家族の中に、片付けの苦手な人がいる…。
片付けられない家族に、片付けられるようになってほしい…!
このようなお悩みをお持ちの方はたくさんいらっしゃいます。
今回は、劇的に、「つい」片付けられなかった人でも片付けてしまうアドバイスのコツについてご紹介します。
一方的に片付けを勧めると余計片付けられなくなる
「片付けて!」と、いくら言っても片付けられないのは、一方的に片付けられないことを責められることで、余計に片付けられなくなっているのかもしれません。
片付けられない人にとって、片付けられないことには自分なりの理由や、時には後ろめたさがあるでしょう。
しかし、一方的に責められるように「片付けて!」と言われ続けることは、自分が真っ向から否定されているように感じてしまいます。
さらには人格をも否定されているように感じて傷ついてしまうのが、人間の心理です。
人は、自分を否定する相手の言うことは、たとえそれが正しいと感じたとしても、聞きたくもないものなのです。
ですから、「絶対に自分が正しい」という意識を捨て、相手を尊重していくことが、片付けられない人に、アドバイスに耳を傾けてもらうには必要なことなのです。
相手の「心理」や「特徴・傾向」を理解することが最優先
片付けられない人に、アドバイスをきいてもらいたい場合は、相手の「心理」や「特徴・傾向」を理解することを最優先にしましょう。
片付けができる人にとっては、片付けができない人の心理や、片付けができない理由は、まるで自分と違った感じ方や考え方をしているため、なかなか理解することができません。
相手を理解できないから、世の中ではトラブルや戦争がおこっているのです。
十人十色という言葉があるように、人はそれぞれ考え方や、得意不得意などが違います。
片付けられる人にとっては、片付けることが当たり前で、正しいことであると信じているでしょう。
そして片付けられない人のことを、「ダメな人だ」「だらしのない人だ」と、見下すような気持ちを、少しでも持ってはいないでしょうか。
全ての人が簡単に片付けができるわけではなく、何らかの理由があって片付けられない人がいるということを、受け入れなければ、お互いが同じ土俵に立った話し合いはできません。
『片付けることが絶対正しい』『絶対片付けなければならない』という考え方を、『片付けができない人もいる』『絶対片付けをしなければならないとは限らない』というように改めることで、相手を受け入れることができます。
さらには『片付けられない本人の方が、自分より困っているのではないか』と考えることで、『自分にできることは力になってあげよう』というような、思いやりの心が生まれてきます。
思いやりの心が持てるようになったら、相手も心を開いてくれて、話に耳を傾けてくれるようになります。
「片付けられない人」はアドバイスを聞き入れない
片付けられない人は、いくら「片付けて欲しい」とか「片付けた方が良い」というアドバイスをしても、聞き入れてくれないということで、困っているという家族の声をよく耳にします。
「いくらアドバイスをしても聞いてくれない」と言っている人の中には、実は言っていることが、片付けられない人に対するアドバイスではなく、文句や非難であり、さらに命令めいた口調で言っている場合が多いのです。
言われた本人がアドバイスではなく、自分への不満を言われていると感じれば、決して言われた通りにしようと思うものではなくなってしまいます。
「非難されただけなので片付けをしない」という反応を見て、アドバイスを言ったと思っている人は「アドバイスを聞いてくれない」と思ってしまうというように、認識の食い違いが起きているのです。
自分が一方的に責められているような感覚を受ける
不満をぶつけるような口調で一方的に「片付けて!」と言われることは、片付けられない人にとっては、自分が一方的に責められているような感覚を受けているはずです。
一方的に責められているような感覚を受けることで、アドバイスを言ってくる相手の言うことに、拒絶反応が出てしまうのです。
