冷蔵庫を処分するとなると、どう捨てるか悩みますが、もっと大きな悩みの種になるのが、「処分費用にどれくらいかかるのかわからない…」ということですよね。
実は、自治体・家電量販店・不用品回収業者(リサイクルショップ)、どこもだいたいの相場が決まっているんです。ですが、ボッタクリ業者はあなたが相場を知らないことがわかると、相場以上の料金をふんだくろうとしてきます。
そこで今回は冷蔵庫の処分費用相場を、自治体・家電量販店・不用品回収業者(リサイクルショップ)、引き取り依頼先別に詳しくご紹介します。
処分先をどう決めたらいいのかもあわせてお伝えしますので、事前に費用感を知った上で、納得のいく処分ができるようになります。ぜひ最後までお読みください。
1 冷蔵庫は家電リサイクル法に基づきリサイクル料金の支払いが必要
冷蔵庫は、家電リサイクル法という法律の対象です。そのため、メーカーごとにリサイクル料金が定められており、適切な処分のためには、リサイクル料金を支払わなければいけません。
家電リサイクル法とは
家電リサイクル法は、廃棄物の削減とリサイクルの推進のために2001年から施工された法律で、家庭用のエアコン・テレビ・冷蔵冷凍車・洗濯機・衣類乾燥機が対象となっています。
この法律に伴って私たちに義務化された『リサイクル料金』は、収集された対象品を「リサイクルするための費用」として請求されています。
例えば、収集された冷蔵庫をリサイクルするためには、解体したり、鉄やプラスチックなどまでに細かく分類します。また、その過程で有害物質が発生すれば必要な処理がなされます。
こういったリサイクルまでに必要な作業工程にかかるコストに、リサイクル料金は割り当てられる仕組みとなっているんです。
リサイクル料金 | |
冷蔵庫 | 170L以下:3,672円 171L以上:4,644円 |
エアコン | 972円 |
テレビ | ブラウン管テレビ15型以下:1,836円 ブラウン管テレビ16型以上:2,916円 液晶・プラズマテレビ15V型以下:1,836円 液晶・プラズマテレビ16V型以上:2,916円 |
洗濯機 | 2,484円 |
衣類乾燥機 | 2,484円 |
運搬料金によっても処分費用が変わる
私たちが実際に処分しようと思うと、リサイクル料金に加えて、『収集運搬料金』が必要になります。
これは、私たちの家から指定引取場所と呼ばれる「収集したリサイクル家電を一時保管する場所」までの運送費用を指します。
自分でトラックを所有していて、指定引取場所まで自己搬入できる、という場合はリサイクル料金のみとなります。
2 依頼先別!冷蔵庫処分費用の相場と処分先の決め方
私たちが有料で冷蔵庫を処分しようと思った時、方法としては、『自治体処分』『家電量販店で引き取り』『不用品回収業者に依頼』の3つがあります。
3つの処分方法それぞれのメリットとデメリットも、費用とあわせてお伝えしますので、処分先決めの参考になさってくださいね。
(1)自治体
どんな処分方法よりも安全かつ適正な処分方法です。
時間に余裕があり、手間がかかってもいいからなるべくお金をかけずに適切な処分がしたい!という人に向いています。
処分費用は直接持ち込めば「リサイクル料金のみ」ですが、自宅から収集をお願いする場合は収集運搬費が別途3,000円前後かかります。
170L以下冷蔵庫 | 3,672円程 |
171L以上冷蔵庫 | 4,644円程 |
業務用冷蔵庫 | 家電リサイクルの対象ではないため自治体収集対象外(=回収不可能) |
※大手冷蔵庫製造メーカー5社のリサイクル料金をもとに平均を算出した相場です。
実はリサイクル料金というのは、メーカーによって異なる場合があります。例えば、アイリスオーヤマの170L以下冷蔵庫リサイクル料金は5,092円ですが、パナソニックの170L以下冷蔵庫リサイクル料金は3,672円です。
(2)家電量販店
その店で冷蔵庫の買い替えを予定している場合、非常にお得な処分ができる方法です。
買い替えに伴っての処分だと、収集運搬費を安くしてもらえるため状況にマッチしている人にはオススメです。
引き取りのみの依頼には応じてくれない店舗もあるので、事前に確認しておきましょう。
大手家電量販店6社の引き取り費用をもとに平均を算出した相場は以下の通りです。
170L以下冷蔵庫 | リサイクル料金:3,672円程 運搬料金(その店で商品を買い替えの場合):1,000円前後 運搬料金(今回は購入はなく回収のみ希望の場合):3,500円前後 |
171L以上冷蔵庫 | リサイクル料金:4,644円程 運搬料金(その店で商品を買い替えの場合):1,000円前後 運搬料金(今回は購入はなく回収のみ希望の場合):3,500円前後 作業員3名以上必要な場合1名あたり人件費別途:3,000円程 |
業務用冷蔵庫 | 家電リサイクルの対象ではないため回収対象外 (=引き取り依頼不可) |
(3)不用品回収業者・リサイクルショップ
『即日回収可能』『家庭用・業務用問わない』『面倒な手続きが一切ない』『希望日時で回収に来てもらえる』など、自治体や家電量販店にはないメリットを持つ処分方法です。
