有害ごみとして出せる自治体もある
一部の自治体では、リチウムイオン電池を不燃ごみや有害ごみとして出せる場合があります。ただし、他のごみとは別袋に入れる、袋に「充電式電池」と書く、端子を絶縁するなど細かいルールが設けられていることが多いです。
家電量販店やホームセンターの回収ボックスを利用する
家電量販店やホームセンターでは、リサイクルマーク付きの小型充電式電池やモバイルバッテリーを無料回収している場合があります。買い物のついでに持ち込めるのがメリットですが、膨張・破損・液漏れしている電池は対象外となることがあります。
JBRCの協力店・協力自治体に持ち込む
JBRCは、小型充電式電池のリサイクルを行う団体です。協力店や協力自治体では、リチウムイオン電池、ニカド電池、ニッケル水素電池などを回収している場合があります。持ち込む前に、回収対象品目やリサイクルマークの有無を確認しましょう。
製品メーカーや販売店の回収サービスを確認する
電動工具、電動自転車、大型バッテリーなどは、メーカーや販売店が回収窓口を設けていることがあります。自治体では回収できない品目もあるため、購入店やメーカーのサポート窓口を確認するのがおすすめです。
リチウムイオン電池を捨てる前に必ず行うこと

リチウムイオン電池は、回収先に持ち込む前の準備も重要です。特に端子部分の絶縁処理は、ショートや発火を防ぐために欠かせません。手間は数分ですが、安全性を大きく高められます。
端子部分にビニールテープを貼って絶縁する
電池のプラス極・マイナス極などの端子部分には、ビニールテープやセロハンテープを貼って絶縁しましょう。端子が金属製品や他の電池に触れるとショートの原因になります。モバイルバッテリーの場合は、USB差し込み口をふさぐように貼ると安心です。
できるだけ電池を使い切ってから出す
リチウムイオン電池は、可能であれば電池残量を減らしてから処分しましょう。ただし、膨張している、発熱している、異臭がするなど異常がある場合は、無理に使用してはいけません。その場合は自治体や販売店へ相談してください。
他の電池や金属製品と一緒に袋へ入れない
複数の電池、釘、工具、鍵などの金属製品を同じ袋に入れると、端子同士が触れてショートする可能性があります。電池は1つずつ絶縁し、できるだけ他のものと分けて保管・持ち込みをしましょう。
電池の種類がわからない場合は自治体に確認する
「Li-ion」「リチウムイオン」などの表示が見当たらない場合、自分で判断せず自治体に確認しましょう。乾電池、ボタン電池、コイン電池、小型充電式電池では捨て方が異なるため、種類の確認が安全処分の第一歩です。
品目別|リチウムイオン電池の捨て方

リチウムイオン電池は、電池単体だけでなく、さまざまな小型家電に内蔵されています。品目によって「電池を外して出す」「本体ごと小型家電回収へ出す」「メーカー回収を使う」など対応が変わります。
モバイルバッテリーの捨て方
モバイルバッテリーは、自治体の拠点回収、家電量販店、JBRC協力店などに持ち込むのが一般的です。無料で回収されることも多いですが、膨らんだものや破損したものは通常の回収ボックスに入れず、自治体へ相談しましょう。
スマートフォン・携帯電話の捨て方
スマートフォンや携帯電話は、携帯ショップ、メーカー回収、小型家電回収などを利用できます。処分前にはデータのバックアップと初期化、SIMカードやSDカードの取り外しを行いましょう。電池を無理に外す必要はありません。
ノートパソコン・タブレットの捨て方
ノートパソコンはPCリサイクル、タブレットは小型家電回収やメーカー回収を利用できる場合があります。バッテリーが取り外せる機種は、電池だけ別に分別が必要なこともあります。データ消去も忘れずに行いましょう。
加熱式たばこ・電子たばこの捨て方
加熱式たばこや電子たばこには小型のリチウムイオン電池が内蔵されています。自治体によっては回収対象外の場合があるため、販売店やメーカー回収を確認しましょう。可燃ごみやプラスチックごみに混ぜるのは危険です。
コードレス掃除機・電動工具のバッテリーの捨て方
コードレス掃除機や電動工具のバッテリーは、取り外して小型充電式電池として回収に出せる場合があります。純正バッテリーか互換バッテリーかによって回収可否が変わることもあるため、販売店やメーカーに確認しましょう。
ワイヤレスイヤホン・小型家電に内蔵された電池の捨て方
ワイヤレスイヤホン、ハンディファン、電気シェーバーなどは、電池を取り外せないことが多いため、本体ごと小型家電回収へ出すのが基本です。小さいからといって可燃ごみに入れず、自治体の回収方法に従いましょう。
電動自転車や大型バッテリーの捨て方
電動自転車のバッテリーや大型バッテリーは、自治体の通常回収では対応できないことがあります。購入店、メーカー、専門業者に相談しましょう。処分費用は無料回収の場合もありますが、状態や回収方法によって1,000円~5,000円程度かかることもあります。
取り外せる電池と取り外せない電池で捨て方は変わる

