お引越しや遺品整理、買い替えなどで『仏壇を処分することになった』場合、どうやって捨てたらいいのかわからず困ってしまいますよね。
実は、お仏壇を処分する方法は4つあります。4つそれぞれでお仏壇の扱いや捨て方も変わるので、お仏壇をただゴミとして出したい人には向く方法も、思い入れや信心深い人にとっては、好まれない方法であることもあります。
そこでこの記事ではまず、トラブルを避けるために仏壇処分の2つの注意点をお伝えし、そして4つのお仏壇処分方法とそれぞれのメリット・デメリットを解説します。
実践していただければ、仏壇処分の全選択肢の中から、家族の誰もが納得できる方法で、トラブルなく仏壇をすっきり手放すことができようになりますので、ぜひ最後までお読みください。
1 納得した処分をするために知っておきたいこと2つ
礼拝の対象であることから、あなたの独断で単なる家具・ゴミとして捨てるのは控えることをおすすめします。
- 魂抜き(閉眼供養)を行う
- 身内で合意した処分方法を選ぶ
この2つの注意点にさえ気を付けていただければ、問題やトラブルは一切起らず、スムーズに仏壇を手放すことができますよ。
(1)魂抜き(閉眼供養)を行う
『魂抜き』とは、仏壇に入った魂をお坊さんによる読経で抜いてもらう儀式を意味します。別名で、御霊抜き(みたまぬき)、御性根抜き(おしょうねぬき)とも呼びます。
魂の宿るものは、その持ち主を守る存在となるといわれ、ご先祖様の魂が入ったお仏壇もまた、今まで家族を守ってくれていました。魂抜きを行うことは、そんなご先祖様へのお礼の儀ともいえます。
これまで自分や家族のために守護してくれたことに対して、「今まで見守り続けてくださってありがとうございました」とお伝えすることが、供養となるんです。
もし「捨てるなんてご先祖様が怒らないかな」と不安に感じても、お経をあげていただきながら、心の中で感謝を伝えれば大丈夫。お坊さんの読経は、あなたの感謝の気持ちも乗せてお仏壇に宿っていた魂に届きます。
(2)身内で合意した処分方法を選ぼう
お仏壇に対しての想い入れは人それぞれ異なり、家族・親族間でも大きな認識の違いが生じます。処分方法に対して、事前に自分と家族・親族とで納得・合意してからでないと、捨てた後に「何でそんな捨て方したんだ」なんて、揉めごとになりかねません。
例えば、「供養なんてしてもしなくても一緒だろう」と考える人の意思に従い、「ちゃんと供養したほうがいいんじゃ…」という人の気持ちをないがしろにして強行してしまうと、何かあった時に不安になってしまいます。大きな病気や事故、天災で被害に遭ってしまったときに、「あの時ちゃんと御霊抜きをしていればこんなことにはならなかったのかもしれない」と思っても、その真偽はわかりませんし、あとの祭りです。
後々に何かあったとき無為な不安を抱かないためにも、家族で合意した方法で、供養も十分に尽くして処分されることをオススメします。
2 仏壇を処分する4つの方法とメリット・デメリット
4つの方法に存在する各メリット・デメリットと、どんな人に向いているのかをお伝えします。すべてを比較した上で、あなたとご家族やご親族が一番しっくりくる方法で処分しましょう。
- お寺
- 仏具店
- 自治体
- 回収業者
方法(1)お寺
お寺に処分を依頼すると、寺院で魂抜きを行った後、ご本尊である仏像や掛け軸を、お焚き上げといって、お清めの炎で浄火してくれます。
お仏壇本体については、供養後は自分で粗大ごみか回収業者、仏壇を買い替えるなら仏具店へ処分を依頼するように指導されます。小さなお仏壇の場合は、人形供養を行う際に、一緒に火葬してくれることもありますが、大きなお仏壇の場合は、ご本尊以外が自分で「家具の処分」として処分することになります。
メリット
- 檀家であれば、引き取り先を探す手間がない
- 最も供養を尽くす方法で手放せる
デメリット
- 檀家でなければ利用できないことがある
- お寺まで自分でお仏壇を配送する手配をしなければならない
