こうもりの被害にお困りではありませんか?
この記事では、こうもりの駆除方法を解説しています。自分でこうもりを駆除するステップから、駆除業者の利用・料金についても解説しています。
これを読まれているあなたは、こうもり被害をまずは自分で何とかしたいと考えているのではないでしょうか。場合によっては業者へ依頼するべきかどうか、その相場も気になるところだと思います。
こうもりは近年「ウイルスの貯水池」と呼ばれるほど、多数のウイルスや病原菌を宿す生き物です。
フンには多数の病原菌が含まれ、空気中に舞い上がった菌を吸い込むことでも健康被害の恐れがあります。
また、こうもりに寄生したダニなどが病気の原因となる事もあります。
誰もが早く対処してしまいたい、そして確実に対処して安全・安心に暮らしたいと考えるものです。
この記事では、自力でできる駆除のステップ、駆除業者に依頼するかどうかの見極めポイント、費用相場などを紹介していきます。
最後まで読んでいただければ、こうもり駆除の流れが理解でき、安心・安全な生活への助けになると思います。
1 こうもり駆除の基礎知識
被害有無の見極め方
多くの人が最初にこうもりの存在に気づくきっかけは「音」「フン」「悪臭」です。
こうもりは夜行性のため、夕方~夜にガサガサした羽音や「キ―キー」「チチチチ」といった機械音に似た鳴き声を聞くことがあります。
また、軒先や屋根裏などで小さなフンを見つけた場合も、こうもりの生息が疑われます。
こうもりは決まった場所に集団で生活しているため糞尿の量も多く、しばしば悪臭を放ちます。
こうもりのフンはネズミのフンとよく似ています。こうもりのフンの特徴は、5~10mmで黒~茶色をしています。
主食は昆虫で、雑食性のネズミのフンに比べると、パサパサともろく崩れやすいです。
崩して確認するのも一つの方法ですが、こうもりのフンには病原菌が含まれているので絶対に素手では触らず、ビニール手袋などを着用しましょう。
人家に住みつくアブラコウモリは天井裏、軒下、換気口内、壁の中、エアコン室外機の裏など、暗く湿度の高い場所を好みます。
このような場所に巣があるかどうか確認するには、有害な空気を吸い込まないようマスク等を着用し、万一フンに触ってしまった場合は石けんで洗いアルコール等で消毒しましょう。
こうもりを放置すると危険
こうもりの最大の被害は糞尿による悪臭や衛生被害です。
こうもりがする大量のフンには多数の菌が含まれています。
フンが崩れると空気中に菌が舞い上がり、これを吸い込んでしまうと感染症やアレルギーの原因になります。
こうもり自身に寄生するダニやノミなどの寄生虫が生活空間に侵入し、被害を及ぼすこともあります。
また、屋根裏などでの騒音や異臭、糞尿の湿気による建物の老朽化などの被害も起こり得ます。
そのため、こうもりの存在に気づいたまま放置することは大変危険です。
捕獲は法律で禁止
生活に深刻な被害を及ぼすこうもりですが、鳥獣保護法により勝手に捕獲・殺傷することは禁止されており、違反した場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられてしまいます。
そのためこうもりを駆除する際には忌避剤などを使った「追い出し」の対処法が基本となります。
こうもり駆除に火災保険は使える?
こうもりの駆除に火災保険は使うことができません。
こうもりやネズミなどが原因となる害獣被害は、火災保険など各種保険の適用範囲外となっています。
市役所でこうもり駆除してくれる?