リチウムイオン電池の処分では、電池が本体から取り外せるかどうかが大きなポイントです。取り外せる場合は電池だけを分別し、取り外せない場合は本体ごと適切な回収先に出します。
取り外せる電池は電池だけを分別して出す
デジタルカメラ、電動工具、コードレス掃除機など、バッテリーを外せる製品は、電池だけを取り外して絶縁処理を行い、回収ボックスや協力店へ出します。本体は小型家電や粗大ごみとして別処分になることがあります。
取り外せない製品は小型家電回収やメーカー回収を利用する
スマートフォン、ワイヤレスイヤホン、タブレットなどは、電池が本体に内蔵されていることが多いです。無理に分解せず、小型家電回収ボックス、携帯ショップ、メーカー回収などを利用しましょう。
無理に分解すると発火・感電・けがの危険がある
リチウムイオン電池を無理に取り外そうとすると、内部に傷が入り発火するおそれがあります。工具でこじ開けたり、切断したり、穴を開けたりするのは危険です。取り外しが難しい場合は、そのまま相談・回収に出しましょう。
膨張・破損・発熱しているリチウムイオン電池の捨て方

膨張、破損、液漏れ、異臭、発熱があるリチウムイオン電池は、通常の回収方法では出せない場合があります。危険な状態の電池は自己判断で処分せず、自治体や販売店に確認することが大切です。
膨らんだ電池は通常の回収ボックスに入れない
膨張したモバイルバッテリーやスマホの電池は、内部で劣化が進んでいる可能性があります。回収ボックスの中で他の電池と接触したり、圧力がかかったりすると危険です。まずは自治体の窓口へ相談しましょう。
液漏れ・異臭・発熱がある場合はすぐ自治体へ相談する
液漏れ、焦げたようなにおい、熱を持っている状態は危険サインです。素手で触らず、燃えにくい場所に置き、自治体や販売店に処分方法を確認しましょう。体調不良や火災リスクを避けるため、早めの対応が必要です。
保管中は燃えやすい物から離しておく
処分まで一時保管する場合は、紙類、布類、カーテン、段ボールなど燃えやすい物から離しましょう。直射日光が当たる場所や高温になる車内も避けてください。金属缶や耐熱性のある容器に入れておくと安心です。
水に浸ける・穴を開ける・押しつぶすのは危険
膨張した電池を水に浸ける、針で穴を開ける、押しつぶすといった行為は危険です。内部の化学物質が反応したり、急激に発熱したりするおそれがあります。異常がある電池は、自己処理せず相談してください。
自治体によって違うリチウムイオン電池の回収ルール