- 仏具などお寺によって一部引き取りに対応してくれないものがある
向いている人
- 自分、もしくは家族親族にお仏壇に対して強い信仰心を持つ人がおり、やむを得ず処分するが最も心を尽くした方法で供養・処分を行いたい
- 檀家に入っている
方法(2)仏具店
仏具店に処分を依頼すると、仏具店が家から店までの配送業者を手配してくれ、やりとりしているお寺さんへ魂抜きとお焚き上げのお願いまでしてくれます。
メリット
- 買い替えの時は少し処分費用を少し安くしてくれる
- 宗派に関わらず対応してもらえる
デメリット
- 配送業者やお寺へ依頼する料金が仏具店の対応料金に上乗せされ高額になる
- 店によっては仏壇を購入した顧客以外の対応は断られる
向いている人
- 仏壇の買い替えに伴い処分を考えている
方法(3)自治体
画像引用:旭川市HPより
地域によっては、お仏壇を粗大ごみとして扱い、回収処分してくれます。家まで取りに来てくれる戸別収集と指定処分場まで自分で持っていく持ち込み処分とがあります。
メリット
- 費用が安い(旭川市の場合は、650円)
デメリット
- 自治体によって「仏壇か回収に対応していない」場合がある
- 粗大ごみ対象になっていない地区の場合、指定の可燃ごみ不燃ごみの袋に入るまでバラバラに小さく解体分別して出さなければ捨てられない
向いている人
- 粗大ごみの対象としてお住いの自治体が収集に対応している
- 仏壇を「ゴミ」として扱われることに抵抗がない
- とにかく安く処分したい
方法(4)回収業者
回収業者は、仏壇をトラックで回収し、取引のあるお寺さんに魂抜きをしてもらったあと、廃棄します。
メリット
- 家まで取りに来てくれて運び出しから全てお願いできる
- 魂抜きの手配も代行してもらえる
- 仏具や遺影、位牌の処分にも対応してもらえる
デメリット
- 自治体処分よりも高い
- 業者選びを慎重に行わなければ不法投棄などのトラブルに巻き込まれる危険性がある
向いている人
- 供養から運び出し、仏壇以外の周辺道具の処分まですべて1度に済ませてしまいたい
- 遺品整理や引越しなどでお仏壇以外の不用品もありその処分も同時に終わらせたい
- 空き家の家にある仏壇で、立会いなしで作業してもらいたい
『お寺』『仏具店』『自治体』『回収業者』の4つを比較すると以下のようになります。
3 仏壇処分費用は1,000円~10万円と幅がある
仏壇処分の費用は処分方法によっても変わりますが、魂抜きをする場合は「合同供養」「個別供養」でも大きく変わります。
自治体で処分し、魂抜きを行わなければ1,000円程度で処分できますが、回収業者に頼み個別供養を行えば50,000円以上かかります。さらに大きな仏壇であれば処分費用に100,000円もかかる場合もあります。
仏壇を処分する場合の費用については、『仏壇の処分費用は千円から最大10万円!安く処分するコツ解説』で詳しく紹介していますのであわせてご確認ください。
まとめ
お仏壇を処分する時には『お寺』『仏具店』『自治体』『回収業者』の4つの方法があります。
檀家に入っているなら、お寺を利用することがオススメです。仏壇の買い替えなら、仏具店に処分も依頼すると、買い替えの特典として通常よりも安く処分してもらえます。とにかく費用を抑えたいなら、自治体に粗大ごみに出すことで1,000円未満で処分することができます。手間や時間をかけず、他の不用品とあわせて一度に面倒ごとを解決したいなら、回収業者を利用することがオススメです。
仏壇は、家具や家電と違って、捨てる場合でも個々人が特別な思いを持つものです。トラブルを避けるためにも、魂抜きを行い、自分だけでなく家族や親族一同が満足できる方法で、処分を行いましょう。
この記事があなたの仏壇処分の悩みを解決し、滞りなく仏壇を手放す役に立てば幸いです。
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