「地震速報」を見るたび、「災害はいつ起こるか分からない」と聞くたびに、「非常用持ち出し袋、準備しなきゃ」と思いつつ、何を揃えればいいのか迷っていませんか?
非常用持ち出し袋は、災害時に命を守るために欠かせないセットです。でも、何を準備するか決めるのは意外と難しいもの。この記事では、基本のアイテムから家族や季節に合わせた工夫まで、分かりやすくご紹介します。これを機に、防災対策を始めてみませんか?
非常用持ち出し袋ってなに?その役割と大切さ
災害は突然やってくるもの。そんな時、すぐに避難するために必要なものをまとめておけるのが「非常用持ち出し袋」です。これは、避難時の命綱となるアイテムを詰めた袋で、災害直後の不便を少しでも減らし、安全を確保するために欠かせません。ここでは、「非常用持ち出し袋」の基本を3つのポイントで分かりやすく解説します。
(1)災害時に命を守る「持ち出し袋」って?
非常用持ち出し袋とは、地震や台風などの災害時、家を離れて避難するときにすぐ持ち出せるよう準備する袋のことです。中には、最低限必要な食料や飲み物、懐中電灯、救急用品などが入っています。避難所や屋外で過ごす時間を想定し、命を守るための必需品をコンパクトにまとめたものです。
災害時は、電気や水道が使えなくなったり、周囲の状況が一変したりすることが多いため、「何も持たずに避難する」となると命の危険につながることも。非常用持ち出し袋は、そんな緊急事態を生き抜くための備えです。
(2)備蓄品との違い、知っておこう
非常用持ち出し袋と混同されやすいのが「備蓄品」です。備蓄品は、主に自宅で生活を続けるために必要なものを多めにストックしておくもので、水や保存食、トイレットペーパー、電池などが含まれます。一方、非常用持ち出し袋は「すぐに持って避難する」ことを目的にした軽量なセットです。
例えば、備蓄品には5日分以上の飲み水や非常食が含まれることが一般的ですが、非常用持ち出し袋は1日~2日分を目安に必要最小限の量を詰めるのがポイントです。この違いを理解して、それぞれを適切に準備しておきましょう。
(3)なぜ準備が必要なの?避難時のリアルな困りごと
「避難所に行けば何とかなる」と考えがちですが、実際には避難所の物資が不足していることも多く、すぐに支援が届かない場合もあります。また、災害時には避難までの時間が限られており、家の中で必要なものを探している時間はありません。
非常用持ち出し袋があれば、避難時に最低限必要なものをすぐ持ち出せるため、ストレスや混乱を軽減できます。特に、小さな子どもや高齢者、ペットがいる場合は、その人たちに合わせた準備がさらに重要です。災害は「まさか」のときに起こります。だからこそ、事前の準備が自分や家族を守るカギとなるのです。
非常用持ち出し袋の基本アイテムリスト
最低限必要なアイテムを事前に準備しておけば、緊急時の不安や混乱を少しでも軽減できます。ここでは、持ち出し袋に入れておきたい基本アイテムを分かりやすく解説します。家族の状況や地域の特性に合わせて、あなたにぴったりのリストを作りましょう!
(1)食べ物や水:何日分を目安に準備する?
