ゴミ屋敷・汚部屋とは、家や部屋がゴミで埋まっている状態を指します。
ゴミ屋敷・汚部屋は、個人の不快感や健康被害にとどまらず、火災・事故・行政処分など、他人を巻き込む大きな問題に繋がることがあり、対策が必須です。
一方で、ゴミ屋敷・汚部屋は生活習慣が原因になっていることが多いので、なかなか対策が難しいこともあります。この記事では、ゴミ屋敷・汚部屋についての知識を得たうえで、どうすれば部屋を片付けられるかという問題の解決策や、有効な解決策として、プロの業者を選定し依頼する方法について解説します。
「ゴミ屋敷・汚部屋」とはどのような状態?
ゴミ屋敷・汚部屋とは、イメージのとおり、家や部屋がゴミで埋まってしまっているような状態を指します。たとえば、名古屋市の条例では、次のように定義されています。
物品等が堆積され、又は放置されることによりねずみ、害虫又は悪臭が発生すること、火災発生のおそれのあること等周辺の生活環境に著しい支障が生じている状態をいう。
引用:名古屋市住居の堆積物による不良な状態の解消に関する条例
次のような条件に当てはまれば、ゴミ屋敷・汚部屋になっている可能性が高いので、注意が必要です。
床が見えないくらい、ゴミが部屋に溜まっている。ゴミが多すぎて、ベランダや庭にもゴミが積まれている。ゴミが水回りを埋めてしまっているので、水道や流しが使えなくなっている。ゴキブリやネズミが頻繁に部屋に出る。
ゴミ屋敷・汚部屋は、次のような生活習慣が原因となると言われています。捨てていないゴミ袋を、2~3個以上部屋に置きっぱなしにする。ペットボトルなどの空の容器を、部屋に放置している。掃除機や洗濯をする頻度が、週に1回よりも少ない。こうした生活習慣が積み重なることで、ゴミ屋敷・汚部屋のような状態になってしまうのです。
ゴミ屋敷・汚部屋のままにしておくリスク・悪影響
ゴミ屋敷・汚部屋を放置してしまうと、様々な問題が発生します。
①悪臭・害虫の発生
ゴミが増えると、悪臭が発生します。臭いがひどくなると、住んでいる自分が不快なだけではなく、近隣住民からのクレームに繋がることもあります。また、ゴミがエサになるために、ダニ、ハエ、ゴキブリ、ウジなどの害虫が湧きやすくなります。これらの害虫は暮らす上で不快であると同時に、駆除も面倒になります。
②火災のリスク
ゴミに火が付くことで、火災に繋がる危険があります。タバコに火をつけたり調理に火を使ったりといった日常における火の使用でも、火が付くゴミがそこらじゅうにあるために、火災のリスクが高くなります。また、部屋中がゴミだらけなせいで、火がすぐに燃え広がる危険もあります。ゴミ屋敷・汚部屋は、火災になりやすいうえに、大きな火災に繋がる可能性も高いのです。
③健康被害
ゴミ屋敷・汚部屋のようなゴミだらけの環境で生活すると、健康を害する可能性があります。ゴミ屋敷・汚部屋はホコリが常に舞っている状態なので、鼻炎などのアレルギーを引き起こすことがあります。また、害虫などの発生によって衛生環境が悪くなり、病原菌・細菌が繁殖するので、食中毒や皮膚炎などの健康被害にも繋がります。
④転倒事故のリスク
意外なところでは、ゴミ屋敷・汚部屋では転倒事故が起きやすいことがわかっています。足の踏み場もないほどゴミが溜まっているので、部屋の中で自由に移動できなくなります。それによって、ゴミにつまづき、骨折などの転倒事故が起きてしまうのです。ゴミだらけの部屋で暮らすことで、普段の生活すら不自由になってしまうのです。
⑤行政処分の対象になる
ゴミ屋敷・汚部屋がひどい場合には、行政から強制的に処分が下されることもあります。ゴミ屋敷・汚部屋は悪臭を発生させたり、またゴミが家の外にまで積まれることで道路をふさいだりするため、近隣住民に被害がおよぶ可能性があります。悪質とみなされた場合は、行政から処分を受けることになり、生活の継続が困難になることがあります。
ゴミ屋敷・汚部屋を片付けるには?
