片付けられなくて気づいたらいつの間にかゴミ屋敷状態になってしまった…。本当は綺麗にしたいのに、片付けても散らかるばかり…人も呼べない…生活もし辛いような状況なのに、どうすればいいかわからない…。
家や部屋を元通りにしたい、とずっと悩まれているかもしれません。ミルフィーユのようにゴミが重なっていると、虫がわいたり、ダニが発生したり、カビも発生してしまうため衛生上・健康上、非常に危険です。感染症にかかったり、肺炎になったり、ゴミにつまずいて転んで骨折する危険すらもあります。
プロの経験から言わせて頂くと、放置しているのはすぐに片付けたほうが身のためです。プロですらゴミ屋敷状態の片付けの現場では病院送りになってしまうほど。とはいえ、片付ける方法がわからない…という方もいらっしゃると思います。
そこで今回の記事では、片付けたいけどどうしても片付けることができない…とお悩みの方に向けて、片付けのプロがオススメする片付け10ステップをご紹介します。長年現場で培ってきたノウハウをすべて紹介しますので、どのような状態になってしまったお部屋もキレイに元通り片付けられるようになるでしょう。
ステップ1~3までを準備編、ステップ4~10までを実践編として詳しくお伝えしていきます。いきなり全てをやる!ということではなく、1ステップずつでもやってみてください。必ず片付けきれるようになります。
ステップ1:準備編|市役所に問い合わせ
市役所で大量のゴミが一気に捨てられるかどうかは非常に重要です。ゴミを片付けながら捨てることまで頭に入っていると作業の手が止まってしまうんです。少しずつならできる場合と、一気に捨てられる場合は気の持ちようも変わってきますので、ぜひいの一番に確認してみてください。
確認と言っても難しい事ではありません。大量の家庭ゴミが出ることを伝え、「持ち込み先はあるか」「市の収集サービスを利用できるか」を確認するだけ。
市で収集してもらえる場合は、「指定袋に詰める必要があるか?袋なら何でもいいのか」もあわせて確認しましょう。利用できないと言われた場合は、回収だけを民間の不用品回収業者に依頼するといいでしょう。
- 全国各地域別の粗大ごみの出し方をすべて紹介します。
- 【2019年最新版】不用品回収の料金相場~処分費用を抑えるコツ3選
ステップ2:準備編|必要なものを揃える
怪我や病気予防の準備 ・厚手の軍手かゴム手袋 |
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掃除の準備 ・ゴミ袋(1K最低50袋~4LDK最低150袋) |
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害虫駆除の準備 |
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人手の準備 |
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どれを買えばいいか分からない場合は、次の商品がオススメです。
- 軍手…防水タイプで安い
- マスク…細菌を通さないので衛生面の悪いゴミ屋敷の片付けでも安心
- ゴミ袋…量が必要なので安さが重要
~1LDK | 最低50袋(上記商品5点=450円) |
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2K~4LDK | 最低150袋(上記商品15点=1,350円) |
※市区町村役所への問い合わせで指定袋が必要と言われた場合は、指定袋を利用しましょう。
- ハンディホコリ取り…伸縮性があり高いところにも届くものがよい
- モップ…クイックルワイパー専用本体を使った方が掃除しやすい
- バルサン霧タイプ…プロEXシリーズの霧タイプを必要な部屋の数分購入
バルサンには種類・タイプも色々ありますが、ゴミ屋敷で使う場合は「効き目が最も高い」「場所を選ばない」特徴を持つ、『バルサンプロEXノンスモーク霧タイプ』が1番です。
・スプレー殺虫剤…殺虫力が強いのでゴキブリだけでなく他の害虫にも使える
ステップ3:準備編|害虫を駆除する
たくさんのゴミが重なってしまっている場合、ゴキブリ、蟻、ハエなど不衛生な害虫が発生しています。1つものを動かす度にゴキブリが飛び出てくる可能性が高く、そのたびに作業の手を止められ、精神的ストレスにもなります。
いない可能性もありますが、万が一のことも考えて前日にバルサンを焚くなどして、害虫駆除対策を行っておきましょう。
ステップ4:実践編|作業装備
(1)軍手・マスクを付け、スリッパを履き、汚れてもいい服に着替える。
肌が露出しているとカビを吸い込んでしまったり、気づかないところで大切な衣類が汚れてしまう場合があります。軍手、マスク着用、捨ててもいい服に着替えるをつけるのはもちろんのこと、スリッパを履くなどの入念な準備を怠らないようにしましょう!