一方的に責められているという感覚を受けるには、理由が2つあります。
1つ目は、「言われるばかりで、こちらの言うことは聞いてくれない」か、「興味も持ってくれない」からという理由が考えられます。
これは、相互のコミュニケーションが、うまく取れていない状況です。
2つ目は、「一方的な言い分や都合を、キツイ口調で言われるばかりで、こちらの言い分や都合は、すべて否定される」からという理由が考えられます。
これは、言い分や言葉の中に、『思いやり』を感じられていないということです。
一方的に責められていると感じさせないためには、思いやりを持った関係の中で、思いやりのあるコミュニケーションを取っていく必要があるのです。
思いやりを持った上で、さらに、思いやりが伝わるような伝え方をしないと、思いやりが伝わらない場合があるので、気を付けなければなりません。
片付けられない人の特徴
片付けられない原因を知るために、『片付けられない人の特徴を理解すること』がヒントになります。
何故ならば、片付けられない人には、個人それぞれに違った原因があるからです。
片付けられない原因を見極めてこそ、的確なアドバイスができ、問題解決につながるということです。
何か問題を解決するためには、何が問題なのか把握していなければ、解決することはできませんよね。
問題を解決するには、次のような手順を繰り返していきます。
- 問題を認識する
- 原因を探る
- 解決方法を考える
- 解決策を試してみる
- 効果がありそうであれば続けてみる
片付けられない人の特徴を知るということは、個人それぞれに違った原因がある問題解決の手助けになるのです。
モノが多すぎる
モノが多すぎるということは、片付けられなくなる大きな要因の一つです。
モノが多いということは、片付けの作業を妨げる要素です。
元々片付けられる人であっても、モノが多すぎると片付けられなくなってしまうという場合が多いのですよね。
モノが多すぎると片付けられなくなる原因には、次のようなことが考えられます。
- 片付ける収納場所が足りなくなってしまう
- 片付けの作業量を考えただけで嫌になってしまう
モノが多すぎて片付けられない人の場合は、まずはモノを減らしていきましょう。
優先順位をつけるのが苦手
優先順位をつけるのが苦手な人は、片付けることが苦手です。
片付けをしている時でも、他に気になることがあると、そちらの作業を優先させてしまい、今すべきである片付けを後回しにした結果、結局片付けをしないということがよくあります。
優先順位がつけるのが苦手な人は、まずはすべきことをリストアップしてみましょう。
リストアップした『すべきこと』の重要性と緊急性を比較して、高いものから、優先順位を付けて、上位のものからこなしていきましょう。
先延ばしにしてしまうクセがある
片付けが苦手な人は、しなければならない事柄を、先延ばしにしてしまうクセがあります。
『部屋を片付けなければならないこと』や、『モノやゴミを処分しなければならないこと』を先延ばしにし続けることで、どんどん部屋が散らかっていってしまうのです。
子どもの頃、「宿題をするのは面倒くさいなあ」という気持ちから、毎日夏休みの宿題をするのを先延ばしにして、夏休み最後の日になって必死に宿題を仕上げていたという経験がある人もいるでしょう。
同じように「片付け作業は面倒くさいなあ」「部屋をきれいにするのは大変だなあ」と感じるストレスから逃れるために、部屋の片付けを後回しにしてしまうのです。
先延ばしにしてしまうクセがある人は、『後でまとめて全部やるよりも、毎日少しずつ片付ける方がずっと楽』であることを、体験することがカギになります。
忙しすぎる
仕事や子育てなどで忙しすぎる人は、部屋を片付けられなくなる人が多いです。
身体が疲れ切っていたり、精神的に余裕がない場合は、片付けなどする時間的、体力的、精神的な余裕がなくなってしまっています。
忙しすぎて疲れ、片付けられないほどストレスを抱え込みすぎると、人は無気力な状態に陥ってしまいます。