ゴミ屋敷を自力で片付けできるかどうかの基準
ゴミ屋敷・汚部屋は様々な被害をもたらすので、早く処置しないといけません。しかし、次のような条件に当てはまる場合は、自力でやろうとするのではなく、業者などの専門家に依頼すべきです。
- 3DK以上の広さが、ゴミで埋まっている
- 家の中だけでなく、庭・駐車場・道路までゴミで埋まっている
- 水回りがゴミで埋められ、生活に支障をきたしている
片付けに必要な準備
ゴミ屋敷・汚部屋は、生活習慣の積み重ねで発生するので、その片付けも簡単ではありません。独りで短時間でやろうとするのは禁物です。とても独りでできる作業ではないので、中途半端なままで挫折してしまう可能性が高いからです。
ゴミ屋敷・汚部屋の片付けのためには、人手・スケジュール・道具を入念に準備する必要があります。
人手は、3人以上を確保しましょう。知人や家族に声をかけて、事前に人を集めておく必要があります。お願いするのが恥ずかしい、というのもわかりますが、決して独りでできる作業ではありません。
スケジュールも、1日で終わらない作業になるため、2~3日空けておくことが理想です。友人や家族の手を借りている場合は、平日ではなく連休などを利用する方がよいでしょう。
必要な道具は多岐にわたるので、一つ一つ見ていきます。
- 軍手・マスク・エプロン:ゴミを扱うので、手や服を汚さないように軍手やエプロンが必要です。尖ったゴミや固いゴミでケガをすることがあるので、ケガの予防にもなります。また、ホコリを大量に吸い込む可能性があるので、マスクも必須です。すぐ汚れてしまうので、予備も準備しておきましょう。
- ゴミ袋:自治体が指定する袋がよいでしょう。燃えるゴミ・燃えないゴミなど自治体によって細かい分別が必要な場合は全ての種類を揃え、かつ数十枚から100枚程度用意しておきましょう。
- 殺虫剤:ゴミ屋敷・汚部屋には害虫が湧いていることが多いので、害虫がでた場合に駆除できるスプレーなどを用意しておきましょう。
- 新聞紙・ビニールひも・ガムテープ:新聞紙は、ゴミの水分をとったり、床を汚さないための下敷きや、緩衝材としても使えるため便利です。ビニールひもやガムテープは、ゴミをまとめる際に使えます。
- 掃除用具・洗剤:ゴミ屋敷・汚部屋の片付けは、ゴミを処理すれば終わりではありません。ゴミを放置した部屋の床や壁は想像以上に汚れています。二度とゴミ屋敷・汚部屋にしないためにも、ゴミ処理の後の部屋の清掃をきちんとしておきましょう。
- 車両:ゴミが大型あるいは大量の場合は、軽トラックやライトバンなどを使って清掃センターにゴミを持ち込む必要があります。準備しづらい場合は、業者に依頼するのも有効です。
片付けの手順
次に、具体的な片付けの手順について解説します。①虫の駆除、②ゴミの処分、③ゴミの搬出、④清掃作業という4つのステップで、片付けを進めていきます。
①虫の駆除
ゴキブリやハエだらけだと、作業の邪魔になります。できれば作業前日の段階で、殺虫剤を使って虫を駆除しておきましょう。部屋に置いておくだけで駆除ができる、霧タイプの殺虫剤がおすすめです。ゴミ屋敷・汚部屋は普通の部屋より害虫が多いときがあるので、指定された量よりも多めに使っても構いません。
②ゴミの処分
次に、ゴミの処分です。このステップで重要なのは、とにかくできるだけたくさんのゴミを捨てることです。普通の掃除とは異なり、ゴミを少しでも減らすために、どんどん捨てていきましょう。
とはいえ、モノを捨てることにためらう人もいると思うので、テクニックを紹介します。まず、空のペットボトルや缶、空き容器など、どうでもいいもの、明らかに捨ててよいものから捨てていくことです。自分の近く1m四方と範囲を決めて、捨ててよいものをどんどんゴミ袋に詰めていき、目の前にある明らかなゴミをどんどん袋に入れていくようにします。
捨ててよいか迷うものはとりあえず放っておいて、明らかに捨ててよいものを袋に詰めて、終わったら隣の1m四方の片付けを進めていきましょう。また、このとき害虫が出てくることもあるので、スプレー型の殺虫剤を横に置きつつ作業を進めることをおすすめします。