「とにかく急いでいる!」「お金がかかっても楽に処分したい」「エレベーターのない高層階に住んでいて自分で階段からおろせないのでその作業もお願いしたい」こういった人にはオススメです。
リサイクルショップの場合は、「売れそうだ」と判断された時には処分費用を多少おまけしてくれることもあります。
不用品回収業者10社の情報をもとに平均を算出した相場は以下の通りです。
170L以下冷蔵庫 | 10,000円~15,000円程 ※車両費や人件費など含んだ総額 |
171L以上冷蔵庫 | 15,000円~20,000円程 ※車両費や人件費など含んだ総額 |
業務用冷蔵庫 | 30,000円~80,000円程 ※車両費や人件費など含んだ総額 ※ガス抜き処理ができていない場合対応不可のケースあり |
『絶対後悔しない遺品整理のための業者選びのポイントとオススメ業者5選』では、依頼前にチェックできてしまう優良業者の3つの基準を紹介しています。合わせてお読みください。
片付け110番での実際の回収事例
実際に片付け110番に依頼のあった事例は次の通りです。
【170L以下冷蔵庫】
118L冷蔵庫、アパート1階より作業員1名で搬出処分。ご請求金額:8,638円(税込)
【171L以上冷蔵庫】
451L冷蔵庫、戸建て1階より作業員2名で搬出処分。玄関から道路までわずかながら階段作業あり。ちょうどご依頼いただいたご住所の近くで回収作業をしていたため、人件費をお安くさせていただきました。ご請求金額:19,440円(税込)
【業務用冷蔵庫】
業務用大型冷蔵庫(縦2m以上、横幅約2m、奥行き約1.5m)。フロア1階より作業員3名で搬出処分。ご請求金額:59,000円(税込)
3 少しでも安く処分するためにやっておきたい3つのコツ
有料処分の場合、自治体・家電量販店・不用品回収業者、どこに依頼しても自分で持ち込んだ場合でも、3,000円以上の費用は必ずかかります。さらに「取りに来てもらう」となると、運搬費用としてさらに5,000円以上はかかります。
これはあくまで「最低料金」なので、さらに複数の条件が重なると料金は上乗せされていきます…。なるべく安く済ませたいですよね。
そこで少しでも安く処分するためにやっておきたい3つのことを紹介しておきます。これら3つのことを実践して頂ければ最低料金で処分が可能になります。
(1)中身は空っぽにする
冷蔵庫の中身が入っていると、「中身の処分費用」もかかってしまいます。そもそも、自治体・家電量販店では中身が少しでも入っていると処分すらできません。
買った時と同じ状態(冷蔵庫の中は空っぽ)にして処分するようにしましょう。
(2)運び出しやすい状態にしておく
取りに来てもらう場合、運び出しやすい状態にしておくと料金は抑えられる傾向にあります。搬出からトラックの積み込みまで時間がかかるとその分人件費もかさむため、少々割高料金を請求されるでしょう。
運び出しやすい状態とは、部屋が片付いているとか、運び出すための障害物が取り除かれているとかという状態だったりします。究極は業者が取りに来た時「駐車場で乗せるだけの状態」がベスト。
冷蔵庫はそもそも重い処分品なので、取りに来てもらう場合は特に気を使って運び出しやすい状態を作っておきましょう。
(3)なるべくキレイにしておく
リサイクルショップが取りに来た際、「これは売れそうだな」と判断した時に使えるコツです。リサイクルショップが持ち帰って販売する際、キレイにして店頭に並べないといけません。
掃除にも人件費はかかるので、もしも取りに来た冷蔵庫が「すぐに売れそうなほどキレイな状態」であれば、処分費用を多少おまけしてくれる可能性があります。
安くなるかは100%とは言い切れませんが、少しでも可能性があるのであればやっておいてもいいかもしれません。
まとめ
現在の冷蔵庫の処分費用は、
- 自治体:リサイクル料金と収集運搬費とで概算が7,000円~8,000円程
- 家電量販店:処分のタイミングによるが8,000円~大型になると12,000円程
- 不用品回収業者:15,000円~20,000円程
が相場となっています。
しかし、冷蔵庫の処分費用は、北朝鮮・中国の貿易ストップによる影響を受けて高くなっているのが現状で、今後変動していく可能性が高いといわれています。
実は、これまで日本は処分にコストのかかるスクラップは中国へ輸出していて、世界で見ても中国へのスクラップ輸出量は、日本が最も多かったんです。
しかし、そのスクラップ輸出ルートが絶たれてしまったので、今はほとんどを国内で処理しなければならなくなりました。中国へ輸出することで処分費用を安く抑えられていた業者の多くがお手上げ状態で、処分費用をあげて見積もらざる得ない状況にあります。
今後の対北朝鮮・中国との輸出入情勢によっては、各費用が高額化する可能性も否めません。高額な処分費を前に、不法投棄する人が増えるのでは、という危険性も問題視されています。
不法投棄は景観を損ね、廃棄物が野生の動植物に悪影響を与え、めぐりめぐって人にまで弊害をもたらす道徳にも法にも反す行為です。
この記事があなたの役に立つとともに、適正な処分の重要性について考えて頂けるきっかけになれば幸いです。
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