忙しすぎて片付けられない人の場合は、身体や精神が悲鳴をあげている場合があります。
その場合は、極力仕事を緩やかにしたり、適度に家事の手を抜いたりしながら、少しゆとりのある生活にする工夫をする必要があります。
体を動かすのが苦手
体を動かすのが苦手な人は、体を動かす作業である片付けや掃除が苦手です。
片付け作業は、腰をかがめたり膝を曲げたり、モノを持ち上げたり、高い所へ手を伸ばしたり、体全体を使う作業なので、体を動かすとすぐに疲れてしまう人にとっては、やりたくない作業です。
実際に、腰や膝など体に痛みがある人や、心臓などの病気があるなど、持病を持っている人にとっては、体を動かすことは辛いと感じる場合があるでしょう。
片付けることで、体や心が軽くなります。
体に痛みがある人も、適度に体を動かすことは、リハビリになると捉えて、毎日少しだけでも片付けをすることで、少しずつでも良いので、自分のペースに合わせて片付けができるようになるとよいですね。
片付け方が分らない
片付けられない人の中には、「片付け方が分からない」という人がいます。
片付けをする時は、自分なりの基準に従って、判断や分類をするという作業が必要ですが、片付けが苦手な人は、判断や分類の基準が分からないのです。
片付けをする時、次のような判断や分類が必要です。
- 捨てるか捨てないか
- どこに収納するか
- どうやって収納するか
モノを捨てる基準や収納する方法が分からなくて片付けられない人には、片付けの手順を教えてあげることが必要になります。
なぜ片付けられないのか?片付けられない6つの心理的理由
なぜ片付けられないのか?片付けられない人を理解するためには、その心理的理由を理解する必要があります。
片付けられない理由は、クセや環境などの理由のほかに、心理的理由が大きく関わっています。
他人の心理は、自分の心理とはまるで違うものなので、常に新しいことを知るような心構えで、相手の心理を理解する努力が必要です。
片付けられない心理的理由を理解して、その立場に立ってアドバイスしてすることが、片付けられない人が心を開いて、アドバイスに耳を傾けてくれるために必要な要素です。
逆に、相手の心理的理由を理解しないでするアドバイスは、片付けられない人にも理解できず、心に届かない可能性があるのです。
過度のストレスがある
過度のストレスがあると、片付けなどどうでもよくなってしまい、片付けられなくなっています。
つまり、片付けをするような精神的余裕がなくなってしまうのです。
心理学においても、『部屋は心を映し出す鏡である』ということは定説ですよね。
時には、過度のストレスがうつ病を引き起こすことがあります。
うつ病になってしまうと、自分で自分をコントロールすることが難しくなり、片付けを含めて、自分の身の回りのことが出来なくなってしまいます。
孤独である
孤独であるために、片付けをする意欲なくす場合があります。
地域からも孤立していて、家族や友人との関係も希薄である場合。
または、親しい人との離別や死別などが原因で、孤独になってしまった人などが、寂しさを埋められず、生きる意欲を失ってしまい、片付けられなくなっている場合があります。
心の孤独により自分の世話をする意欲を失ってしまい、生命維持をする気力さえも低下してしまうと、『セルフネグレクト』という、深刻な状態に陥る危険があります。
片付けられないという状況が、セルフネグレクトのサインになっている場合もあるので、注意が必要です。
欲求不満がある
欲求不満がある人は、次々とモノを買って溜め込みモノが増えてしまい、その結果、片付けられなくなる傾向があります。
欲求不満を満たすために、欲しいモノを次々と買ったり、ブランド品を買ったりして、モノで心を満たそうとしているのです。
心理学的に説明すると、満たされない欲求を、モノに置き換える『代償行動』をしているのです。
モノを溜め込んでいる本人は、『モノで心を満たそうとしている』ことに気付いていない場合があるので、自覚できるようになることが必要です。
現実逃避をしている