この作業を丁寧に繰り返し、少しずつゴミを減らしていきます。明らかに捨ててよいものを処分したあとは、最初に捨てるか迷ったものを処分していきます。ここで重要なのは、捨てるか迷った結果残しておこうとする習性が、ゴミ屋敷・汚部屋を生んでいるということです。つまり、捨てるか迷ったので置いておく、ということをしてしまうと、片付けたところで近い将来またゴミ屋敷・汚部屋になってしまう可能性が高くなります。
迷った場合は、どんどん捨てていきましょう。捨ててはいけないものは、大きく三つ。生活にすぐ使う必需品、貴金属などの貴重品、捨ててしまったら返ってこない思い出の品、です。この三つについても、できるだけ数をしぼっておきましょう。
「いつか使うかもしれない」と思ったものは、必ず捨てるようにしてください。いつか使うから残しておこうと思った結果、ゴミ屋敷・汚部屋になってしまったはずだからです。また、ゴミ屋敷・汚部屋に放置されたモノは、痛んだり汚れがついているせいで、結局使えなくなってしまったものも少なくありません。とにかく、できるだけたくさん捨てることが重要になります。
まず、明らかに捨ててよいものを、目についたところから袋に入れていく。一通り捨てたら、また同じ作業を繰り返す。このサイクルを何度か繰り返していくことによって、最終的にはほとんどのゴミを袋詰めできているはずです。
③ゴミの搬出
次に、まとめたゴミを部屋から出していきます。ゴミが大量になっていることが多いので、市町村ごとのゴミ出しの曜日や時間は必ずチェックしておきましょう。ゴミが多すぎると全て回収してくれないこともあるので、事前に自治体に連絡を入れておいた方がよいです。
また、車両を動かせる場合は、そのまま車に乗せて清掃センターに持っていくのも一つの手です。確実にその日のうちにゴミを搬出できるので、より早く片付けることができるようになります。自分でゴミを搬入した場合は、だいたい1kgにつき数十円程度と、処理費用は比較的安価です。京都市では、100kgまでなら1,000円で処理することができます。
④清掃作業
ゴミ屋敷・汚部屋の片付けは、ゴミを搬出して終わりではありません。ゴミ屋敷・汚部屋は、長年大量のゴミを放置したせいで、普通よりも部屋が汚れていることが多いのです。ホコリを吸い込まないようにマスクをしたうえで、洗剤を使って雑巾がけやモップがけを行いましょう。
特に気を付けないといけないのは、ゴミから浸出液が出ていた場合です。生ゴミなど水分の多いゴミを放置すると、液がにじみ、部屋を汚していることがあります。浸出液による汚れは害虫が再び発生する原因にもなるので、強めの洗剤を使って入念に清掃をしておきましょう。
ゴミ屋敷・汚部屋の片付けが自力で難しいときは業者に頼もう!
さて、ここまで、ゴミ屋敷・汚部屋がうみだす問題と、片付けをおこなう方法についてチェックしました。しかし、ゴミ屋敷・汚部屋の片付けは、思ったよりも多くの手間がかかる、大変な作業です。場合によっては、友人や家族でするよりも、プロの専門業者に依頼すべきケースもあります。
業者に依頼する基準
業者に依頼すべき基準には、次のようなものがあります。
3DKを目安として、それ以上の広さがある。虫やネズミが大量に湧いている。ゴミのせいで水回りがストップしている。人が住んでいない、あるいは住むことができなくなっている。
このような場合は、すぐにプロである業者に片付けを頼むべきです。
業者に依頼するメリット・デメリット
業者に頼むことのメリットとしては、まず手間と効率がはるかに節約できます。慣れない作業を自分でする必要がなくなりますし、プロなのでスムーズに作業をしてくれます。友人や家族に手伝いを頼むのをためらう人も、業者なら安心できるでしょう。
デメリットとしては、やはり費用がかかることです。かつ、費用はゴミの量や作業の条件などでケースバイケースであることが多く、いくら用意すれば必ずしてもらえる、とは決められないという側面があります。
業者の費用相場は?