リチウムイオン電池の捨て方は全国一律ではありません。自治体によって、収集日、出し方、回収場所、対象品目が異なります。引越し先や実家の片付けなどでは、地域ごとのルールを必ず確認しましょう。
不燃ごみとして出せる自治体
一部の自治体では、絶縁したリチウムイオン電池を不燃ごみの日に出せることがあります。ただし、袋を分ける、品名を書く、他の不燃ごみと混ぜないなどの条件が付く場合があります。
有害ごみ・危険ごみとして出す自治体
電池類を有害ごみや危険ごみとして回収している自治体もあります。この場合、乾電池、ボタン電池、小型充電式電池で分け方が異なることがあるため、自治体の分別表を確認しましょう。
市役所・区役所・公共施設で拠点回収する自治体
市役所、区役所、出張所、公民館、リサイクルセンターなどに回収ボックスを設置し、拠点回収を行う自治体もあります。回収時間や対象品目が決まっている場合があるため、持ち込み前に確認すると確実です。
清掃工場や処理施設への持ち込みが必要な自治体
通常の収集では回収せず、清掃工場や処理施設への直接持ち込みを求める自治体もあります。持ち込みには事前予約や本人確認が必要な場合があり、処理手数料が100円~500円程度かかるケースもあります。
自治体で回収できない品目もあるため事前確認が必要
電動自転車のバッテリー、大型バッテリー、事業所から出た電池、破損・膨張した電池などは自治体で回収できないことがあります。回収対象外だった場合は、販売店、メーカー、専門業者への相談が必要です。
リチウムイオン電池を捨てるときのNG行為

リチウムイオン電池の処分で最も避けたいのは、「よくわからないから普通のごみに入れる」ことです。安全に処分するために、やってはいけない行為を確認しておきましょう。
可燃ごみに混ぜて出す
可燃ごみに入れると、収集車や焼却施設で発火するおそれがあります。小さな電池でも火災の原因になるため、絶対に混ぜないでください。
資源ごみやプラスチックごみに混ぜて出す
モバイルバッテリーや電子たばこをプラスチック製品と勘違いして資源ごみに出すのも危険です。電池が内蔵されている製品は、必ず小型家電や電池類として分別しましょう。
絶縁せずにそのまま出す
端子がむき出しのままでは、他の電池や金属製品に触れてショートする可能性があります。処分前には必ず端子部分にビニールテープを貼りましょう。
膨張した電池を回収ボックスへ入れる
膨張した電池は、通常の回収ボックスで受け付けていない場合があります。無理に投入すると、他の回収品と接触して危険です。自治体や販売店に対応方法を確認しましょう。
自分で分解・切断・穴あけをする
電池を分解・切断・穴あけすると、発熱や発火の危険があります。工具を使って取り出す必要がある場合は、自分で作業せずメーカーや専門窓口に相談してください。
大量の電池をまとめて袋に入れる
大量の電池をまとめて袋に入れると、接触や摩擦でショートしやすくなります。複数ある場合は1つずつ絶縁し、回収先に大量持ち込みが可能か確認しましょう。
リチウムイオン電池と他の電池の見分け方

安全に処分するには、電池の種類を見分けることも大切です。見た目だけでは判断しにくい場合もあるため、表示やリサイクルマークを確認しましょう。
「Li-ion」「リチウムイオン」などの表示を確認する
リチウムイオン電池には、「Li-ion」「リチウムイオン」「Lithium-ion」などの表示があることが多いです。モバイルバッテリーやバッテリーパックの表面を確認しましょう。
リサイクルマークが付いているか確認する
小型充電式電池には、リサイクルマークが付いている場合があります。マークがあるものは、JBRC協力店や協力自治体で回収対象になる可能性があります。
乾電池・ボタン電池・小型充電式電池の違い
乾電池は使い切り、ボタン電池やコイン電池は小型機器に使われる丸い電池、小型充電式電池は繰り返し充電して使う電池です。種類によって回収先が異なるため、同じ「電池類」としてまとめないよう注意しましょう。
表示が消えている場合は無理に判断せず相談する
古い電池は表示が薄くなり、種類がわからないことがあります。判断できないまま可燃ごみや不燃ごみに出すのは危険です。自治体のごみ分別窓口や販売店に相談しましょう。
事業所や店舗で出たリチウムイオン電池の捨て方

会社、店舗、工場、事務所などから出たリチウムイオン電池は、家庭ごみとは扱いが異なります。家庭向けの回収ボックスや自治体回収を利用できない場合があるため注意が必要です。
家庭ごみの回収ルールは事業者には使えないことが多い
自治体の回収ボックスは、一般家庭から出た電池類を対象としていることが多く、事業者の持ち込みは不可の場合があります。店舗や会社で使ったモバイルバッテリー、電動工具バッテリーなどは、事業系ごみとして扱われます。
産業廃棄物や専門業者への依頼が必要になる場合がある
事業活動で発生したリチウムイオン電池は、産業廃棄物として専門業者へ依頼する必要がある場合があります。費用は量や状態によりますが、少量回収で3,000円~10,000円程度から対応する業者もあります。
事業者向けの回収登録やメーカー回収を確認する
小型充電式電池の事業者向け回収では、事前登録が必要な場合があります。また、製品メーカーが法人向けに回収窓口を用意していることもあるため、廃棄前に回収条件を確認しましょう。
大量のリチウムイオン電池や電池入り家電を処分したい場合

