台風シーズンが近づくと、強風や豪雨による被害が心配になります。家の中の対策を万全にすることはもちろんですが、意外と見落としがちなのが庭木の対策です。庭木が倒れたり、枝が飛ばされたりすると、自宅だけでなく周囲にも大きな被害をもたらす可能性があります。本記事では、室内から屋外、そして庭木まで含めた完璧な台風対策をご紹介します。安心して台風に立ち向かうために、今からできる備えを一緒に確認していきましょう。
台風シーズンの到来と備えの重要性
日本では、主に7月から10月にかけて台風シーズンを迎えます。この時期、強風や豪雨をもたらす台風が次々と日本列島に接近または上陸し、私たちの生活に大きな影響を与えます。台風は強風や豪雨をもたらし、停電や浸水、建物の破損など、私たちの生活に大きな影響を及ぼします。そのため、台風シーズンの到来前に備えを万全にしておくことが非常に重要です。事前の準備が被害を最小限に抑え、家族や財産を守る鍵となります。
家だけでなく庭木の対策も必要
台風対策というと、多くの人は家の中の準備に目が向きがちです。しかし、庭木の対策も同様に重要であり、見落とされがちな点です。強風により庭木が倒れると、家屋を直接損壊させる可能性があります。また、電線や隣家に被害を及ぼすこともあります。強風で折れた枝が飛散物となり、窓ガラスを割ったり、人に当たったりする危険があります。台風で散った葉や小枝が排水溝を詰まらせ、浸水の原因となることがあります。家の内外両方の対策を行うことが、総合的な台風対策として不可欠です。庭木の剪定や固定、排水溝の清掃など、庭の手入れを台風対策の重要な一環として捉えることが大切です。
室内の台風対策
台風が接近する際、私たちが最も多くの時間を過ごす室内の安全確保は極めて重要です。適切な室内対策を講じることで、台風による被害を最小限に抑え、家族の安全を守ることができます。
(1)窓やドアの補強
窓やドアは、室内と外部を隔てる重要な役割を果たしていますが、同時に台風時に最も危険にさらされる部分でもあります。台風の強風は、窓ガラスを破壊したり、ドアを歪ませたりする力を持っています。適切な補強を行うことで、これらの被害を防ぎ、室内の安全を確保できます。強風を伴う激しい雨は、わずかな隙間からも室内に侵入する可能性があります。窓やドアをしっかりと補強することで、雨水の侵入を最小限に抑えられます。台風時には、さまざまな物が風に飛ばされます。これらの飛散物が窓に衝突すると、ガラスが割れて危険です。補強により、この危険性を大幅に減らすことができます。窓やドアの補強方法には、養生テープを貼る、飛散防止フィルムの貼り付け、段ボールや板で覆う、シャッターや雨戸を閉めて窓を保護、窓枠やドア枠に補強材を取り付け強度を高める、窓やドアの隙間からの風雨の侵入を防ぐためシーリング材で補修、など、専用の台風対策用品を使用するといった、さまざまな選択肢があります。家の構造や予算に応じて、最適な方法を選択することが大切です。
(2)非常用品の準備
台風が接近すると、停電や断水、交通機関の麻痺など、生活に大きな影響が出る可能性があります。そのため、非常用品を事前に準備しておくことが重要です。以下に、台風対策として揃えておきたい非常用品をわかりやすく解説します。
必要なモノ | ポイント |
1. 飲料水 | 目安量:1人あたり1日3リットル、最低3日分ポイント:ペットボトルの水を複数本用意し、定期的に入れ替えましょう。理由:断水に備え、飲用だけでなく調理や衛生用にも必要 |
2. 非常食 | 種類:缶詰、レトルト食品、乾パン、インスタント食品などポイント:調理不要で長期保存が可能なものを選びます。アレルギーや嗜好も考慮して家族全員が食べられるものを。目安:1人3日分(9食分)以上 |
3. 懐中電灯と予備電池 | 理由:停電時の照明として必要ポイント:LEDタイプは電池の持ちが良いです。予備の電池も忘れずに。目安:1人1個以上 |
4. 携帯ラジオ | 理由:最新の気象情報や避難情報を入手。停電時の情報収集に不可欠ポイント:手回し充電やソーラー充電ができるタイプが便利です。 |
5. モバイルバッテリー | 理由:スマートフォンの充電切れ対策ポイント:容量の大きいものを選び、事前に満充電にしておきます。 |
6. 救急用品 | 内容:絆創膏、消毒液、包帯、常備薬などポイント:家族の持病に合わせた薬も追加しておきましょう。 |
7. 衛生用品 | 種類:ウェットティッシュ、トイレットペーパー、マスク、生理用品などポイント:断水時でも衛生を保てるように、多めに用意します。 |
8. 防寒・雨具 | 内容:毛布、簡易寝袋、レインコート、使い捨てカイロポイント:季節に応じて必要な防寒具も追加します。 |