(2)熱中症対策として水分が取れるよう近くに置いておく。
集中していると気づかない所で水分不足におちいってしまい、熱中症で倒れてしまう可能性があります。倒れるまでいたらなくても、確実に体を弱めてしまう要因にもなります。
夏冬関係ありません。必ずすぐに水分補給ができるよう準備しておきましょう。
(3)片手にゴミ袋2つ、近くスプレー殺虫剤を用意しておく。
効率よく、集中力がとぎれないようにするには、「途中で手が止まらないようにしておくこと」は必須。ゴミ袋はすぐにいっぱいになりますし、急に虫が飛び出てきて手が止まってしまわないよう、ゴミ袋と殺虫スプレーをすぐ手に届く範囲に置くようにしてください。
ステップ5:実践編|入口から袋詰め
プロは作業効率を最大化するために「入り口から片付けること」を鉄則としています。部屋の奥から片付けると、途中でゴミが通路を塞いでしまい、ゴミの搬出が困難になってしまう可能性があります。また万が一の時に倒れてしまったなどのアクシデントが発生した場合、すぐに助けられない可能性もあります。
「玄関などの入り口→廊下→お部屋」の順番に、導線を確保しながらゴミの搬出や作業をしやすいように気を付けてバンバン袋詰めしていきましょう。片付け中に虫が出てきたら、その都度スプレーして駆除することも忘れずに!
ステップ6:実践編|ゴミの量を減らす
部屋の奥に進むにつれてゴミの量も増えていきます。ここで重要なのは「とにかくゴミの量を減らすことに集中すること」です。
狭い視野で作業し1ヵ所をまず片付け切るようなイメージで行うと、作業効率がアップします。この時、ビンや缶は「不燃」、弁当ガラや新聞やペットボトルは「可燃」と最低限の分別をしながら袋詰めしてください。
分別しながら袋詰めしていくことが最も重要です。一カ所一カ所エリアを制圧するようなイメージで作業することで、キレイに場所が少しずつ拡大していきます。「分別→袋詰め」という順番でやっていると、ゴミが横に広がりキレイになるまでに時間がかかりすぎて、モチベーションも下がってしまいます。分別しながら袋詰めを徹底しましょう!
ステップ7:実践編|要・不要の最終的な仕分け
画像くらいまで片付けられたら再発防止の準備をしながら片付けるようになります。
明らかなゴミを処分し終わったら、要・不要で家財をさらに仕分けていってください。収納できるだけ・自分が管理できるだけの家財量まで減らすようにしましょう。ほとんど「捨てるもの」と考えて断捨離することが重要です。特に、「書籍」「小物雑貨」「配線ケーブル」「故障・故障気味の家電」は積極的に不要として仕分けて処分しましょう。
ほとんど(90%)を「不要」としましょう。「これ後で使うかも…」と思いがちになりますが、ここで手をゆるめてしまうとまた元通りの状態に戻りかねません。ゴミに埋もれていて使っていなかったものは、後になっても使いません。徹底的に不要として仕分けしていきましょう!
ステップ8:実践編|ゴミ袋を処分
作業効率を考えるとゴミ袋は最後にまとめて処分することが一番。片付けと処分を別にすることで集中力がとぎれません。ゴミ袋の処分方法は、
- マンション・地区のゴミステーションに出す。
- 市に引き取りを依頼する。
- 市の定める処理場に搬入する。
などがありますが、どれを利用できるかはお住いの地区で異なります。例えば足立区の場合は、45Lで2~3袋以上出る場合はゴミステーションに出せませんが、臨時ごみとして収集依頼をすれば、有料ですが取りに来てもらえます。
「ステップ1:準備編|市役所に問い合わせ」で確認した方法で、処分し、決して溜め込んだり処分を後日に回したりしないようにしましょう。大きな粗大ゴミがある場合は「全国各地域別の粗大ごみの出し方」をご覧ください。自治体での粗大ゴミ処分方法を地域別にまとめています。合わせてご覧ください。
ステップ9:実践編|清掃
おおよそのゴミ袋の処分が終わったら、いよいよキレイに清掃していきます。
- 家具のホコリ…ハンディホコリ取りを使用
- 床の細々したゴミ・ホコリ…掃除機を使用
- 床拭き…除菌シートをつけたモップ掛け
一度でもゴミ屋敷化してしまうと、衛生上とても危険で、埋もれていたゴミに虫がウイルスを運んできていることもあります。ゴミ屋敷住人の入院きっかけのほとんどを、「感染症」が占めているほどです。片付け後に健康に過ごすためにも、しっかり清掃を行うことが非常に大切です。
ステップ10:実践編|整理整頓・収納
清掃で細かなゴミまで片付けたら整理整頓を行います。
- よく使うもの…腰丈の高さ・手前・収納しやすい場所に配置
- 使用頻度の低いもの…腰丈より低い、もしくは高い位置の収納場所へ配置
「よく手に取るもの→元の場所へ戻しやすい収納位置」にこのタイミングで決めてしまうことで、部屋の使い勝手があがり、散らかり難い部屋になります。
ポストイットやシールを貼って収納する場所をよりわかりやすく目視で確認できるようにするとよりよいです。
番外編:キレイを維持するコツ
せっかく片付けができても、またゴミ屋敷状態になるのはかんべん願いたいものですよね。これから紹介する3つのコツを実践することで「トホホ…ゴミ屋敷状態に元通り…。」なんてことはなくなります。
コツ1:自分にあった家財の量を保つ!
