様々なシチュエーションで、思いがけずお仏壇の移動に頭を抱えることがあります。
家具とは違い、ご先祖様が入っている特別なものですから、雑に扱って罰が当たるようなことはしたくないですよね。
実際、お仏壇は家の外に運び出す際は捨てない場合でも「供養をしたほうがいい」と言われるほどです。適切な方法で丁寧に扱って、かつ移動後も粗相なく移動前のように手を合わせられるよう、うまく事を運びたいものです。
そこで今回は、適切なお仏壇を移動方法や、移動から再度設置するまでの具体的な流れ、移動にあたってかかる費用についてお伝えします。
仏壇の移動での疑問が全て解決しますので、ぜひ最後までお読みください。
1 仏壇移動(引っ越し)〜設置まで「7つの流れ」
これからお伝えする通り7つの流れを押さえて作業すればスムーズに行えるため、仏壇の移動で失敗することはありません。
(1)魂抜き(閉眼法要)を行う
お仏壇を家の外へ運び出す時には、必須ではないが、できるなら魂抜き(閉眼供養)を行うことがオススメです。
『魂抜き』とは、仏壇に入った魂をお坊さんによる読経で抜いてもらう儀式を意味します。別名で、御霊抜き(みたまぬき)、御性根抜き(おしょうねぬき)とも呼びます。
魂抜きをするなら、お仏壇を移動(引っ越し)する3日前までに行いましょう。
基本的に魂抜きはお坊さんがやってくれるのですが、以下の準備物を用意しておくとスムーズにとりおこなえます。
- 仏壇に供える生花
- ろうそく、お線香
- 礼服(もしくはダーク系の大人しい服装)
- お布施
(2)写真撮影をしておく
新しい家で仏具などを仏壇に飾る際、どこに何をどう置けばよかったのかわからなくならないように、写真に撮って残しておきましょう。
(3)本体・仏具・本尊の3つにわける
写真を撮り終えたら、上の図を参考に、次の3つにわけましょう。
- 本体
- 仏具…段ボールなどにまとめましょう。壊れないように、クッション材を入れると安心です。
- 家族と移動する物…ご本尊である仏像や掛け軸、遺影・位牌は他人にまかせず、家族で丁重に運びましょう。
(4)移動開始
本体と仏具は、引越し業者か仏具店に頼んで、新居へ移動してもらいます。
横に倒すと壊れてしまうので、必ず立てた状態で運搬してもらうよう依頼しておきましょう。
金仏壇は職人技の結集と言われるほどの精巧な造りをしており、持ち方も明確に決まっています。
引越し業者は家具など移動のプロではありますが、仏壇は特殊品です。必ず配送は仏具店に頼みましょう。
(5)移動先で設置
新居に本体が到着したら、直射日光や湿気に弱い性質に配慮できる場所へ設置しましょう。
宗教的には、『お仏壇を置く際には、適切な向きがある』といわれ、良いとされる向きには3つの説があります。家族に向きを気にするかどうかも確認しておくと良いでしょう。
- 曹洞宗・臨済宗で推奨される南面北座(なんめんほくざ)
- 天台宗・浄土宗・浄土真宗で推奨される東面西坐(とうめんせいざ)
- 信仰している宗派の本山かある方向に向かってお仏壇を置く
(6)再配置
移動前に取った写真をもとに、落として壊したりしないよう注意しながら、『仏具・ご本尊・遺影・位牌など』を仏壇の中に再設置しましょう。
(7)魂入れ(開眼供養)を行う
魂入れ(開眼供養)は、魂抜き同様必須ではありません。
別名で、御霊入れ(みたまいれ)、御性根入れ(おしょうねいれ)とも呼びます。浄土真宗では、魂抜き魂入れどちらも共通して遷座法要(せんざほうよう)という呼ばれ方をします。
「これからもどうぞこの家と私たちをお守りください」とご先祖様を敬う気持ちを、お坊さんの読経にのせて届ける儀式です。檀家に入っているなら菩提寺に相談を、特に懇意にしているお寺さんが無い場合は僧侶派遣サービスを利用してお坊さんを手配しましょう。
家族や親族の希望を聞き、もしも行うことになったら、新居に設置してから1週間以内にはお坊さんをお呼びして儀式を行いましょう。
2 移動にあたっての費用全国相場
仏壇の移動費用は、『運搬費用』と『お布施費用』によって決まります。
移動距離ごとの運搬費用全国相場
移動距離 | 運搬費用全国相場 |
25km未満 | 40,000円程度 |
50km未満 | 80,000円程度 |
100km未満 | 120,000円程度 |
仏壇の移動大きさやどんなところからどうやって運び出すかにもよりますが、相場としては上記の表の通りです。
魂入れ・魂抜きのお布施の全国相場
お布施費用全国相場 | |
檀家に入っている場合 |
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僧侶派遣サービスを利用する場合 |
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僧侶派遣サービスは費用が抑えられるので、檀家に入っていない人にはメリットが大きいです。オススメの業者にソウテラスがあります。
お布施を渡す時のマナー
お布施はただ包んで渡せばいいというわけではありません。
表書きからお札の入れ方、渡し方までそれぞれマナーがあります。下記に図にまとめましたので参考にしてみてください。
失礼がないよう、注意しましょう。
まとめ
仏壇は、家の外に搬出するときは、魂抜きの供養をして今まで家と住人を守ってくれたご先祖様に感謝を伝えることがオススメです。
それだけで、後々後悔することやトラブルに遭うこともなく、スムーズに安全にお仏壇の移動ができます。
記事でお伝えした通りの移動から再設置まで行ってもらえれば、失敗することはありません。
滞りなくお仏壇の移動を終え、新しい家で「これからもどうぞよろしくお願いします」と再び手をあわせてくださいね。
この記事があなたの仏壇移動の悩みの解決に役立てば幸いです。
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