片付けという現実から現実逃避している人は、「部屋を片付ける余裕がない」と言います。
「もう自分は片付けられない」と心のどこかで思っているので、散らかっている部屋から逃れるために、外に用事を作っては出かけてしまうのが、現実逃避タイプの人です。
散らかっている部屋から離れて、外に出かけるばかりが現実逃避ではありません。
家の中にいて、ゲームをしたりテレビを観たり、好きなことだけをしている状態も、現実逃避です。
現実逃避タイプの人は、実は、自分の現実の状態が辛いと感じています。
まずは自分に向き合ってもらい、具体的に片付けのどんなことから、なぜ逃避したいと思っているのか、探ることが必要です。
捨てるモノなどないと思っている
モノへの執着が強い人は、「捨てるものなどない」と思っています。
持っているモノは、どれも大切なモノとして感じるために、捨てる対象とは考えられず、
「捨てるモノなどない」と思うのです。
モノにまつわる思い出を捨てられないために、モノそのものを捨てられない。
捨てることが惜しいと思ってしまう。
あれもこれも捨てられないために、モノが増えて、片付けられなくなってしまうのです。
モノへの執着心には、モノを失うことへの恐怖心が潜んでいます。
「モノを捨てることで、思い出も失ってしまうのではないか」という恐怖。
「これを捨てたら、いつか後悔するのではないか」という恐怖。
起こっていないことを想像しては、それを恐れているのです。
モノに執着するタイプの人は、モノがなくても自分がうまくやっていけることを想像できるようになることが、モノを手放す糸口になります。
片付けない方が便利だと思っている
狭い空間で暮らしている人の中には、片付けない方が便利だと思っている人がいます。
自分があまり動かなくても、手を伸ばせば使いたいモノがそこにあるあるという状態。
わざわざ片付けたり取り出したりしなくてもよい方が、便利だと思っている。
確かに『取り出しやすい』『場所が分かりやすい』ということは、使いやすい収納の考え方ではあります。
片付けない方が便利だと思っている人には、片付けた方が便利であるという経験をしてもらうことで、「やっぱり片付けた方が便利」だと気づいてもらいましょう。
「片付けられない人」に向けてのあなたが今すぐやるべき今後の対策
片付けられるようになるアドバイスをしたいと思っている人が、「片付けられない人」に向けて、今すぐやるべき今後の対策は、『良い関係を築いていくこと』です。
なぜ片付けられないのかサッパリ理解できず、片付けられるように変わってほしいと願っている相手と、良い関係を築いていくには、相手を変えようとするよりも、まず自分が変わることが先決です。
相手が心を開いて、あなたが言う言葉にも耳を傾けてくれるようになるには、お互いの間に信頼関係が必要になります。
信頼関係を築くためには、まずは自分の方からアプローチしていく必要があります。
今までの関係で、うまくコミュニケーションが取れなかったのであれば、まずは自分のほうから歩み寄って、今よりも良い信頼関係を築いていかなければなりません。
アドバイスに耳を傾けてくれる関係づくりが大切
先ほども書いたように、アドバイスに耳を傾けてもらうようになるには、信頼関係を作ることが大切です。
信頼関係がなければ、あなたが言う言葉は『口うるさく不満をぶつけられているだけ』と捉えられてしまいます。
信頼関係があれば、『言うことはもっともだ』と感じてもらえるでしょう。
『言うことはもっともだ』と感じてもらうには、まずは相手が「自分を理解してくれている」と感じてくれていることが前提です。
その信頼関係があることで「こうした方がお互いにとって良い」と、今よりも良い状態を願って言ってくれることだから、「試してみよう」という気持ちが持てるようになるのです。
信頼関係を築いていくには、『思いやる心』が必要です。
くつろいでいて、心地の良い穏やかな状態を、お互いの間に作っていきましょう。
そして、相手を思いやる言葉をかけていきましょう。