「まだ使うかも」と思うようなものが出てきたら、この2~3日以内でそれを使ったか?と自分に問うてみて、覚えのないものは断捨離しましょう。
家財の量が多いと、管理が難しくなり、部屋を散らかさないためのハードルもあがります。片付けた後の部屋を維持するためには、自分にあった家財の量を保つことがコツです。
コツ2:手に取ったものを床に置かない!
「今後は手に取ったものを床に置かない。」というルールを定めて守るようにしてください。床にモノを置くことで、再びゴミ屋敷になりやすくなりますので、部屋に1つだけ衣装ケースを置いて、床置きせず散らかさない工夫をしましょう。
- ホームセンターで透明な衣装ケースを1つだけ購入
- 部屋に1つ設置
- 床に物が散らかったらすべて衣装ケースへ
- 衣装ケースがいっぱいになったら、中身は処分する
コツ3:プロにアドバイスをもらう!
自分のクセって思った以上に気づきにくいものです。片付けられない原因はあなたの気づいていない「クセ」にあるかもしれません。思い切って整理収納アドバイザーなどの「片付け・整理整頓のプロ」にアドバイスを求めてみましょう。
- 片付けを全てお任せする
- 片付けのアドバイスをもらいながら一緒に片付ける
の2つから利用方法を選べるので、作業を手伝ってもらいながら学ぶことも可能です。「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥!」思い切ることが大切です。
こんな時はプロの力を借りよう
ゴミ屋敷という性質上、プロに片付けを任せた方が良いケースがあります。自分の片付けたい場所や状況が自力で片付けられるか?プロに頼むべきか?次のチェックボックスから判断しましょう。
チェック項目 | チェック(✓) |
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急いでいて2週間以内で片付けたい | □ |
手伝ってくれる人手2名の確保ができない | □ |
自分の体調が悪い | □ |
今が7月中旬~8月の夏場である | □ |
積み重なったゴミが腰丈以上になっている | □ |
ゴミの処分・運搬に利用できる車がない | □ |
喘息やアレルギーなどの持病がある | □ |
上記表のチェック項目に3つ以上当てはまる場合は、プロの力を借りてください。
まとめ
ゴミ屋敷の片付けは、
1.市役所に問合せ
2.準備物を揃える
3.害虫駆除をする
という3つの準備を行い、次に実践編として、
4.作業装備
5.入口から袋詰め
6.ゴミの量を減らす
7.要・不要の最終的な仕分け
8.ゴミ袋を処分
9.清掃
10.整理整頓・収納
の全10工程で片付けるのが鉄則です。特に見落としがちな害虫駆除や、入り口から袋詰めするということは、ゴミ屋敷を片付ける上で欠かせませんので、必ず実践してください。
大変な作業ですが、お伝えした手順で作業を黙々と進めていただければ、必ずあなたもキレイな部屋を取り戻すことができます。
しかしながら、ゴミ屋敷の片付けは肉体的にも精神的にもつらい作業です。チェックリストを活用し、どうしても自分には片付けが難しそうだとわかったら、無理をせずプロの力を借りることも大切です。
プロを利用すれば、すべての作業を丸投げでお任せすることもできますし、今度ゴミ屋敷を作らないためにアドバイスをもらいながら片付けてもらうこともできます。自分に合った方法でキレイな部屋を取り戻し、新しい生活のスタートを切りましょう。この記事がゴミ屋敷の片付けに悩むあなたの役に立てば幸いです。