「地震対策をしたいけれど、賃貸だから壁に穴を開けられない」「タンスや本棚を固定したいけれど、ネジを使うのは避けたい」と悩んでいませんか。
家具の転倒防止にはL字金具による固定だけでなく、突っ張り棒、耐震マット、ストッパー、粘着式固定具など、壁に穴を開けない方法があります。家具や部屋の条件に合った転倒防止グッズを選べば、賃貸住宅でも地震への備えを強化できます。
ただし、どの器具でも設置すれば絶対に倒れないわけではありません。家具の高さや重量、壁紙・床・天井の素材、設置場所を確認し、必要に応じて複数の方法を組み合わせることが大切です。
この記事では、家具に穴を開けない転倒防止方法やおすすめ商品、家具別の地震対策、賃貸で注意したいポイントまで具体的に解説します。
家具の転倒防止は壁に穴を開けない方法でもできる

壁へのネジ止めが難しくても、転倒リスクを下げる方法はあります。重要なのは「穴を開けないこと」だけを目的にせず、家具が地震でどの方向へ動くかを考えて対策することです。
突っ張り式・粘着式・マット式など複数の方法がある
代表的なのが、家具と天井を支えるポール式、壁と家具を接着する粘着式、底面に敷く耐震マット、前面を持ち上げるストッパー式です。
価格の目安は、耐震マットが500~3,000円程度、ストッパー式が1,000~2,000円程度、ポール式が数千円程度です。家具1台につき数千円以内から対策できるため、まず寝室の背の高い家具など、危険度の高い場所から導入するとよいでしょう。
賃貸住宅でも原状回復を意識しながら地震対策ができる
突っ張り式やストッパー式なら、壁へビスを打たずに取り付けられます。粘着式も穴開け不要ですが、壁紙の材質や使用期間によっては剥がした跡が残る可能性があります。
そのため「穴を開けない=原状回復の心配が一切ない」と考えず、設置面との適合性や取り外し方法まで確認して選びましょう。
家具を固定するだけでなく配置の見直しも重要
転倒防止器具は家具の動きを抑えるためのものです。万一固定が外れた場合まで考えるなら、家具配置そのものを見直す必要があります。
ベッドへ向かって倒れるタンス、玄関までの通路をふさぐ本棚などは、固定と同時に置き場所も再検討しましょう。
【比較】穴を開けない家具転倒防止方法5選

方法によって得意な家具や設置条件が異なります。価格だけで選ばず、家具と住環境との相性を見ることがポイントです。
| 方法 | 価格の目安 | 向いているもの | 主な注意点 |
| 突っ張り式 | 数千円程度 | タンス・本棚・食器棚 | 天井の強度が必要 |
| 耐震マット | 500~3,000円程度 | 小型家具・家電 | 素材との相性を確認 |
| ストッパー式 | 1,000~2,000円程度 | タンス・本棚 | 家具形状によって使えない |
| 粘着式 | 2,000~4,000円程度 | 家具・冷蔵庫など | 壁紙への影響を確認 |
| ベルト式 | 1,000~3,000円程度 | テレビ・家電など | 固定方式を要確認 |
突っ張り棒・ポール式|家具と天井の間を固定する
タンスや本棚の上部と天井の間へポールを設置し、家具が前方へ倒れる動きを抑える方法です。
穴開け不要で設置しやすい一方、家具と天井の隙間が広すぎる場合や天井の強度が不足する場合には十分な性能を発揮できないことがあります。
耐震マット・ジェル|家具の底面からズレを抑える
粘着性のあるジェルを家具・家電の底面に敷き、横滑りや移動を抑えます。テレビや比較的小型の家具に取り入れやすく、価格も1,000円前後から見つけられます。
ただし、重量家具ではマットだけに頼らず、上部の固定方法と組み合わせることを検討しましょう。
ストッパー式|家具を壁側へ傾けて転倒しにくくする
家具の前側の底面に板状のストッパーを差し込み、家具をわずかに後方へ傾けます。
ネジも粘着剤も使用しない製品なら、壁や家具への加工を避けたい賃貸住宅と相性のよい方法です。
粘着式固定具|家具と壁を接着して動きを抑える
粘着材とダンパーなどを利用して、家具上部と壁をつなぐタイプです。天井との隙間が大きく、突っ張り棒を設置しにくい部屋でも選択肢になります。
一方、砂壁や凹凸の大きいクロスなど、接着に適さない面があります。購入前に対応素材を必ず確認してください。
ベルト・ワイヤー式|穴開け不要タイプなら家具と壁をつなげられる
ベルト式にもネジ固定式と粘着式、クランプ式などがあります。テレビならVESA穴とテレビ台を利用して、壁に穴を開けず固定できる製品もあります。
「ベルト式だから穴開け不要」と判断せず、壁側・家具側それぞれを何で固定する商品なのか確認しましょう。
穴を開けない家具転倒防止グッズはどう選ぶ?