そのような落ち着いた状態の中で、心の壁が壊れて、アドバイスにも耳を傾けてくれるようになってきます。
言いたいことをとことん聞いてあげる
良い関係作りは、言いたいことをとことん聞いてあげることから始まります。
相手の話にとことん耳を傾けることは、『相手が心を開いてくれるカギ』です。
普段の会話で、相手の話をじっくり聞くことは、意外と少ないかもしれません。
相手の会話の途中で話しを遮って、自分の話を始めたり、相手の話を否定したりというやりとりは、どこででも耳にしますよね。
じっくり話を聞いていると、今まで聞いたことがなかったような、相手の本音や事実、時には本人も気付いていなかった気持ちに気付いて、話してくれるようになります。
伝えたいことは穏やかに話す
伝えたいことをきちんと聞いてもらうには、穏やかに話しましょう。
責めるような口調や、追い詰めるような雰囲気で話すと、聞いている相手は、話している内容よりも、自分に不満をぶつけられている雰囲気ばかりに意識が向いてしまい、話している内容があまり耳に入らなくなってしまいます。
発達障害の人は、嫌な気持ちを上手く処理できず、その気持ちから抜け出しにくい性質があるため、話しかけるときは穏やかに話すことを勧められています。
感情を司る部分の脳が高ぶっていると、理解をする部分の脳が働きづらくなり、話を理解しにくくなるからです。
穏やかに話すことは、反発などの感情に邪魔されず、伝えたいことを理解してもらうには有効な手段なのです。
ゆっくりと短い文章で話す
伝えたいことをしっかりと理解してもらうには、ゆっくりと短い文章で話すことが大切です。
一度にたくさんのことを話すと、前半に言ったことを忘れがちになります。
話していることを理解しやすくするためにゆっくりと、そして記憶しやすくするためには短い文章で、話すとよいのです。
人の短期記憶(ワーキングメモリ)は、それほどたくさんのことを記憶できません。
覚えていられる情報は、せいぜい3つから4つ、時間にして30秒以内です。
ですから、伝えたいことは1回1つに絞り、はっきりとした言葉でゆっくりと伝えてくださいね 。
いい所も見つけて褒めてあげて
良いところも見つけて褒めてあげることは、関係作りにおいてとても重要な事柄です。
褒められることは、「認めてくれた」そして「自分を受け入れてくれた」という感情を引き起こさせ、相手も心を開いてくれるようになります。
心理学的にみても、人間関係作りにおいて、『褒めることは最も大切な基本である』と言われています。
人は良いところよりも、悪いところに目がいってしまいがちなので、積極的に相手の良いところを見つけて、ことあるごとに口に出して褒めるように心がけてみましょう。
具体的なアドバイスの方法
片付けられない人に、どのように声をかければ良いのか分からないという人のために、具体的なアドバイスの方法についてご紹介します。
「なぜ片付けられないの?」と理由を考えてもらう
「なぜ片付けられないの?」と質問して、理由を考えてもらうことで相手に考えるきっかけを提供することができます。
自分で能動的に考えるということは、ただ人から言われるよりも深く物事を考える行為です。
誰でも人から言われたことに対しては、反発する気持ちを持つことが多いのですが、自分自身から出た言葉や考えは、たとえその内容が人から言われた言葉と同じであっても、納得して受け入れることができます。
心の中にモヤモヤと存在している、自分で認識できておらず、困っている事柄に気づいて、それを言葉にすることで、何に困っているかがハッキリしてきます。
きちんと問題として意識ができ、それを他の人と話し合うことで、新しいアイデアや意識が生まれて、前へ進むきっかけになるのです。
そのほかの質問内容も、参考にしてみてください。
- 今家の中はどのような状態なのか?
- どうしてモノを集めてしまうのか?
- 本当に望んでいるのは、どんな家なのか?
- 大切にしたいものは何か?
- 家はどんな場所であるべきだと思うか?
- 家族のためにできることは何なのか?