災害発生直後は、食料や水の供給が途絶えることがあります。最低でも1~2日分の飲み水(1人あたり1日2リットル)と食料を準備しておくと安心です。カロリーメイトや缶詰、アルファ米など保存が効くものを選びましょう。また、赤ちゃんがいる家庭はミルクや離乳食も忘れずに。
(2)忘れちゃいけない!現金と貴重品
災害時にはキャッシュレス決済が使えなくなることもあります。小銭や少額のお札を含めて現金を用意しておきましょう。また、免許証や保険証のコピー、連絡先リストなども忘れずに。これらはコンパクトな防水ポーチにまとめておくのがおすすめです。
(3)必須!避難に役立つ便利グッズ
避難生活を快適にするために便利なアイテムも重要です。
(3-1)懐中電灯や携帯ラジオ
停電時に欠かせない懐中電灯は、小型で明るいLEDタイプが便利です。電池式だけでなく、手回し充電タイプもおすすめ。また、携帯ラジオがあれば最新の災害情報を入手できます。
(3-2)笛や充電器もあると安心
助けを呼ぶための笛や、スマートフォンを充電できるモバイルバッテリーも持ち出し袋に入れておきましょう。ソーラー充電機能付きのものを選べば、長時間使えるので安心です。
(4)健康を守るために必要な衛生用品
避難所では清潔を保つのが難しいことも。感染症対策として以下のアイテムを準備しましょう。
(4-1)マスク、消毒液、ウェットティッシュ
マスクはウイルス対策だけでなく、ほこりや煙を防ぐためにも役立ちます。アルコール消毒液やウェットティッシュは、手を清潔に保つための必須アイテムです。
(5)怪我に備える救急用具と常備薬
避難時のけがや体調不良に備えるため、簡単な救急セットを用意しましょう。包帯や絆創膏、消毒液のほか、鎮痛剤や胃薬などの常備薬も忘れずに。特に持病のある方は、薬のリストや処方箋のコピーも用意しておくと安心です。
家族それぞれのニーズに合ったアイテムをプラス
非常用持ち出し袋を準備する際、基本アイテムだけでなく、家族それぞれの状況に合わせたアイテムを加えることが重要です。性別や年齢、健康状態、そしてペットの有無など、各家庭ごとに必要なものが異なります。それぞれのニーズに合わせた準備をすることで、避難生活をより安全で快適に過ごすことができます。以下では、具体的な例を挙げながら解説します。
(1)女性のために:あったら安心、生理用品や化粧品
女性には特有の必需品があります。特に生理用品は避難所で手に入らないことがあるため、余裕を持って準備しておくことが大切です。また、気分転換や最低限の身だしなみを整えるために、化粧品や保湿クリームなども便利です。加えて、髪をまとめるゴムやヘアブラシも意外と役立ちます。
(2)赤ちゃんや小さな子ども用:ミルク、おむつ、離乳食
赤ちゃんがいる家庭では、避難時に必要なアイテムが特に多くなります。粉ミルクや哺乳瓶、おむつはもちろん、離乳食やおしりふきも欠かせません。可能であれば、液体ミルクを用意しておくと便利です。また、寒い時期は小さなブランケットや保温できる哺乳瓶ケースもあると安心です。
(3)お年寄りのために:介護用品や持病の薬
高齢の家族がいる場合、持病の薬や介護用品を忘れずに準備しましょう。特に薬は数日分を小分けにして、処方箋のコピーを一緒に保管しておくと安心です。おむつや尿漏れパッド、杖、補聴器用の電池なども必要に応じて持ち出し袋に加えてください。また、柔らかい座布団や腰を支えるクッションがあると長時間の避難生活が楽になります。
(4)ペットのために:フード、リード、おもちゃも忘れずに!
ペットは家族の一員です。災害時もペットがストレスを感じないように準備をしましょう。フードや水、食器のほか、リードやキャリーバッグが必要です。ペットシーツや排泄物処理用の袋も忘れずに用意してください。また、普段使っているおもちゃやタオルを持参すると、ペットが落ち着く助けになります。
季節や地域に合わせて!防寒・防暑グッズの選び方
災害時の避難生活では、季節や地域特有の気候に対応した準備がとても大切です。特に、冬の寒さや夏の暑さにしっかり備えることで、避難中の健康リスクを減らすことができます。また、地域ごとの災害特性を踏まえたアイテムを揃えることで、さらに安心して避難生活を送れるようになります。以下では、それぞれの対策について分かりやすく解説します。
(1)冬の寒さ対策に:毛布やカイロが便利
冬の避難生活では、体を温めるグッズが必須です。毛布やアルミ製のブランケットは軽くて持ち運びがしやすく、体温を逃がしにくいのでおすすめです。また、使い捨てカイロも非常に役立ちます。手足だけでなく、お腹や背中に貼ると効率よく体を温められます。