9. 貴重品と現金 | 理由:停電時は電子決済が使えない場合もポイント:小銭や小額紙幣を用意し、通帳や保険証のコピーもまとめておきます。 |
10. ビニール袋・ラップ | 用途:食器を包んで使用、ゴミ処理にも活用 |
11. ヘルメットや防災ずきん | 理由:落下物からの頭部保護 |
12. 筆記用具 | 理由:情報メモや伝言用 |
13. 予備眼鏡・コンタクトレンズ | 理由:破損や紛失に備える |
14. 簡易トイレ | 理由:断水時のトイレ対策 |
15. その他役立つもの | 軍手・作業用手袋:避難時や片付け時にホイッスル:救助を呼ぶための合図に |
リュックなどにまとめる:非常用品はすぐに持ち出せるよう、ひとまとめにしておきます。
家族で共有:非常用品の場所や内容を家族全員で確認しておきましょう。
衛生用品や簡易トイレ、LEDライト、携帯バッテリー、非常食、飲料水、ガラス飛散防止シートなど、100円ショップでも多くのモノを揃えることができますので、買い出ししてみましょう。
屋外の台風対策
台風に備える上で、屋内の対策と同様に重要なのが屋外の対策です。適切な屋外対策を行うことで、台風による被害を最小限に抑え、さらには近隣への二次被害も防ぐことができます。
(1)ベランダや物置の整理
ベランダや物置の整理は、台風対策の中でも最も基本的かつ重要な作業の一つです。強風によってベランダや物置に置いてある物が飛ばされると、窓ガラスを割ったり、周囲の人や建物に被害を与える可能性があります。物が散らかっていると、雨水の排水を妨げ、浸水の原因となる可能性があります。具体的には下記のことを実践しましょう。
- 植木鉢や園芸用品の固定または室内への移動
- 物干し台や大型の収納ボックス、自転車やバイクの固定または安全な場所への移動
- 洗濯物干し竿の取り外しまたは固定
- ゴミ箱や小型の家具の室内への移動
- 物置内の整理と扉の確実な施錠
- 物置自体が飛ばされないように、扉がしっかり閉まるか、錠が壊れていないか確認
(2)排水溝や側溝の掃除
排水溝や側溝が落ち葉やゴミで詰まっていると、大雨時に水があふれ、家屋の浸水や道路の冠水を引き起こす可能性があります。具体的には下記のことを実践しましょう。
- 排水溝の蓋を開けて、溜まっているゴミや泥を取り除く
- 庭や歩道に落ちている葉っぱや小枝を掃き集めて処分
- 自宅周辺の側溝に異常がないか、詰まりがないかをチェック
- 側溝のゴミや落ち葉の除去
- 排水溝の詰まりやヒビの確認と修理
庭木の台風対策
台風が接近すると、庭木は強風や豪雨の影響を大きく受けます。適切な対策を講じないと、庭木が倒れたり、枝が折れて飛散したりして、自宅や近隣に被害を及ぼす可能性があります。
庭木が受ける台風の影響とは
根が浅い木や成長し過ぎた木は、強風で倒れる危険性があります。倒木は家屋の損壊や電線の切断、通行人への危害など深刻な被害を引き起こす可能性があります。また、太い枝や枯れ枝が強風で折れ、飛散すると窓ガラスを破損させたり、他人に怪我をさせたりする恐れがあります。
(1)事前に剪定を行っておく
剪定は台風対策として非常に効果的です。枝葉が茂り過ぎていると風の抵抗を受けやすく、倒木や枝折れのリスクが高まります。剪定によって風通しを良くし、風圧を軽減できます。枯れ枝や弱い枝を事前に取り除くことで、台風時の枝折れを防ぎ、強風に耐える力を高めます。また、剪定で枝葉の量を減らすと、万が一枝が折れても被害を小さく抑えられます。
(2)樹木の固定をする
支柱やロープで樹木を固定することで、強風による倒木を防ぎます。特に植えたばかりの若木や根が浅い樹木は、固定することで安定性が増します。根の保護につながることで、揺れを抑え、根が土壌から抜けるのを防ぎます。具体的には下記のことを実践しましょう。
3本以上の支柱を120度間隔で立て、樹木を囲むように固定します。
支柱は地面にしっかりと打ち込み、樹木の高さの2/3程度の長さにします。
幹と支柱を、麻紐やシュロ縄などの柔らかい素材で8の字に結びます。
樹木の成長を妨げないよう、適度な余裕を持たせます。
大きな木の場合、支柱だけでなくワイヤーでの補強も効果的です。
ワイヤーは樹木を傷つけないよう、保護材を挟んで使用します。
台風接近時に押さえておきたい対策
台風が接近してくると、状況は刻一刻と変化します。適切な情報収集と判断が、自身と家族の安全を守る鍵となります。ここでは、台風接近時に特に重要な2つの対策について詳しく解説します。
(1)最新の気象情報の入手方法
台風の進路や勢力は刻々と変化します。最新の気象情報を入手することで、適切なタイミングで対策を講じることができます。また、早めの情報収集により、避難や備えの行動を迅速に行えます。具体的には下記の方法で、情報を入手しましょう。