引越し、片付け、遺品整理、事務所整理では、電池単体だけでなく電池入り家電が大量に出ることがあります。1点ずつ分別するのが難しい場合は、回収先や処分方法を早めに確認しましょう。
一度に大量に出すと自治体で回収できないことがある
自治体の回収ボックスは家庭から出る少量の電池を想定しているため、大量持ち込みは断られる場合があります。数十個以上ある場合は、自治体に事前連絡し、分けて出すか専門業者へ相談しましょう。
引越し・片付け・遺品整理では電池入り家電が混ざりやすい
古いスマホ、ゲーム機、タブレット、デジタルカメラ、ハンディファンなどは、押し入れや引き出しからまとめて見つかることがあります。電池が内蔵されている製品は普通ごみに混ぜず、小型家電として分別しましょう。
分別が難しい場合は不用品回収業者への相談も選択肢
電池入り家電が大量にある、電池が取り外せない、品目ごとの分別がわからない場合は、不用品回収業者へ相談するのも方法です。軽トラック積み放題は10,000円~30,000円前後、2トントラック規模では40,000円~80,000円前後が目安です。
リチウムイオン電池の捨て方でよくある質問

リチウムイオン電池の処分では、「どこに持っていくのか」「無料で回収できるのか」「膨らんだものはどうするのか」といった疑問が多くあります。ここでは、よくある質問をまとめます。
リチウムイオン電池はコンビニで回収してもらえる?
コンビニでは、リチウムイオン電池の回収を行っていない店舗が一般的です。店頭に回収ボックスがあるとは限らないため、家電量販店、自治体施設、JBRC協力店を確認しましょう。
モバイルバッテリーは家電量販店で無料回収できる?
多くの家電量販店では、対象のモバイルバッテリーを無料で回収している場合があります。ただし、膨張・破損・液漏れがあるもの、メーカー不明品、回収対象外品は断られることがあります。
膨らんだモバイルバッテリーはどこに捨てる?
膨らんだモバイルバッテリーは、通常の回収ボックスに入れず、自治体または販売店に相談してください。破裂や発火の危険があるため、持ち運び時も衝撃を与えないよう注意しましょう。
スマホ本体はそのまま捨てても大丈夫?
スマホ本体は可燃ごみや不燃ごみに捨てず、携帯ショップ、小型家電回収、メーカー回収を利用しましょう。個人情報保護のため、初期化と記録媒体の取り外しを行ってから処分するのが安心です。
電池が取り外せない小型家電はどう処分する?
電池が取り外せない小型家電は、無理に分解せず本体ごと小型家電回収に出します。対象外の場合は、自治体やメーカーに処分方法を確認しましょう。
リチウムイオン電池を郵送で処分できる?
メーカーや回収サービスによっては郵送回収に対応している場合があります。ただし、リチウムイオン電池は配送条件が厳しいため、自己判断で普通郵便などに出すのは避けましょう。
古い電池を家で保管していても危険?
古いリチウムイオン電池は劣化が進み、膨張や発熱のリスクが高まることがあります。長期間使わない電池は放置せず、早めに絶縁して正しい回収先へ出しましょう。
まとめ|リチウムイオン電池は絶縁して正しい回収先へ出そう

リチウムイオン電池は、可燃ごみや資源ごみに混ぜて出すと発火や火災の原因になる危険なごみです。処分するときは、端子部分をビニールテープで絶縁し、自治体の拠点回収、家電量販店、JBRC協力店、メーカー回収など適切な方法を選びましょう。膨張・破損・液漏れ・発熱がある場合は、通常の回収ボックスに入れず、必ず自治体や販売店に相談してください。
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