購入時には「耐震」「強力」という表示だけで判断せず、自宅でその性能を発揮できる条件がそろっているかを見ることが重要です。
家具の高さ・重量に対応しているか確認する
高さ2mを超える本棚と、小さなカラーボックスでは転倒時の動きが異なります。商品の対応重量・家具寸法を確認し、範囲を超える家具には使用しないようにしましょう。
天井と家具の隙間に合ったサイズを選ぶ
突っ張り式は製品ごとに使用可能な高さが決まっています。購入前に家具天面から天井まで実測しましょう。
「あと数センチ届かない」という状態で無理に使用すると、正しく固定できません。
壁紙・床・家具の素材に使用できるか確認する
粘着式ではクロス、木材、金属など使用できる素材が指定されています。耐震マットも床材との相性を確認します。
見た目が似た壁紙でも表面加工が異なるため、製品の使用条件を優先してください。
耐荷重だけでなく試験方法や使用条件も確認する
「耐荷重100kg」と書かれていても、それだけで100kgの家具ならどの設置環境でも安全という意味ではありません。
どのような試験を行っているか、家具の高さや設置面などに条件がないかまで確認すると選びやすくなります。
取り外すときの壁紙や家具への影響まで確認する
賃貸では設置時だけでなく退去時まで考えて選びます。粘着式なら指定された剥がし方があるか、交換時期はいつかなども確認しておきましょう。
【Amazonで買える】穴を開けない家具転倒防止おすすめ商品

ここでは用途の異なる商品を紹介します。価格はAmazonで変動するため、購入時に最新価格を確認してください。
突っ張り式|背の高いタンス・本棚におすすめの商品
アイリスオーヤマ 家具転倒防止伸縮棒M KTB-40R
価格の目安は1,500円前後です。
おすすめする理由は、単なる収納用突っ張り棒ではなく、家具転倒防止を目的とした製品であることです。工具不要で、家具と天井の間を面で支えられるため、背の高いタンスや食器棚、本棚に向いています。
一般的な細い突っ張り棒を転用するよりも、家具転倒対策という用途が明確なのが大きな違いです。
粘着式|天井まで距離がある家具におすすめの商品
不二ラテックス 不動王 T型固定式 FFT-009
価格の目安は2,000円前後からです。
家具と壁を粘着材で固定するため、家具上部と天井の距離が大きく、突っ張り棒を設置しにくい場所で候補になります。家具の重さ115kg、高さ215cmまでを使用条件の目安とする製品で、2個1組で使用します。
突っ張り式との最大の違いは天井を利用しない点です。ただし、壁紙の種類によって使用可否が変わるため、賃貸では設置面を必ず確認してください。
耐震マット|家具の底面に設置しやすいおすすめ商品
iHouse all 耐震ジェル 極 4枚入り
価格の目安は1,000円以内からです。
底面に貼るだけなので大掛かりな器具が目立たず、テレビや小型家具などに導入しやすい点がおすすめ理由です。穴開け不要で、汚れた場合に水洗いして再使用できる仕様も、使い切りタイプとの違いです。
ただし、背の高い大型家具をこれだけで固定するのではなく、家具上部の対策と組み合わせることをおすすめします。
ストッパー式|家具下部から転倒を防ぎたい場合のおすすめ商品
ニトムズ 家具転倒防止安定板 ふんばる君60 M6110
価格の目安は1,000~1,500円程度です。
家具前面の下へ差し込む方式なので、ネジだけでなく粘着剤も不要なのが特徴です。必要な長さに切って使用できるため、幅の異なるタンスや本棚にも合わせやすくなっています。
粘着式との違いは、壁紙に直接貼り付けないこと。退去時の壁紙への影響をできるだけ避けたい賃貸住宅では、有力な選択肢です。
組み合わせ対策|単独使用だけでなく複数の対策も検討する
背の高い家具なら、上部を突っ張り式、下部をストッパー式で対策する方法があります。
例えばKTB-40Rとふんばる君を組み合わせるなら、合計3,000円前後からが一つの目安です。上部の倒れ込みと下部の滑り出しという異なる動きへ対策できる点が、同じ器具を増やす場合との違いです。
【家具別】穴を開けずにできる転倒防止対策