寒さによる低体温症を防ぐため、服装も重ね着がしやすいものを選びましょう。特に、靴下や手袋、帽子などの防寒小物はコンパクトにまとめられるので、非常用持ち出し袋に入れておくと安心です。
(2)夏の暑さ対策も重要:冷却シートや帽子
夏の避難生活では、熱中症を防ぐための準備が重要です。冷却シートや冷却タオルは、体を効率よく冷やすことができる便利アイテムです。また、日差しを遮る帽子や日傘も忘れずに持参しましょう。
さらに、うちわや携帯扇風機があると、避難所や屋外での暑さをしのぐのに役立ちます。飲み物を冷たく保てる断熱ボトルもおすすめです。特に高温多湿の地域では、水分補給をこまめに行いながら、暑さ対策を徹底してください。
(3)地域特有の災害に対応する工夫
地域ごとに起こりやすい災害に合わせたアイテムを用意するのも大切です。たとえば、豪雪地帯では雪を払うスコップや滑り止めが役立ちます。一方で、台風が多い地域では、防水シートやビニール袋を多めに準備しておくと、荷物を濡らさずに済みます。
また、津波や河川の氾濫が懸念される地域では、防水ブーツやウォータープルーフのバッグがあると安心です。地元の自治体が発行している防災ガイドやハザードマップを参考に、必要な対策を確認しましょう。
非常用持ち出し袋の置き場所と定期点検のポイント
非常用持ち出し袋は、災害時に素早く持ち出せることが最も重要です。そのため、置き場所と定期的な点検が欠かせません。適切な場所に保管し、必要なアイテムがきちんと揃っているかを定期的に確認することで、いざという時に困らない準備ができます。以下に、置き場所と点検のポイントをわかりやすく解説します。
(1)家の中のおすすめ保管場所:すぐ取れる場所がベスト!
非常用持ち出し袋は、災害時に慌てず持ち出せる場所に保管することが大切です。おすすめの保管場所は以下のような場所です:
- 玄関付近:家を出る際にすぐ手に取れるので、避難時にスムーズです。
- 寝室の近く:夜間に地震が発生した場合でも、すぐに手が届きます。
- 車の中:外出中の災害に備えたい場合や、車で避難する場合に便利です。
特に玄関付近や家族全員がアクセスしやすい場所が最適です。また、持ち出し袋には家族全員分の荷物を分けておくと、一人ひとりが必要なものをスムーズに持ち出せます。
(2)定期点検の大切さ:賞味期限や季節に応じた見直し
非常用持ち出し袋は、一度準備したら終わりではありません。中身の点検を怠ると、いざという時に使えないことも。定期点検を行い、次のようなポイントを確認しましょう:
- 賞味期限の確認:保存食や飲み水、常備薬などの期限が切れていないかを定期的に確認し、必要に応じて入れ替えます。
- 季節に応じた見直し:冬にはカイロや毛布を追加、夏には冷却シートや帽子を追加するなど、季節ごとにアイテムを調整しましょう。
- 家族の状況の変化:赤ちゃんが成長して離乳食が不要になったり、ペットが増えたりした場合は、その変化に応じて内容を更新します。
点検は年に1〜2回、特に季節の変わり目や自治体の防災訓練に合わせて行うのがおすすめです。
防災のプロが教える!袋詰めのコツ
非常用持ち出し袋は、中身を詰めるとどうしても重くなりがち。しかも、いざという時に必要なものがすぐ取り出せなければ意味がありません。そこで、防災のプロが教える袋詰めのコツを3つご紹介します。これを参考に、持ちやすく使いやすい持ち出し袋を準備しておきましょう!
(1)軽くて持ちやすい持ち出し袋にする方法
持ち出し袋が重いと、避難中に疲れてしまったり、動きづらくなったりします。軽くて持ちやすい袋にするために、次のポイントを意識しましょう:
- 優先順位をつける
「絶対に必要なもの」と「あると便利なもの」を分け、前者を優先的に入れることで軽量化できます。 - コンパクトなものを選ぶ
アルミブランケットや携帯型ラジオなど、小型で多機能なアイテムを選ぶと荷物を減らせます。 - バッグの選び方
リュックサックタイプがおすすめです。両手が自由になり、長時間背負っても負担が少なくなります。
(2)必要なものをサッと取り出せるパッキング術
緊急時に欲しいものをすぐ取り出せるよう、パッキングも工夫が必要です。
- アイテムの優先順位を考える
頻繁に使うもの(懐中電灯、マスク、携帯ラジオ)は外ポケットや取り出しやすい場所に入れましょう。逆に保存食や衣類は奥に詰めるのがおすすめです。 - カテゴリーごとに小分けする
衛生用品、食料品、衣類などをジッパーバッグや小さなポーチにまとめておくと探しやすくなります。 - ラベルを貼る
どの袋に何が入っているかを一目で分かるようにラベルを貼っておくと便利です。
(3)家族で分担するともっと安心!
