古くなったり着なくなったりした衣類の処分に困っていませんか?
民間大手の調査機関である矢野経済研究所によれば、古着の国内リユース市場は2019年に7,200億円(前年比+16.1%)で、2022年には9,900億円まで拡大する見込みです。これだけ大量に市場に出回る古着があるのですから、いらなくなった衣類を手放したいと処分に困っている人も多いのではないでしょうか。(
参考:矢野経済研究所)
古くなった衣類を、全て普通ゴミとして処分できるとは限りません。衣類の状態や大きさなどによっては異なる処分が必要となる場合があります。衣類は普通ゴミとして出せることが多いですが、中には資源ごみ(拠点回収)や燃えないごみとして扱う自治体もあります。(参考:杉並区)
なお、自宅の庭などで衣類を燃やしてしまうと、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第16条の2により、一般家庭から出るごみを指定された焼却施設以外で燃やすことは禁止されているため、5年以下の懲役、1,000万円以下の罰金のいずれか、または両方が科せられる場合があるので注意が必要です。
実際に衣類を処分する際には、その方法がすぐにはわからない人や、どこに頼めばよいのか判断がつかないという人も多いのではないでしょうか。この記事では、衣類の処分方法5種類を紹介していきます。また、回収業者に依頼するべき時はどんな時かについても解説していきます。この記事を最後まで読んでいただければ、自分に合った最適の処分方法が選択できると思います。ぜひ活用して下さい。
1 衣類の処分方法
1-1. 自治体で処分
衣類はお住まいの自治体で処分することができます。自治体での処分は大きく分けて、資源ゴミとして処分する方法、普通ゴミとして処分する方法、古着回収ボックスに出して処分する方法の3つがあります。
資源ゴミとして処分
衣類や古布を資源物として集積所に出す場合には、それぞれの自治体ごとにルールが決められているので、お住まいの自治体のホームページなどをよく確認することが大切です。例えば、練馬区では次のように定めています。
- 回収車が移動しながら回収するため、必ず回収時間内に対象施設まで持ち込むこと
- 透明や半透明の袋に入れ、雨水にぬれないよう、口をしっかりしばっておくこと(ダンボールや紙袋では中身が確認できないためNG)
- ボタン、ファスナーはつけたまま出すこと
参考:練馬区
普通ゴミとして処分
汚れた服や破れた服は資源物として再利用できないため、普通ゴミ(可燃ゴミ)として出します。それぞれの自治体が定める普通ゴミ収集のルールに沿って、他の家庭ごみと同じように中身がわかるビニール袋に入れて収集日に出しましょう。服にプラスチックや革のパーツがあっても普通ゴミとして出せる自治体も多いですが、念のため分別のルールを確認しておくと安心です。
以前、衣替えの時期にあわせて、古くて着なくなった冬物の衣類を大量に普通ゴミとして出したことがあります。
住んでいる自治体の指定に従い、半透明で中身が見える状態にして、全部で10袋程度ありましたが、一度に出すと収集の人も困ると思い、3回くらいに分けて出しました。なお、一回で出せるゴミの数や量には特に制限はないようです(注)。
(注)自治体によっては(例:大田区など)普通ゴミでも一度に出せるゴミ袋の数に制限がありますので、お住まいの自治体に確認が必要です。
参考:大田区
結果としては問題なく収集してくれたので、費用もゴミ袋代だけで済んで助かりました。一方、かさばる衣類を袋に詰めたり、収集場所まで運んだりといった手間がかかったのは結構大変でした。
古着回収ボックスに出して再利用
自治体によっては、リサイクルを目的として公共施設などに古着回収ボックスを設置しています。古着回収ボックスの場合、服をたたまずにそのままビニール袋などに入れた状態で回収してくれる自治体が多いので、比較的簡単に処分できます。例えば世田谷区の場合、古着・古布は、町会・自治会やリサイクル活動団体が回収するほか、エコプラザ用賀・リサイクル千歳台に回収ボックスを設置しています。
回収された古着・古布は衣類として再利用されたり、裁断してウエス(工業用ぞうきん)に利用されたり、また繊維にほぐしてカーペットの下地などに加工されます。(参考:世田谷区)
1-2 リサイクルショップに売却