家具によって危険の種類も違います。本体だけでなく収納物の動きまで考えましょう。
タンス・チェストは上部と下部の両方から対策する
背の高いタンスなら、突っ張り式とストッパー式を組み合わせます。引き出しには重い衣類を下段、軽い衣類を上段へ収納すると重心も下げられます。
本棚は転倒だけでなく本の落下も防ぐ
本棚は大量の本によって重量が増します。重い本を下段へ移し、本体を固定したうえで、落下防止バーなども検討しましょう。
本棚が倒れなくても、本が床へ大量に落下すれば避難経路をふさぐ可能性があります。
食器棚は本体の固定と扉の開放防止を組み合わせる
食器棚では、転倒に加えて扉が開いて食器やガラスが飛び出す危険があります。
本体には突っ張り式などを使い、扉には耐震ラッチ、ガラス面には飛散防止対策を行うなど、危険を分けて考えます。
冷蔵庫は重量と設置スペースに合った固定器具を選ぶ
冷蔵庫は「重いから倒れない」とは限りません。大型家電も地震で移動する可能性があります。
冷蔵庫専用の穴開け不要ストッパーなどを検討し、放熱スペースを妨げないことやメーカーの固定方法も確認してください。
テレビ・テレビ台は転倒と滑り出しの両方を防ぐ
テレビは薄型化によって重心が高くなりやすいため、耐震マットだけでなく、VESA穴を利用するベルトなども選択肢です。
テレビ台自体が動く可能性もあるため、「テレビだけ固定して終了」としないことがポイントです。
突っ張り棒だけで家具の転倒防止は十分?

突っ張り棒は手軽ですが、取り付け方を間違えると期待した効果を得られません。家具・天井・器具を一体として考えます。
突っ張り棒は家具の両端へ設置する
家具上部の左右、できるだけ壁側へ設置します。中央へ寄せるより、家具の両端で支えることが重要です。
天井に十分な強度がある場所へ取り付ける
柔らかい天井板へ強く突っ張るだけでは、天井側が変形することがあります。天井の強度が十分でない場合は、適切な当て板を使用できるかなどを確認します。
家具と天井の隙間が大きすぎる場合は適合サイズを確認する
ポールが長く伸びるほど設置条件を慎重に確認する必要があります。サイズ範囲外の製品を無理に延長して使用してはいけません。
耐震マットやストッパーとの併用で対策を補う
上部をポール式、下部をストッパー式またはマット式で支えると、それぞれ異なる方向から家具の動きを抑えられます。
穴を開けられないからこそ、一つの器具だけですべてを解決しようとしないことが重要です。
粘着式・耐震マットを使うときの注意点

貼るだけで使える製品は便利ですが、「貼れた」と「適切に固定できた」は同じではありません。
凹凸のある壁紙では十分に接着できない場合がある
粘着面と壁紙の接触面積が少なくなるためです。対応していない壁面には使用せず、別方式を選択しましょう。
経年劣化によって粘着力が低下する可能性がある
設置したまま忘れず、製品の交換目安を確認します。家具を動かした際にも、粘着材が浮いていないか点検してください。
長期間貼ると壁紙や家具に跡が残る場合がある
日焼けによる色の差や、粘着材の跡が生じる可能性があります。特に賃貸では、使用可能な壁紙を確認してから設置します。
取り外すときは製品指定の方法を守る
力任せに引っ張るとクロスまで剥がす可能性があります。説明書に剥離方法が指定されている場合は、その手順に従いましょう。
賃貸で家具の転倒防止をするときに確認したいこと

賃貸では安全性と原状回復の両方を考えます。
「穴を開けない」だけで原状回復できるとは限らない
粘着剤による変色やクロスの剥離など、穴以外の損傷も考えられます。穴開け不要という表示だけで判断しないことが重要です。
壁紙・床・天井を傷めない設置方法を選ぶ
壁紙への接着が不安ならストッパー式、天井の強度に不安があるなら粘着式など、部屋の条件に合わせて選択します。
備え付け家具や設備は自己判断で加工しない
備え付けの収納棚などは貸主側の設備です。穴開けはもちろん、強力な粘着材を使用する場合も慎重に判断します。
判断できない場合は管理会社・貸主へ確認する
契約内容によって扱いは異なります。取り付けたい器具の方式を具体的に伝えて確認しておけば、退去時のトラブルを避けやすくなります。
転倒防止グッズを付ける前に家具の配置も見直そう

器具を購入しなくても、配置や収納方法を変えることで危険を減らせます。
寝ている場所へ倒れる位置に大型家具を置かない
ベッドや布団の正面に背の高い家具を置くのは避けます。移動できない場合は、少なくとも倒れる方向から就寝位置を外しましょう。
家具が倒れてドアや避難経路をふさがないようにする
玄関や部屋のドア付近に大型家具がある場合は、倒れた状態を想像してみてください。固定だけでなく、倒れても避難経路が残る配置が理想です。
重いものは家具の下段へ収納して重心を低くする
本、飲料、家電など重量のあるものを下へ移します。収納方法を変えるだけなので費用は0円です。
家具の上に重いものや割れやすいものを置かない
家具本体を固定しても、上に置いた収納ケースや家電は別に落下します。家具上部を収納スペースとして使っている場合は中身も見直しましょう。
使っていない大型家具は「固定する」より処分も検討しよう