「片付ける時に手伝うから声を掛けてね」
「片付ける時に手伝うから声を掛けてね」と言っておくことで片付けられない人を追い詰めないようにしながらも、助けたいという気持ちを伝えることができます。
モノの捨て方が分からなかったり、重いモノを移動できなかったり、自分で出来ないことがあって、それがネックになって、片付けがストップしてしまっている場合、家族に助けを求めやすい環境にしておくことが、片付けをするきっかけになります。
困っていても助けを求められないタイプの人もいるため、『いつでも手伝うよ』という意思を伝えておくと、助けを求めやすくなるのです。
ゴミ袋を持って行って「さあ、片づけるよ!」と、こちらのペースで片づけるのではなく、相手が片付ける気持ちがおきたときに、すかさず手伝ってあげましょう。
「5分だけ片付けよう」集中できる時間設定をする
集中力があまりなく、飽きっぽいために片付けられない人には、「5分だけ片付けよう」と、集中できる時間設定をして誘ってみましょう。
『片付け』という言葉に抵抗がある人に対しては、「5分だけ部屋をキレイにしよう」と声をかけてみます。
集中力がなく片付け好きでない人は、ただ「片付けをしよう」と誘っても、誘いに乗ってきませんが、「5分だけ」と、ごく短い時間だけ「片付けをしよう」と誘えば、「それくらいならいいよ」と、誘いに応じてくれるでしょう。
短い作業であれば、それほど疲れませんし、集中力も保てるので、大きなハードルではありません。
それ程辛く感じない『片付けの5分間』を体験すれば、また誘えば応じてくれるようになります。
「〇〇を片付けよう」小さな目標を定める
「〇〇を片付けよう」と小さな目標を定めると、片付けを始めるのも気が楽になり、片付けに取りかかりやすくなります。
「片付けをしよう」と言った場合、片付けられない人が想像するのは、たくさんのモノを『全部』片付けなければならないという片付けでしょう。
狭い空間や小さな場所だけを具体的に指定して、「ココを片付けよう」と言うことで、片付けが苦手な人にも片付けられる程度の、気軽な片付けに手を付けることができるのです。
例えば、『ダイニングテーブルの上の片付け』や『ソファーの上の片付け』など、小さな片付けを繰り返して、少しづつ片付けを進めていくことができます。
「片付けて〇〇をしよう」と片付け後の目標を定める
「片付けて〇〇をしよう」と片付け後の目標を定めて、片付けのモチベーションを上げるのが向いている人もいます。
何か自分が楽しみにしている目標のためならば、片付けのモチベーションがあがります。
お客さんが来る前になると、一生懸命掃除をしたり、片付けをしたりするという経験は、誰にでもありますよね。
「お客さんを呼ぼう」とか「孫に遊びに来てもらう」など、楽しみとなる目標を定めてみましょう。
「片付けると気持ちがいいね!」
もし部屋を片付けて少しでもキレイになったら、「片付けると気持ちがいいね!」と言って、片付けた時の気持ちの良さを、味わってもらうようにしましょう。
片付けた後は「疲れた」と言って、それだけの感想になってしまわないように、片付けて良かった点に目を向けるようにするのです。
『片付けるとこんな良いことがある』という体験をしっかりと脳に刷り込むことによって、片付けてキレイになることそのものが、モチベーションになるようにしていくのです。
「片付けて気持ちが良い」という感想のほかにも、「部屋が広くなって気が安らぐようになった」とか「モノを出し入れしやすくなって、料理や作業がしやすくなった」など、片付けることの良さを一緒に喜んであげてください。
アドバイスの効果を高める改善策
アドバイスの効果を高めるために、アドバイスと並行して行うとよい改善策をご紹介します。
「モノを置くのは自分の部屋だけ」にする
「自分のモノを置くのは自分の部屋だけ」にするというルールを作って、共用部分には自分のモノを置かないようにしましょう。
片付けられない人がいる家族が、最も悩んでいることは、家中にモノをため込んで家中が使えなくなってしまう状況です。
リビングやキッチンなどの共用部分は、ほかの家族全員が使えて、管理できるルールにしておくことで、家族のストレスを減らすことができます。