衣類をリサイクルショップに売却する方法は有益です。その主な理由としては、様々なサービスやキャンペーンなど、有利で買い取る工夫をしているショップが多いことが挙げられます。
具体的には、指定された曜日に買い取り価格がアップするサービスや、ブランド服の高額買い取りキャンペーンなど、様々な工夫をしているショップがあります。また、宅配や出張買い取りが可能なショップもあるので、わざわざお店に行かなくても買い取ってもらうことができます。
まず一番大切なのは衣類の状態で、新しくて綺麗なものほど買取しやすいとのことです。逆に、ブランド物でも汚れやシミなどがあれば買取出来ない場合もあるそうです。
また、デザインでいえばミニスカートや若者向けのダメージ衣類、ドレスなどは扱いにくく、一般的なカジュアル物が買取しやすいとのことです。流行も、昔流行って今は見受けないものは買取がむずかしい場合あるとのことでした。
またブランドについては、無名だから扱えないということはなく、あくまで状態がよければ買取価格に差がでるとのことです。例えばユニクロとバーバリーでは値段が違うとのことです。
1-3 フリマアプリ・ネットオークションで売却
不要となった衣類をフリマアプリやネットオークションで売却する方法は大きなメリットがあります。主な理由は柔軟な価格設定や高額販売が可能となる点です。事実、売却価格は自由に設定できます。
具体例として、ハイブランドやビンテージ衣類は人気があるので、場合によっては高額で販売できる可能性もあります。
一方、売れた後に商品の梱包や発送に手間と費用がかかるのと、いつ売却できるのか予想できず、売れるまで時間がかかり、あるいは全く売れないといったデメリットもあります。
1-4 衣類買取専門店で売却
衣類買取専門店での売却は、一般のリサイクルショップとは異なる、専門店ならではのきめ細かい対応といった点で特徴があります。専門的な視野から衣類を詳細にチェックできる経験を積んだプロのスタッフが目利きをするのがその根拠となります。
具体的には、専門店ではブランドタグや状態などを一点ずつ確認して査定し、買い取ります。特に人気の高いブランド品で状態が良ければ、それなりの価格で売却可能です。その一方、ノーブランドや子ども服は買い取りが非常に困難です。
ブランドや種類を気にせず売るには、売却したい古着の重さを計測し、「gいくら」で買い取ってくれる店を選ぶと確実です。ある専門店では、店頭販売可能な衣類の場合は1kgあたり150円、リサイクル資源となる衣類は1kg1円、といった査定で幅広く衣類を買い取ります。
街の「古着屋さん」とは異なり、ブランド品を中心に取り扱っているとのことですが、ブランドでなくても、例えばフランス軍ミリタリー製品とか、バンドTシャツ、またビンテージものなどであれば買取可能とのことです。
状態は良いに越したことはないですが、極端に傷(いた)んでいたり、匂(にお)いがするものでなければ買取対象になるとのことです。
gで買い取ってくれるリサイクルショップとは異なり、衣類自体の価値や需要が大切で、手持ちの不要な服をすべて手放すには向かない方法かもしれないと感じました。
1-5 回収業者で処分
メリット | ・古くて使わない衣類でも処分が可能 ・申し込み方法や手順が比較的簡単 ・あまり待たず(最短即日対応)自分の都合に合わせて処分可能 ・衣類以外のごみがあるときは一緒に処分の依頼が可能 |
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デメリット | ・他の処分方法と比べてコストがかかる ・中には悪質な回収業者もいる |
引越しや、衣替えの時期(暑くなる前の6月初旬と寒くなる前の10月初旬)に思い切って「断捨利」を兼ね、段ボール箱に詰め込めないほど大量の衣類をすぐにでも簡単に処分してしまいたい!と困った場合には、回収業者に依頼する方法がおすすめです。不要な衣類を処分するのに、大きなメリットを有しているのが回収業者です。
その理由としては、時間や場所を選ばず、すぐに対応してくれる利便性が挙げられます。衣類を処分する手間ヒマや時間がない時、また引越しの際など、とても助かる場合があります。具体的には、回収業者はほぼ間違いなく不要な衣類を回収してくれますし、製品が傷んでいて状態が悪くても引き取ります。引き取りの際も自分で出かける必要はなく、自宅に取りにきてくれます。