私有地におけるこうもりは、一般的に市役所や保健所では駆除してくれません。
市役所や自治体によっては業者を紹介してくれるところもありますが、あくまでも自治体は関与せず、自分と業者との二者間のやりとりになります。
のちほど解説する複数業者への見積りや業者の選び方も参考に、慎重に判断を行いましょう。
参照:横浜市
2 こうもり駆除を自分でする方法
準備するもの
- ビニール手袋
- マスク
- ゴーグル
- フン処理用のビニール袋
- 消毒液(アルコール・次亜塩素酸ナトリウム液など)
- こうもり駆除剤
- 侵入口を閉鎖する物(金網・パンチングメタル・コーキング材・パテなど)
こうもり駆除剤で追い出す
こうもり駆除剤には下記のような種類があります。被害の範囲や場所に応じて使いやすいものを選択しましょう。
種類 | 特徴 |
---|---|
スプレータイプ忌避剤 | 空間に噴射して使用 【メリット】 ・使用方法が手軽 ・効果が3~6時間持続 【デメリット】 ・ ・ |
ジェルタイプ忌避剤 | 専用トレイに入れ、建物に設置または紐で吊るして使用 【メリット】 ・効果が1ヵ月~1年程度持続 【デメリット】 ・匂いが強く近隣に配慮が必要 ・こうもりが匂いに慣れる恐れ →侵入経路はしっかり塞ぐ ・こうもりが絡まり危害を与える恐れ(鳥獣保護管理法違反) |
くん煙剤 | 煙を空間に充満させて使用 【メリット】 ・効果範囲が広く屋根裏などに有効 【デメリット】 ・持続性が弱く、素早く侵入経路を塞ぐ必要 ・屋外では効果なし |
どのような駆除剤を使う場合でも、大まかな流れは同じ「こうもりの追い出し→掃除・消毒→侵入経路封鎖」という手順になります。
- ビニール手袋、マスク、ゴーグルを装着します。
- 上記で紹介した忌避剤やくん煙剤を使用し、こうもりを追い出します。
- こうもりが居ないことを確認し、周辺を掃除します。フンはビニール袋などに入れ処理します。
- 殺菌・消毒のためアルコールや次亜塩素酸ナトリウム液をスプレーなどで散布し、拭き掃除をします。
- こうもりの出入り口となる侵入経路を金網・パンチングメタル等で封鎖します。
侵入経路をふさぐ
こうもりは1~2cmのわずかな隙間からも侵入してくる上に帰巣本能を持っています。
こうもりが侵入できる隙間を塞ぐことは最も重要になります。
換気口のように完全に封鎖することが難しい場所には、目の細かい金網やパンチングメタルで空気は通るように塞ぎます。ネジや接着剤などで固定を行います。
細い隙間にはコーキング剤(シーリング剤)を使います。使用には、コーキングガンという器具が必要です。
配管の隙間やエアコンホースの隙間などは、パテで埋め込みを行うのが良いでしょう。
超音波は効果なし?
こうもり撃退グッズのひとつに超音波を用いたものがあります。
超音波発生器でこうもりに超音波をぶつけて混乱させ追い出すというもので、こうしたグッズの購入を検討している方もいるかもしれません。
しかながら、超音波発生器一つだけでこうもり被害を解決するのは厳しいです。
なぜならこうもりは超音波に慣れ、適応する力を持っているからです。
こうもりは飛びながら超音波を発し、反響する音で自分の位置を把握します。
妨害用の超音波を当てることでこうもりを混乱させ、追い払うことは可能です。
一時的効果としては有効といえるでしょう。
しかし、こうもりは自分の超音波の波長を変えることで混乱を回避します。
超音波に適応してまた戻ってきてしまう恐れがあるので、追い出しに成功したらすぐに侵入経路を閉鎖することが重要です。
超音波はあくまでも追い出し手段の一つとして考え、持続性に期待した選び方は避けましょう。
こうもり駆除に適した時期
こうもり駆除には春(4~6月)と秋(9~10月)が適しています。
7~8月はこうもりの子育ての時期になります。生まれたばかりの子どものこうもりは飛ぶことができないため、追い出すことができません。
11月~3月もこうもりの冬眠期に当たり、追い出すことが難しい時期です。
もしこれらの時期にこうもりを発見してしまった場合は自力で対応せず、業者に依頼するのがよいでしょう。
自力駆除のメリットデメリット
自力で駆除を行うメリットとデメリットをみていきましょう。
自力駆除のメリット
- 費用を抑えられる
自力駆除のデメリット
- 健康被害の恐れがある
- 怪我などの危険性を伴う
- 駆除作業自体の難しさ、わずらわしさ
- 侵入経路の特定・封鎖が難しく再発の恐れがある
- 汚い・危ない場所で作業するという精神的苦痛
自力駆除のメリットは費用が抑えられることに尽きます。それに対しデメリットをみていくと、かなりリスクは大きいものがあります。
3 こんな場合は業者に依頼しよう
自力で駆除を行うには限界があります。下記のような場合は、迷わず業者に依頼しましょう。
- 夏・冬など駆除が難しい時期
- 高所作業などの危険な場所
- こうもりの数が多い
- 駆除作業に少しでも抵抗がある
- アレルギー体質
- 即日でこうもりを何とかしたい
4 プロの行うこうもり駆除の流れ
実際にプロが行う駆除作業について紹介していきます。
ステップ1 現地調査
天井裏や屋根裏など確認が難しいところまで状況を確認し、追い出し・消毒・再発防止策などのプランを立て、見積もりが提示されます。