一概に決められないとはいえ、かかる費用の相場はあります。業者にゴミの片付けを頼んだ場合の費用は、処理するゴミの重さで決定されます。そして、処理するゴミの重さは、普通は部屋が広いほど多くなりますし、ゴミが多く・重くなると、必要な車両も大型になります。つまり、片付けをする部屋が広く、ゴミの量が多く・重く、用いる車両が大型になるほど、費用がかかるのだと言えます。
このくらいの費用がかかるという目安は、次のようなものです。
- 軽トラックを用いる場合:約3~5万円。1部屋の場合、ここに収まることが多いようです。
- 2tトラック1台を用いる場合:約6~8万円。業者が扱うのは、このケースが一番多いようです。1Rマンションでもこの額になることがあります。
- 2tトラック2台以上を用いる場合:1台の場合と比べて、単純に2倍になり、約12万~16万円かかります。また、人手が増えたことによる人件費の増大などを踏まえると、20万円程度かかることもあります。家1軒や複数の部屋の片付けの場合は、このくらいかかると考えられます。
業者選びのポイント
業者に依頼すると思ったよりも高額になるため、よい業者を選ぶことが大事になります。しかし、ゴミ処理業者は実は思ったよりもたくさん存在します。何を基準に選ぶべきか、わからない人も多いでしょう。
業者に頼むときのコツとして、まず、依頼する前に必ず見積もりをとってもらいましょう。ゴミ屋敷・汚部屋の片付けは、思ったより高額になることが多く、また例外的に大きなゴミや大量のゴミの場合、取り扱いができないというケースもあります。家具やピアノといった不用品を回収してもらえるか、ゴミの搬出後の清掃はどこまでしてくれるか、なども重要なポイントです。費用を確認すること以外にも、このような依頼したい内容を受けてもらえるかについて、事前に電話やメールで確認しておきましょう。
またこのときの対応で、業者の責任感や信頼感がある程度わかるので、最終的に依頼するかどうかの基準にもなるはずです。いくつかの業者に相見積もりをとることで、比較したうえでよい方を選ぶというのもおすすめです。
ゴミ屋敷・汚部屋に戻らないために!キレイを保つコツ
ここまで、片付けの方法についてみてきましたが、重要なのは、二度とゴミ屋敷・汚部屋にしないことです。そこで、片付け後にキレイな状態を保つコツについて紹介します。
コツ①:ゴミを溜めないルールを決める
まず、片付けの手順のところで確認したことを心がけましょう。つまり、今すぐ使わないし、貴重でも大切でもないものは、どんどん捨てていくようにしましょう。「いつか使うかも」と思ったり、なんとなくもったいなくて捨てられないモノが、積もり積もってゴミ屋敷・汚部屋をつくっていきます。
捨てられるものはすぐに捨てるということを習慣づけることが、キレイを保つコツになります。ゴミ袋は3つ以上部屋に置いておかない、ペットボトルや缶はすぐに袋に詰めて捨てておく、などのマイルールを設定することも効果的です。
コツ②:積極的に他人に頼る
次に、友人や家族、業者などの他人を頼ることをためらわないことです。自分の住まいをゴミ屋敷・汚部屋にしようと思ってする人はそうそういません。しかし、いつの間にかゴミだらけになってしまうと同時に、独りではどうにもできないので、片付けを諦めてしまう人が少なくありません。
他人を頼るのが恥ずかしい人や、お金や手間がかかることでためらってしまう人もいるはずですが、火災や事故など取り返しのつかない状況になる前に、積極的に他人に助けを求めることが大事です。まずいなと思ったら、友人や家族に手伝ってもらったり、業者に依頼することを頭に入れておきましょう。
コツ③:ゴミ屋敷・汚部屋になった理由を考える
最後に、ゴミ屋敷・汚部屋をうみだす理由について考えることも、ときに重要になります。繰り返しになりますが、ゴミ屋敷・汚部屋にしたいと思ってする人はいません。仕事で疲れ切って掃除ができなくなるというケースもあれば、一人暮らしの寂しさからモノをため込むようになるケースもあるようです。心理的な問題から、片付けができなくなる人もいるのです。
もし知人や家族がゴミ屋敷・汚部屋をつくってしまっている場合は、「ダメじゃないか」「キレイにしろ」など責め立てるのではなく、できるだけ寄り添って、一緒に解決する方法を探してみてください。
ゴミ屋敷・汚部屋の片づけを業者に頼むなら?片付け110番がおすすめ!
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まとめ
いかがでしたでしょうか。ここまで、ゴミ屋敷・汚部屋がなぜ問題であるか、どのように片付ければよいのか、業者に頼む場合の適切な方法、などについてみてきました。
ゴミ屋敷・汚部屋は、ふとしたきっかけから自分や身近な人にふりかかるかもしれないと同時に、大きな問題を引き起こす可能性があります。
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