2 衣類処分の費用相場
45Lx3袋の場合で、衣類処分の費用相場を下記の表にまとめました。
自治体資源ゴミ | @400円程度x3袋=1,200円程度 |
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自治体普通ゴミ | ビニール袋代実費のみ |
回収業者 | 6,000円程度 |
※公開された10の自治体、5社の家電量販店、5社の回収業者から平均を算出(独自調べ)
3 衣類処分の最適なタイミングとは
まず、時期やイベントに注目して解説します。
大掃除や衣替えのタイミング | 大掃除をしたり、年に2回の「衣替え」といったイベント時期は、身近にある衣類を捨てたり整理したりするのに良いタイミングです。
収納スペースの整理整頓や、今持っている衣類を確認する作業も兼ねて、この機会を捉えてチェックすることが効果的です。所有する服を全て把握すれば、捨ててよい衣類とそうでないものを区別できます。イベント時期に思い切って衣類を処分することで、気持ちもすっきりと切り替わり、「断捨利」にもつながります。 |
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新しい洋服を購入したタイミング | 新しい服を購入すると収納スペースが埋まるので、そのタイミングで古い衣類を処分するのが望ましいです。
ルールを決めて、1着買ったら1着処分するように心がけます。また、服の雰囲気やデザインが似ているものはどちらかを着なくなる可能性があるので、2着ある場合はどちらかを処分すると効果的です。 新しい衣類を購入した際に古いものを処分するよう意識しておけば、知らず知らず衣類が増えていく状況を改善できます。 |
使用していない期間が長い場合 | 何年も使用していない衣類は今後も使わない可能性が高いので、処分することを検討します。長期間使用していない理由があるはずなので、今後持ち続けていても着る可能性は低いです。思い切って処分しましょう。
今後も使わないであろう古い衣類を処分することで、衣類の収納スペースに余裕ができ、新たな衣類向けに活用が可能となります。 |
状態が劣化している場合 | 色落ちや痛み、ほつれなど、衣類の状態の劣化が激しい場合は思いきって処分します。長年経過した衣類にはどうしても経年劣化が起こります。寿命と判断しましょう。
状態が劣化している衣類はそのまま保持していても活用できないので、処分することで気分転換にも役立ちます。 |
次に、衣類の種類によってみていきます。
Tシャツ | Tシャツを処分するには、まず首元の状態を確認し、ヨレや黄ばみが目立つ状態であれば処分するタイミングです。
首元以外では、洗っても落ちないシミや色あせが目立ったり、体型が変わってサイズが合わない場合も該当します。 |
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ニット | 長く使用したニットは毛玉や毛羽立ちが大量に発生しがちです。着用するたびに毛玉ができる状態であれば処分の時期です。
また、何かに引っかけたり虫に食われたりして開いた穴が目立つ状態であれば、処分すべきです。 |
パンツ | パンツの場合、ひざの生地が薄くなって破れていたり、ひざまわりの形が戻らなくなったりしたら処分のタイミングです。
何度も洗濯して色あせているような場合も検討すべきでしょう。 |
スカート | スカートを処分する際のポイントはシワの有無です。横じわがついて取れなくなったら、お気に入りのアイテムでも処分のタイミングとなります。
また、生地のテカリや色あせが目立つときも処分を検討すべきです。 |
ソックス | ソックスは、つま先やかかとの生地をチェックし、穴があいているものはもちろん、肌が見えるほど薄くなっているものは処分すべきです。
ソックスは目立たないので処分を躊躇(ちゅうちょ)しがちですが、思い切りも大切です。 |
4 まとめ
古くなったり使わなくなったりした衣類の処分方法について、処分方法や費用相場、また回収業者のメリット・デメリットを中心に解説しました。この記事を参考としていただき、スムーズに満足して処理できるよう祈っています。
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