ステップ2 侵入経路の特定
こうもりはわずか1cmの隙間でも侵入が可能です。侵入経路をもれなく見極めることは素人には難しいでしょう。こうもりの生態に熟知した経験の豊富なプロが侵入口を特定します。
ステップ3 追い出し
被害現場の環境に最も適した専用薬剤や噴射機により、徹底的な追い出しを行います。
ステップ4 清掃・殺菌・消毒
病原菌を含むフン等を除去し、殺菌・消毒を行います。場合によっては病原菌の温床となった住宅内の断熱材等を撤去するなど、プラスアルファの作業が提案されることもあります。
ステップ5 侵入口封鎖
最も重要なポイントです。パンチングメタル、コーキング処理などで細かい隙間まで徹底的に封鎖を行います。
ステップ6 再侵入防止策・アフターフォロー
さらに近隣に不安点があれば封鎖処置を行います。
業者によっては1年~数年の再発防止保証をつけているところもあり、万一被害が再発した場合、無償で駆除作業が可能です。ただし該当となる箇所や施工回数に設けている上限など、保証範囲はよく確認しておきましょう。
こうしたアフターフォローを設けていない業者もあるので、確認はしっかり行うようにしてください。
5 こうもり駆除業者の費用相場
こうもり駆除の相場料金は、一ヶ所当たり2~4万円程度です。
駆除費用を公開している業者23社(独自調べ)から算出したところ、平均は38,238円(税込)でした。
ただし、あくまでも被害箇所が一ヶ所のみで追加費用を含まない料金です。
被害箇所が複数ある場合は、駆除費用を公開している3業者から平均を算出したところ(独自調べ)によれば約10万円~30万円かかることもあります。
また、被害箇所が高所の場合は特に注意が必要です。高所作業車などの手配料金が発生してくる場合もありますし、足場を組むとなると総額が50万円以上になることもあります。
作業場所や面積、フンなどの被害状況と、様々な要素によって費用は大きく異なってきます。
まずは相見積もりを取り、ご自宅のケースでの費用相場を把握しましょう。
6 こうもり駆除業者の選び方
こうもり駆除を業者に依頼する際にはいくつかの注意ポイントがあります。必ず複数の会社、少なくとも3社には見積もりを取るようにしましょう。
順に解説していきます。
1.無料見積もり・無料調査が可能か
まずは見積もりと現地調査に費用がかかるかどうかを確認しましょう。
こうもり駆除にかかる費用は被害状況により大きく異なってくるため、まずは現地調査をしないことには見積もりが得られません。
複数社を比較検討するために、見積もり・現地調査を無料で行ってくれる業者を選択しましょう。
2.作業内容・料金は明確か
見積もりが手元に来たら、作業内容に過不足はないか、料金が作業内容ごとに明示されているかどうかをしっかりと確認しましょう。
合計額の提示しかなく金額の内訳が曖昧な業者、作業内容が不明瞭な業者には注意が必要です。
どんぶり勘定で料金を請求されたり、作業内容が不十分であったり、逆に不要な内容が含まれていたりといった点は、一社のみに依頼しているとなかなか気づけないものです。
そういった事態を避けるためにも複数社を比較し、内容に不安点がないようにしておきましょう。
3.再発防止策を確認
駆除だけでなく再侵入を防ぐことはもっとも肝心な点です。
再侵入防止のための封鎖作業がきちんと設定されているか、箇所は明確か、複数業者で比較を行いましょう。
こうもり被害が再発した場合の保証を設けている業者もありますので、保証範囲をよく確認しておくことも重要です。
4.実績や口コミを参考にする
ホームページで駆除事例やお客様の声を掲載しているなど、情報をオープンにしている業者は信頼性が高いです。
判断材料の一つにするとよいでしょう。
7 自力では得られないプロ駆除のメリット3選
プロによるこうもり駆除のメリットを以下にまとめました。
メリット1 自分自身の危険を冒さず任せられる
こうもりのフンは大量の菌やウイルスを含み、空気中の粒子などを吸い込んでしまった場合、健康被害を被る恐れがあります。
また高所作業などで怪我の危険が伴うこともあります。
こうした危険を冒さずに駆除できることは大きなメリットといえるでしょう。
メリット2 豊富な知識・経験による現場対応
こうもり駆除のプロは、こうもりの生態をはじめ、侵入口や家屋の構造などを経験により熟知しています。
薬剤やコーキング用品の扱いなど作業そのものについても、普段から扱い慣れているプロと一般人で同様の処置をすることは難しいです。
メリット3 徹底的に再発防止
こうもり駆除は再発防止が肝心です。
素人には侵入経路を全て特定して塞ぐことは難しく、一時的に駆除に成功しても再度こうもりが戻ってきてしまうことがあります。
その点、プロの業者は侵入経路を徹底的に封鎖し、こうもり被害の再発を防止します。
自力駆除による対処で再度被害を受けてしまい、「はじめから業者に頼んでおけばよかった」という状況になるくらいであれば、迷わずプロの仕事を選択するのも賢い方法です。
まとめ
こうもり駆除について紹介してきました。
こうもり被害は想像以上に深刻な事態になることもあります。
本記事を参考に、ぜひ早めの対処を行ってみて下さい。