防災グッズを購入して不要な家具を固定するより、家具そのものを撤去したほうが合理的な場合もあります。
使わないタンスや本棚を残すと転倒リスクも残る
「空だから安全」とは限りません。家具本体には重量があり、倒れれば人や避難経路へ影響します。
数年間使っていない大型家具なら、防災をきっかけに必要性を考え直しましょう。
寝室や避難経路にある不要な家具から優先して整理する
全部の家具を一度に減らす必要はありません。寝室、子ども部屋、玄関につながる通路など、人命への影響が大きい場所を優先します。
自分で運べない大型家具は無理に移動・解体しない
タンスや食器棚を一人で傾けると、転倒防止対策をするつもりが事故につながる可能性があります。
階段搬出や解体が必要なら、無理に自力で行わないことも安全対策の一つです。
家具を減らせば転倒防止と生活動線の確保を同時にできる
大型家具を1台撤去すれば、その家具の固定器具が不要になるだけでなく、室内の避難経路も広げられます。
特に収納物が少ないのに大型収納家具だけ残っている家庭では、「固定する前に減らせないか」という視点を持つとよいでしょう。
家具を処分して転倒リスクを減らす方法

家具の状態、大きさ、処分する数量によって適した方法が異なります。
自治体の粗大ごみとして処分する
費用を抑えたい場合は、自治体の粗大ごみを最初に確認します。地域や品目によりますが、家具1点につき数百円~2,000円程度で処分できるケースがあります。
ただし、指定場所まで自分で搬出しなければならない自治体が多いため、大型タンスなどでは搬出できるかも考えておきましょう。
まだ使える家具は買取・譲渡を検討する
購入から年数が浅く状態のよいブランド家具などは、処分前に査定する方法があります。
一方、古い大型タンスなどは運搬費に対して中古需要が低く、値段が付かない場合もあります。「売れるまで寝室に置いておく」ことで防災対策が遅れないよう期限を決めることも大切です。
大量の家具を整理するなら不用品回収を検討する
タンス、本棚、食器棚などを一度に撤去したい場合や、自力搬出が難しい場合は不用品回収を利用する方法があります。
大型家具1点では数千円から、搬出条件や作業人数によって1万円を超えることもあります。家具が複数あり軽トラック1台分程度になる場合は、2万円前後が一つの料金目安です。
依頼時には「家具の処分料金」だけを見るのではなく、階段作業、解体、作業員追加などを含めた総額を確認しましょう。
まとめ|家具の転倒防止は穴を開けない固定と配置の見直しを組み合わせよう

家具の転倒防止は、壁へ穴を開けなくても始められます。突っ張り棒、耐震マット、ストッパー、粘着式固定具などから家具と住環境に合う方法を選びましょう。
特に背の高いタンスや本棚では、上部の突っ張り式と下部のストッパー式など、複数の方法を組み合わせることも有効です。
同時に、寝室から大型家具を移す、避難経路を確保する、重いものを下段へ収納するといった対策も重要です。
そして、何年も使っていない家具なら、転倒防止グッズを購入して残し続けることだけが答えではありません。不要家具そのものを処分することで、室内の転倒リスクを根本から一つ減らせます。
転倒が心配な不要家具の処分・転倒防止策の便利屋サービスは片付け110番へ

「タンスを寝室から移動したいけれど重くて動かせない」「不要な本棚や食器棚をまとめて処分したい」「転倒防止対策をしたいけれど、自分で家具を動かすのが難しい」という場合は、片付け110番へご相談ください。
片付け110番では、不用品となった家具の回収・搬出に対応しています。大型家具は、処分そのものよりも室内から安全に運び出す作業が大きな負担になることがあります。階段や狭い廊下がある住宅では、無理な搬出によって壁や床を傷つけたり、家具が倒れてけがをしたりする危険もあります。
また、便利屋サービスを利用して、家庭内で困っている作業について相談することも可能です。転倒防止対策を含め、希望する作業内容について事前に相談してみましょう。
地震対策は、転倒防止グッズを取り付けるだけではありません。「固定する家具」「配置を変える家具」「処分する家具」を分け、家全体の危険を減らすことが大切です。
大型家具を自力で動かせない、不要家具が複数あるなど、自分だけで安全な住環境を整えることが難しいときは、片付け110番へお気軽にご相談ください。