問題を解決するためには、ルール作りが重要です。
その最たる例が、法律です。
家庭の中で困っていることがあれば、家族皆でルールを作ることは、お互いが納得できて、お互いが上手くやっていく方法です。
片付けたら必ず褒める・感謝する
片付けてくれたら必ず褒めることや、感謝することは片付けを自発的にしてもらえるようになる気持ちを作っていきます。
誰でも、褒められたり感謝されたりすると、嬉しい気持ちが生まれますよね。
褒められることや感謝されることは、脳にとって、報酬系のシステムが働きます。
脳の報酬系のシステムを刺激されると、意欲につながっていきます。
「片付けて喜んでもらえた」という喜びが、脳の中でやる気を作っていくのです。
傷つけないことが大切
やる気を失わせないようにするためには、傷つけないことが重要です。
心が傷つくことは、褒められたり感謝されたりする時と、正反対の気持ちを生み出します。
喜びではなく、不信感や反発心を感じるのです。
自分を傷つけた相手に対しては、なかなか心を開けません。
相手を責めたり恨んだりするように、なってしまいます。
傷つけないことは、良い関係を築いていくために、気を付けるべき重要事項なのです。
具体的な方法としては、相手に伝える時は、特に一言目は良いことを言ってから、そのあと本題に入るとか、口調をやさしくしたり、責める表現や嫌味な表現に気を付けたりするといいですね。
もちろん、やさしい思いやりの心でいることも大切です。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「片付けられない家族に、どうやってアドバイスしたらいいか知りたい」と悩んでいる人に向けて、『片付けられない人が、モノを捨てたり片付けられるようになってもらえるようなアドバイス方法』についてご紹介しました。
片付けられない人に、片付けのアドバイスをする前に必要なことは、片付けられない相手を理解するということです。
相手を理解できてこそ、相手の心に響く、アドバイスをすることができます。
問題解決をするためには、まず「何が問題なのか」ということが分からなければ、解決できないのと同じことです。
また、アドバイスに耳を傾けてもらうようになるには、良い関係を作っていくことが重要です。
信頼関係がなければ、心も耳も、なかなか開いてもらえません。
「片付けないことで、自分に不満をぶつけられている」と感じられれば、相手は心に壁を作るばかりです。
しかし「私のことを思ってアドバイスしてくれている、自分の味方である」と感じてもらえれば、相手は心を開いてくれて、アドバイスにも耳を傾けてくれるようになります。
具体的に「どのように関係を築いていけば良いのか」そして「どのようにアドバイスをすれば良いのか」ということについては、ADHDの人や 強迫的溜め込み症候群の人への接し方を中心に、心理学的、脳科学的な方法に基づいて説明してきました。
『いかなる問題も、それをつくりだした時と同じ意識によって解決することはできない。』という、アインシュタインが残した言葉があります。
これは、問題を解決する前提となる名言です。
『どんな問題も、その問題が発生した時と同じ次元で、それ解決することはできない。』という意味です。
この言葉からも言えることは、今までアドバイスに耳を傾けてもらえなかったのであれば、新たな次元でアドバイスしなければ、問題は解決できないということになります。
片付けられない人がアドバイスに耳を傾けてもらうようになるためには、『自分は正しい、相手は間違っている』という、一方的なアドバイスは聞いてもらえません。
お互いがお互いを尊重し合う、思いやりのある関係の中でこそアドバイスは生きてくるのです。
ことばで聞く説明は、「なぁんだ、そんなこと?」と思う人もいるかもしれませんが、実際に信頼関係を築いていくことは、山あり谷あり、努力が必要です。
しかし、それを乗り越えて、良い関係を築けた時は、お互いを信頼し愛着を感じる、ステキな関係にたどり着くことができますよ!
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