家族全員の荷物を1人が背負うのは無理があります。家族で分担して荷物を持つと負担が軽減され、安心感も増します。
- 役割分担を決める
例えば、食料品はお父さん、衣類はお母さん、ペット用品は子どもなど、それぞれが担当する荷物を明確にしましょう。 - 子どもも自分のリュックを持つ
軽いもの(おもちゃやお気に入りのタオルなど)を子ども自身が持つと、防災意識を高めるきっかけにもなります。 - ペット用品は専用バッグに
ペットがいる家庭では、フードやリード、トイレ用品を専用バッグにまとめておくと管理が楽です。
ペットのための防災グッズとそなえ方については、「ペットのための災害対策完全ガイド:必要な防災グッズと備え方」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください!
市販の防災セットとオリジナルカスタマイズ術
防災セットを準備するなら、市販の防災リュックを購入する方法と、自分でカスタマイズして準備する方法があります。それぞれのメリットを活かして、必要なアイテムを揃えましょう。ここでは、防災リュックの選び方やカスタマイズのコツ、さらに便利なオンライン購入先と人気商品をご紹介します。
(1)防災リュック、買うならどれがいい?
市販の防災リュックは、基本的なアイテムがひと通り揃っているため、初心者にとっては手軽で便利です。選ぶ際には次のポイントをチェックしましょう:
- 内容物の充実度
保存食や飲み水、懐中電灯、救急セットなど、最低限必要なものが揃っているか確認します。 - バッグ自体の性能
リュックタイプで軽量、かつ防水加工が施されているものがおすすめです。背負いやすさも大切なポイント。 - 家族構成に合わせたセット
子ども用やペット用が含まれているセットもあるので、家庭の状況に合ったものを選びましょう。
たとえば、「防災士監修のリュック」や「女性向けに特化した軽量セット」など、特定のニーズに応じた商品を探してみてください。
(2)自分らしくカスタマイズするポイント
市販の防災セットに自分でアイテムを加えることで、より使いやすく、実用的な持ち出し袋に仕上がります。カスタマイズのポイントを以下にまとめました:
- 家族のニーズを反映
赤ちゃんがいる家庭ならおむつやミルク、高齢者がいる場合は介護用品を追加するなど、家庭の状況に合わせて補強しましょう。 - 地域の特性を考慮
豪雪地帯では防寒具、台風が多い地域では防水アイテムなど、住んでいる地域の災害リスクに応じてアイテムを選びます。 - 自分が安心するアイテムを追加
普段から使い慣れている薬や化粧品、お気に入りのお菓子などを加えると、避難生活のストレスが軽減されます。
市販のセットをベースにしつつ、「自分ならでは」のアイテムをプラスして、より安心感のあるセットを作りましょう。
(3)便利なオンライン購入先と人気商品
防災リュックは、オンラインショップで手軽に購入できます。特に次のようなサイトが便利です:
- Amazonや楽天市場
レビューが多く、価格や内容を比較しやすいのが魅力。防災士監修の商品や、女性・子ども向けのセットも多数揃っています。 - 防災専門ショップ
専門店ならではの高品質な防災グッズが揃っており、ニーズに合った商品を探しやすいです。「防災のプロが選んだセット」などもあり、信頼性が高いです。 - 自治体の推薦商品
地域の特性に合った防災セットを取り扱っていることが多く、地元のハザードマップと連動した商品もあります。
人気の商品としては、初心者向けの「オールインワン防災リュック」や、コンパクトで持ち運びやすい「1人用軽量セット」が好評です。
まとめ:災害に備えて今から非常用持ち出し袋(防災リュック)を準備しよう!
災害はいつ起こるか分かりません。非常用持ち出し袋(防災リュック)は、いざという時に家族の命を守るための大切な準備です。基本のアイテムを揃えたり、市販の防災リュックを活用したりして、まずはできる範囲から始めましょう。
家族で話し合い、それぞれに必要なものを分担して準備すると、より安心感が高まります。また、季節や地域に合わせて中身を定期的に見直すことも忘れずに。
備えあれば憂いなし。今からでも遅くありません。この記事を参考に、非常用持ち出し袋を準備し、災害への不安を減らしてみてください!
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