NHKや地元放送局の台風特別番組で、詳細な情報が得られます。停電に備え、電池式のラジオを用意しておくことが重要です。
気象庁のウェブサイト:最も正確で詳細な気象情報が得られます。
地方自治体のウェブサイト:地域特有の警報や避難情報が確認できます。
気象庁や民間気象会社の公式アプリを活用しましょう。プッシュ通知設定で、緊急情報をリアルタイムで受け取れます。
気象庁や地方自治体の公式アカウントをフォローしておくと良いでしょう。ただし、デマや誤情報にも注意が必要です。
地域の防災無線からの情報に注意を払いましょう。聞き逃さないよう、窓を開けるなどの工夫も大切です。
(2)避難の判断基準と準備
適切なタイミングでの避難は、命を守るうえで最も重要な行動で、適切な避難は、水害や土砂災害から命を守ることができます。
大雨特別警報、暴風警報、高潮警報などが発令されたら、避難の準備を始めましょう。
警戒レベル3(高齢者等避難):高齢者や障害のある方は避難を開始。
警戒レベル4(避難指示):全員避難。
警戒レベル5(緊急安全確保):既に危険が迫っている状況。直ちに安全確保行動を。
自宅の立地(低地、川の近くなど)や構造を考慮し、危険を感じたら自主的に避難しましょう。夜間の避難は危険なので、日中のうちに判断することが重要です。
事前に複数の避難場所と経路を確認しておきましょう。
食料、飲料水、貴重品、衣類、医薬品などを用意し、すぐに持ち出せるようにしておきます。
携帯電話やモバイルバッテリーを充電しておきましょう。
家族が離ればなれになった場合の連絡方法や集合場所を決めておきましょう。
避難勧告や指示が出ていなくても、身の危険を感じたら躊躇せずに避難しましょう。
台風通過後もチェックが必要
台風が過ぎ去った後でも、安心はできません。台風による被害は通過後に明らかになることが多く、早めの確認と対策が重要です。被害を最小限に抑えるためにも、家屋や庭、周囲の環境をしっかりとチェックしましょう。
(1)家屋や庭の被害チェックと対策
チェック項目 | ポイント |
屋根や外壁の確認 | 強風や飛来物によって、屋根の瓦や外壁が破損している可能性があります。雨漏りや建物の劣化を防ぐために、目視で状態を確認しましょう。 |
窓やドアの点検 | 窓ガラスのひび割れや、ドアの歪み、鍵の不具合がないかチェックします。隙間からの雨風侵入や防犯上のリスクを防ぐためです。 |
室内の異常確認 | 壁や天井にシミがないか、水漏れや異音がしないか確認します。見えない部分での被害を早期発見できます。 |
庭の設備確認 | フェンス、物置、照明などが倒れていないか、破損していないかをチェックします。 |
電気・ガス・水道確認 | 漏電、ガス漏れ、水漏れを調べます。異常を感じたら使用を中止し、すぐに専門業者に連絡します。 |
(2)倒木や折れた枝のチェックと対策
倒木や折れた枝は、再度の強風や通行人への危険をもたらします。早急な確認と対処が必要です。二次被害などで、倒れた木が電線を切断したり、建物を損壊させるリスクがありますので、念入りにチェックしましょう。
チェック項目 | ポイント |
倒木 | 根元からの倒れ、幹の折れがないか確認。小さな木は、自力で起こし、支柱で固定。大きな木は、専門家に依頼。電線に接触している場合は電力会社に連絡。 |
枝折れ | ぶら下がった枝、部分的な折れがないか確認。小さな枝は、清潔な道具で切除し、切り口を滑らかに。大きな枝は、専門家に依頼。不適切な切除は樹木にダメージを与える可能性あり。 |
無理に自分で撤去しようとすると、怪我や二次災害の原因になります。必要に応じて専門業者に依頼しましょう。撤去した枝や木材は、自治体の指示に従って適切に処分します。量が多い場合は、不用品回収業者を利用しましょう。
まとめ:安心して台風シーズンを迎えるために
台風対策は、室内、屋外、そして庭木と多岐にわたります。室内では窓やドアの補強、非常用品の準備が重要です。屋外ではベランダや物置の整理、排水溝の清掃を忘れずに行いましょう。庭木対策では、事前の剪定と樹木の固定が効果的です。
台風接近時は、最新の気象情報を常に入手し、避難の判断を適切に行うことが生命を守る鍵となります。避難指示が出たら迷わず行動し、自主的な判断も大切です。
台風通過後も油断は禁物です。家屋や庭の被害チェック、倒木や折れた枝の確認と対策を行いましょう。安全が確認できない場合は、専門家に相談することをお勧めします。
これらの対策を事前に準備し、家族で共有することで、台風シーズンを安全に乗り越えることができます。定期的な点検と対策の見直しを行い、常に万全の備えを心がけましょう。
本記事が、台風対策の見直しのヒントになれば幸いです。
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